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猫の社会的地位はどのように高まっていったのか?

2020.07.27

動物後進国である日本では、犬や猫の社会的地位が低い。

今年は動物愛護法の改正が話題になったが、命を守れる法律に改正されたとは言いがたい。では、これから先、日本はどんな風に動物先進国を目指していけばいいのか。それを考えるには現在、動物先進国だと言われている他国がどんな歩み方をしてきたのかを知る必要がある。

そこで今回は、外国で猫の社会的地位がどんな風に高まっていったのかを紹介していきたい。

猫の社会的地位はどのように高まっていったのか?

猫の社会的地位は他国でどうやって高まっていったのか1

世界で初めてキャットショーが開催された国は現在、動物先進国だと言われているイギリス(1871年)。イギリスでは1876年に、世界初のキャットフード製造会社「スプラット社」が誕生し、同社がキャットフードをアメリカに輸出したことにより、アメリカでもキャットショーが開かれるようになった。

1930年代、アメリカでは缶タイプのキャットフードが製造され始め、不妊手術も導入された。しかし、不妊手術はなかなか普及せず、1940年代から1950年代も全身麻酔は推奨のみで義務づけられてはいなかった。この時代には、メスには1回だけ出産を経験させてあげることが人道的だとも考えられていたのだ。

だが、1969年にロサンゼルスで低価格で不妊手術を行う病院が誕生したことにより、去勢・避妊手術は広まり、安楽死させられる猫も減っていったという。1970年代にはアメリカを中心に完全室内外が主流となり、1972年には動物を迎える際には不妊手術を必ず受けさせるよう、米国動物虐待防止協会が訴え始めた。

また、1990年代になると、猫の社会的地位を守ろうとする動きが活発になっていく。例えば、1990年にはアメリカでTNR法が誕生し、1994年にはテキサス州ヒューストンが世界で初めて、動物病院へ行けない猫でも不妊手術が受けられるよう、自動車での出張サービスを開始した。

猫の社会的地位は他国でどうやって高まっていったのか2

さらに、1999年には動物権利擁護団体「イン・ディフェンス・オブ・アニマルズ(IDA)」が「ガーディアン・キャンペーン」という運動を行い、ペットの法的地位を変えようと奮闘。2003年にはカリフォルニア州のウエストハリウッド市がアメリカで初めて、猫の爪を抜く「抜爪手術」を禁じ、人々の意識はさらに変わっていった。

こうしてざっくりと歴史を見ていくと、日本の動物愛護がどれほど世界的に遅れているのかが分かる。日本では現在ようやく完全室内飼いが推奨され始めてきたが、それは実は世界的に見れば何十年も前に当たり前となった常識でしかない。こうした事実を目の当たりにし、自国の遅れに気づくことこそが、動物先進国を目指すためには大切なように思えてならない。

残念ながら今の日本は動物たちが「この国に生まれてきてよかった」と言えるような優しい国ではない。しかし、ひとりひとりが現実と向き合い、命の重さを考えていくことができたら、動物も住みやすい国にすることはできるはずだ。

<参考書籍>
『ジャクソン・ギャラクシーの猫を幸せにする飼い方』(ジャクソン・ギャラクシー:著/ミケル・デルガード:著/プレシ南日子:訳/エクスナレッジ)

文/古川諭香(PETomorrow編集部)

愛玩動物飼養管理士やキャットケアスペシャリストの資格を活かしながら、様々なWebサイトや紙媒体で猫情報を配信中。産まれてから今まで猫がいなかった日はなく、現在は3匹の猫たちと生活中。「猫と人間が幸せに暮らす」をテーマに、猫が喜ぶ注文住宅も建築済み。

構成/inox.

犬猫の知って得する雑学、爆笑動画、感動記事は「PETomorrow」で配信中。

https://petomorrow.jp
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