
仕事はリモートワークで、プライベートは動画鑑賞にスマホゲーム……こんなふうにコロナ禍において、デジタルデバイスが常に傍らにある生活をしている人は多いはず。
しかし、スマホやPCの長時間使用は、デジタル時差ボケ、ドケルバン病、ストレートネックといった身体の不調をきたす恐れがある。
本稿では、その3つの症状の特徴と共に、専門家が提案する改善・予防策について紹介していきたい。
デジタル時差ボケ
デジタルデバイスとの接触機会が増えることで懸念されるのが、それらから発せられるブルーライトによる悪影響。
そのデジタルデバイスの使い過ぎによるブルーライトの悪影響で、睡眠のリズムが乱れて身体が常に「昼夜逆転状態」に陥る、いわゆる「デジタル時差ボケ」が引き起こされると、眼科医である林田康隆先生は述べる。
「デジタル時差ボケ」の弊害として、夜でも「睡眠ホルモン」の分泌が抑制され不眠症になったり、日中の集中力や仕事の生産性低下にも繋がったりしてしまう。
■林田康隆先生が推奨する、デジタル時差ボケ対策4選!
1:【寝る時くらいはアナログに】
就寝時のスマホの充電はなるべくベッドから離れたところで。また、目覚まし時計としてのスマホ使用は控えよう。もちろん、就寝時は部屋の電気は真っ暗に。
2:【適度な運動を意識して】
適度な運動は健康維持にとても重要。日常生活に階段の利用やウォーキングなどを取り入れよう!
3:【ブルーライトカットの対策をしよう】
PCやスマホの使用時間が長い(1日4時間以上)人は、ブルーライトカットメガネをかける習慣をつけよう!
4:【目に良い成分を持つ栄養素を積極的に取ろう!】
「睡眠ホルモン」と言われるメラトニンが多く含まれている食品は様々。例えばマッシュルーム、ウォルナッツなどのナッツ類、シリアルフード、卵、そしてサーモンなどの魚介類にもメラトニンが豊富。
特にサーモンは目に良い抗酸化成分であるアスタキサンチンも含む。その他、果物や野菜ではポリフェノールの豊富なぶどう、アントシアニンの豊富なクランベリー、そしてビタミンCの豊富なイチゴ、リコピンの豊富なトマトなどもオススメ。
これらの食物を取り入れることで、ブルーライトによって分泌バランスが崩れてしまったメラトニンを補うことができ、抗酸化力・体内時計の回復などの効果が期待できる!デジタル時差ボケ対策として取り入れたい食習慣。
ドケルバン病
ドケルバン病は、手の腱鞘炎の一つ。指と手首をつなぐ2本の腱が炎症を起こした状態を指し、親指を動かしたり、力を入れたりすると痛みやしびれが出る。
最近では、おうち時間の増加の影響で「スマートフォン・サム(親指 )」 と呼ばれるドケルバン病が散見されている 。
スマホの操作を片手で行う人、仕事でパソコンのキーボード操作をよくする人は、角度によっては手首への負担も大きく、腱を痛めて炎症を起こしやすい。
特にこのスマホ時代には、まさに配慮すべき疾患。埼玉県川越市の「いしがみ整形外科クリニック」のホームページは、4月の緊急事態宣言以降、1カ月の閲覧数が20万にまで跳ね上がった。なかでも、ドケルバン病について説明したサイトへの閲覧数は6千を超えた。
■石神等先生が推奨する、ドケルバン病を予防・改善する対策3選!
1:【“手首を返す動作”を避ける】
「お鍋のふたのつまみ側を下にして置く動作」「本をめくる動作」など、ついつい手首を裏返してしまいがちな動作が多くあるが、できるだけ裏返さないように気を付けよう。
2:【親指・手首の負担を軽減しよう】
スマートフォンの片手操作も親指・手首に負担大。両手で操作するようにしよう。
3:【日ごろから大豆製品(豆腐・納豆・煮豆・みそ等)をバランスよく摂取しよう】
大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は、ドケルバン病の発症を予防する「エストロゲン」と似た作用を持つ。
ストレートネック
ストレートネックとは、頭を支えるため緩やかな湾曲を持つ頚椎の前弯がなくなり、頭の重心がそのまま首にのしかかり、その結果、体に様々な不調をあたえる状態を指す。
ストレートネックになると、首・肩こりや頭痛、目の疲れ、猫背、腰痛などの影響が出るだけでなく、最悪の場合はヘルニアになってしまうことも。
また、首のしわ、顔まわりのたるみといった美容面にも悪影響を及ぼす他、自律神経失調症になったり、うつを引き起こしたりするなど、心に影響を及ぼす場合もある。
昨今のテレワークなど働く環境の変化により、スマホやモニターに向かう時間が増え、ストレートネックを原因とした頸(首)の痛みをに悩まされる人が増えている。
■鄭信義先生が推奨する、ストレートネックを予防する対策3選!
1:【スマホを使用する際は正しい姿勢で】
椅子に座り、足の付け根に手を置いて、軽く胸を張る。スマホを使うときは、この姿勢のまま脇をしっかり締めて、画面を目線の高さに合わせるのが理想。
2:【気を付けたい、スマホ使用時のNG姿勢】
前傾姿勢以外に気を付けたいのが「ベッドで横になってスマホを見る」体勢。横向きに寝転がってスマホを長時間使うことで、片方の目の視線が鼻側に寄る「急性内斜視」になる人も増加している。不自然な姿勢のため、当然ながら首にも負担がかかり失明につながる恐れも。
3:【パソコンを使用する際の正しい姿勢も意識しよう】
パソコンを使うときも、基本の正しい姿勢を意識しつつ、椅子に深く腰かけ、足裏全体が床に接するように座る。ディスプレイは目線と同じ、もしくはやや下になる高さで、40cm以上距離をあけて使用するようにしよう。ノートパソコンを使用する場合は、スタンドなどを使って目線を調整するのがオススメ。
出典元: 出典元:株式会社インターメスティック
構成/こじへい
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