
「このWeb会議、やる意味あるの?」そう感じることもあるかもしれない。まだみんなが慣れていないということもあるし、Web会議は開催しやすいところもある。しかし、もし無駄なWeb会議が発生しているなら、早急に手を打ちたいところだ。
そこで、Web会議の生産性を上げるための方法を、「5分会議」など効率的な会議実践の専門家である沖本るり子さんに聞いた。
【取材協力】
沖本るり子さん
「5分会議」で人と組織を育成する1分トークコンサルタント。プレゼンテーション、コミュニケーション、リーダー力などを向上させる「5分会議」を活用し、ちょっとした工夫で「できない」を「できる」に!個性を活かす人財育成コンサルタント。「5分会議」®はRKB毎日放送「今日感テレビ」で紹介された。著書に「期待以上に部下が育つ高速会議~会議を変えるだけで部下もチームも変わる(かんき出版)」(かんき出版)他がある。
http://www.e-cheerful.co.jp/
Web会議になって「生産性が落ちた」は37.5%
Lightblue Technologyが2020年4月25日にWeb会議を今まで実施したことのある会社員を対象に『Web会議における意識調査』を実施したところ、Web会議になって、対面式の会議より生産性が落ちたと思う人の割合は37.5%で、まあまあ多い結果となった。
Web会議で生産性が上がらないと感じたら、何をチェックすれば良いだろうか。
「まずはじめに、その会議をやる必要あるのかをチェックしてみてください。Web会議は、通常の会議と比べて会議室などにみんなで集まらなくて良いので、物理的にハードルが低く、やたらと開催しがちです。しかし、生産性が上がっているかどうか不安なら、本当にそれが必要なのかということを考えてください。
Web会議じゃなくて、メールだけでできるんじゃないかとか、他の方法がないのかということを考えてください。Web会議でやる必要がない場合も意外とあります」
生産性を上げるためのWeb会議テクニック
もし必要なWeb会議なら、どんな風に開催すれば生産性が上がるだろうか? 沖本さんは3つのテクニックを挙げる。
1.時間表を作ってその通りに行う
「どのくらいの時間でやるのかを、時間配分を分刻みで細かく決めて、時間表を作ること。Web会議はダラダラとやりがちですから、時間でびしっと随時切ることがポイントです」
2.目標を明確にする
「その会議が終わったときに、どうなっていればいいか、という目標を明確にしましょう。その目標が達成されれば、生産性が上がったということ。会議を始める前に目標を明確し、終わった後に、その目標が達成できているか、できていないかをチェックします」
3.議事録を取る
「Web会議中、発言を書く(打ち込む)のをおすすめしています。録音や録画ではなくて書き残してください。その会議の内容が見えるようにすることが大切です。書くと生産性が上がります。なぜなら、書こうとした時点で、記録されているため、まともに話そうとするからです。ポイントが押さえられ、話が短くなります。また話が脱線しにくくなるため、無駄な雑談もなくなります。議事録を残せば、今の会議だけではなく、別の機会にもヒントになります。
録音や録画をしても、後から聞きません。何か問題が起きない限り、まず聞き直さないでしょう。その点、議事録は、後からパっと見られるので見返しやすいです。
議事録は、リアルタイムで会議をしながら全員が見えるようにするとより良いです。ZoomではExcelやホワイトボードを共有しながら会議できる機能がありますので、活用してみてください」
「テレワーク中のコミュニケーションは増やしたほうがいい」は本当か?
ところでコミュニケーション増やしたほうがテレワークがうまくいくという説もある。無駄なWeb会議でも、コミュニケーションのためにやったほうが良いということはないのだろうか?
「タイプによると思います。テレワーク中、頻繁なコミュニケーションが必要な人もいれば、そうでなく、本当は疲れている人もいるでしょう。もしかしたら、会議開催側の自己満足で、本当は『せっかくテレワークになって上司の顔を見なくて済んでいるのに、なんでわざわざWeb会議で見ないといけないの』と思っている人もいるはずだからです。表向きにはそんなことは言えませんが、内心そう思っている人もいるかもしれません。
会議開催側は、必ずしもみんながコミュニケーションを求めているとは思わずに、本当に必要なWeb会議だけを開催するようにしたほうが良いでしょう」
テレワークとはいえ、Web会議とはいえ、無駄な会議は御法度。ぜひ今回のことをヒントにして有意義なWeb会議を行おう。
取材・文/石原亜香利
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