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2019年度の倒産件数は8480件、2年ぶりの前年度比増加なのに「負債総額」は過去最小の理由

2020.07.23

倒産件数は2年ぶりの増加だが「負債総額」は過去最小の理由

政府は新型コロナウイルスの影響を受ける企業に対し、徹底的な資金繰り支援を打ち出している。金融機関に対しても融資先への返済猶予等の条件変更対応を強く求めているほか、リーマン・ショック時の経済対策をも上回る規模での追加対策も表明している。

TDBの調査によると、2019年度(19年4月~20年3月)の倒産件数(8480件、前年度比5.3%増)は、2年ぶりに前年度を上回った。

単月ベースでは、2019年5月、8月を除く10カ月で前年同月を上回り、半期ベースでは、2008年度以来11年ぶりに下半期がプラス(前年同期比6.5%増)に転じた。小規模倒産の増加が目立ち、負債5000万円未満の件数は62.3%を占め、比較可能な2000年度以降で最高だった前年度の比率(61.4%)をさらに上回った。

業種別では、食料品や衣料品など、製造業(976件、前年度比8.1%増)が10年ぶりに増加に転じたほか、慢性的な職人不足で労務費負担が増している建設業(1452件、同5.6%増)や、消費税率引き上げの影響が懸念される小売業(1990件、同8.9%増)で増加が目立ち、倒産件数全体を押し上げた。

負債総額は1兆2187億8900万円と、負債1000億円超の倒産が2014年度以来5年ぶりに発生しなかったことなどから、最小だった前年度(1兆5548億900万円)をさらに下回った。

後継者難倒産が2年連続増、最多を更新

経営者の突然の体調不良や死亡などを契機に事業を断念せざるを得なくなったなどの「後継者難倒産」は479件と、調査開始以降の最多だった前年度(420件)を14.0%上回り、負債総額は485億4800万円にのぼった。経営ノウハウや取引先との関係を経営者個人に大きく依存する小規模企業を中心に倒産が目立っている。後継者がいないことで当初廃業を見込んでいた企業が、債務を清算できずに倒産するケースなどもみられた。

政府は今年3月、中小企業の事業承継の円滑化などを支援する中小企業成長促進法案を閣議決定。今通常国会での成立を目指している。経営者の高齢化が進むなか、政府・自治体等による事業承継支援策は年々厚みを増してきているものの、小規模企業を中心に事業承継する意思がない経営者も多いことなどから、今後も後継者難倒産は増加基調で推移すると見込まれる。

新型コロナの影響、引き続き企業の資金繰りを注視

新型コロナウイルスの感染拡大にともなうインバウンド消費の落ち込みや政府による不要不急の外出自粛要請などを受け、飲食店や小売店、宿泊業など、幅広い業種で関連倒産が相次いでいる。3月には、女性向けアパレルブランド「マジェスティックレゴン」などを展開していた㈱シティヒル(民事再生、負債約50億円)が倒産。

100店舗超の出店にともなう投資負担の増加で資金繰りが悪化していたなか、今シーズンの記録的暖冬でセール前倒しを迫られ、さらには感染拡大の余波による来店客数の急減に見舞われたことから、自主再建を断念した。感染拡大の影響に起因する倒産は、4月7日までに計42件判明しており、さらなる発生も危惧される。

倒産件数は、3月時点で7カ月連続の前年同月比増加と、リーマン・ショック以降では最長の連続増加が続いている。2019年度の飲食店の倒産(784件、前年度比19.3%増)は過去最多を記録するなど、上昇基調の物流費や人件費、また、消費税率引き上げ分を転嫁できていない企業などではすでに倒産が続発しているうえ、今後は感染拡大の影響が追い打ちをかける。

構成/ino.

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