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日本人は退職準備に楽観的!?定年退職するまでに作っておきたい、本当に必要な資産額とは?

2020.07.22

 ビジネスパーソンとして活躍するDIMEの読者の皆さんは、定年退職するまでに作っておきたい資産の額を考えたことがあるだろうか。

 日本に初めて進出した「外資系」の資産運用会社として知られている「フィデリティ投信株式会社」は、退職準備に関する調査のプレスリリースで、以下の2つの結果を発表した。


・このままでは現役時代と同じ生活水準を維持することは難しいが打ち手がゼロというわけではない
・日本人は退職準備に楽観的で準備状況を理解できていない


プレスリリース中で紹介されている詳細なレポートと共に、調査結果の概要を紹介しよう。

 同社は「フィデリティ退職準備スコア」という退職準備状況を数値で表す指標を用いて結果を説明。現役時代の生活水準を退職後も維持するためにはどのくらいのお金が必要かを所得別に示してくれている。2019年に金融庁が発表した老後のモデルケースと、それに必要な額がおよそ2000万円。という風に、一律で金額を示しているのではないため、自分の収入状況に合わせた検討ができるようになっている。

■プレスリリースの調査概要
・退職準備に関するアンケート調査
・2019年9月に実施
・対象地域:米国、カナダ、英国、ドイツ、香港、日本
・対象人数:各国合計で約14,000人

□引用資料
・フィデリティ、退職準備の進捗を見える化、「フィデリティ退職準備スコア」を発表
~日本の現状は「要注意」の水準~/フィデリティ投信株式会社

・フィデリティ退職準備スコア
~リタイアメント・プラン実現のために何をすればいいのか~/フィデリティ投信株式会社

(以下、フィデリティ社詳細レポート)

税込み年収の16%を投資に回して退職年齢を67歳にすれば水準維持が可能

 同プレスリリースによれば日本人の「フィデリティ退職準備スコア」の中央値は75ポイント。評価としては退職後の生活水準の見直しが必要になる「要注意」評価。

■日本人の「フィデリティ退職準備スコア」結果

引用元:フィデリティ社プレスリリース

 このスコアは退職までに用意できる資産を、退職後に必要な生活費用で割り算して求めているので、100ポイントであれば退職後の生活費が過不足なく用意できていることになる。

 75ポイントということは単純計算で、退職後に必要なお金のうち25%が不足していることになる。不足を補うための改善点として3つの対策を提案している(下図)。

■3つの対策:①資産形成比率の引き上げ/②資産構成の見直し/③退職年齢の引き上げ

引用元:フィデリティ社プレスリリース

 3つの対策をするだけでスコアが100ポイントを超えるので退職後でも現役時と同じ生活水準が維持できるとしている。

 対策のうち「資産構成の見直し」は、株式への投資を増やすことを提案している。しかしプレスリリース中から理想的な資産構成比率は見つけられなかった。

 残り2つの対策は具体的な対策数値として、それぞれ税込み年収の16%を投資に回す。退職年齢を67歳にする。が挙げられている。この2つを実践するだけでもスコアが41ポイントも改善して100ポイントを超える。当然だが資産形成を開始する年齢を考慮せずに中央値での結果ではある。退職までの時間が長ければ資産形成比率を増やすだけでも大きな効果が見込めるのは、言わずもがな。

退職準備が計画通り進んでいると自己評価した人のうち55%の人は、スコアで見ると水準未満

 他の国の人より資産形成が進んでいないと思われがちな日本人でも、各国のスコアを比較した限りではほとんど違いがない。しかし自分の退職準備状況の評価は楽観的であるという特徴が分かった。スコアが低い人ほど楽観的な傾向が強いそうなので、退職後なんとかなるだろうと考えている人ほど真剣に考える必要がありそうだ。

 とはいえ具体的にいくらの資産を形成しておくべきなのか。人それぞれの生活様式によって額が異なるはずだ。退職準備スコアの詳細レポート(フィデリティ社詳細レポート)では67歳時点で「退職直前年収の7倍」を計画目標にするとよいとしている。

■退職準備に必要な額の年齢別の道しるべ

引用元:フィデリティ社詳細レポート

7倍という数字は、退職金が年収の2倍もらえる人を想定しているので、退職金が見込めない場合には「退職直前年収の9倍」が目標になる。各年代で作っておきたい資産で「年収の何倍」と聞くとかなり大きな金額のイメージになり、やる気が無くなりそう。最初から大きな目標に向かってあれこれ節約したり過剰に投資したりせず、3つの対策のうち、手っ取り早くできそうな「税込み年収の16%を投資に回す」ことから始めてみてはいかがだろうか。

■各国の世代別のフィデリティ退職準備スコア

引用元:フィデリティ社詳細レポート

日本人よりも投資を行っているというイメージが強い米国人でも全世代のスコアは83。ドイツや英国は日本よりも低い73という値になっている。

■「退職までにいくら資金を用意すればいいかがわからない」と回答した人の比率

引用元:フィデリティ社詳細レポート

この結果でも日本が突出して「退職までに必要なお金がいくらかわからない」というわけではないことがわかる。むしろ世界的に老後の資産形成に対する教育が必要であることが読み取れる。

■日本人の退職準備の主観評価とスコアのギャップ

引用元:フィデリティ社詳細レポート

主観では「計画通り」と答えた人のうち、スコア上でも「計画通り」だったのは45%。残りの55%の人は計画通りに行っていないので「楽観的」という評価に。

 調査結果はどうしても理想論になってしまう。実際に生活をしていくうえで年収の16%も投資できないよ。という人がいるのも分かっている。しかし現状より投資する額を少しでも増やすことで、老後に使えるお金が増えるのは間違いない。

 ところで金融機関で老後に向けた資産形成の相談をすると、理想的な目標金額を並べられて逆に不安になってしまうかもしれない。そのため自分の今の収入からどのくらい投資に回すことができ、投資に回した結果どのくらいの額が用意できるのか。その額で老後の生活をしていくには、何を犠牲にしなければならないのか。という風に自分の生活様式を想像しながら考えてみることをオススメしたい。

文/久我吉史

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