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商業施設内に南米アマゾンのジャングル出現⁉︎新感覚のネイチャーエンターテインメント水族館「カワスイ 川崎水族館」の楽しみ方

2020.07.25

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

最新テクノロジーを駆使した五感を刺激する水族館

7月17日にオープンした「カワスイ 川崎水族館」は、川崎駅前商業施設「川崎ルフロン」の大規模リニューアルプロジェクトに伴い、日本で初めて既存商業施設内に作られた水族館だ。

川崎ルフロン9階、10階の2フロアを使用した延床面積約7000㎡の館内は、「世界の美しい水辺」をテーマに、地元の川崎市を流れる多摩川からアジア、アフリカ、南米アマゾンの熱帯雨林まで、69個の水槽、約230種(植物を除く)の生きものを展示。最先端の照明、音響、映像技術を駆使した空間演出で訪れる人を楽しませる。

水中カメラ映像をAIがリアルタイムで解析し、水槽内の生きものの種名と解説を大型ディスプレイやタッチスクリーンに自動で表示する、次世代の展示システム「LINNÉ LENS Screen(リンネレンズ スクリーン)」を世界で初めて導入。

8つの水中カメラと11台のタッチパネルを設置し、最先端のAIテクノロジーと飼育員のオリジナル解説により、ライブ感のある映像を見ながら、同時に生きものの情報を得ることができる。下記画像は、水槽内(矢印)のカメラの映像が、ディスプレイに映し出されて解説される様子。

各水槽や一部のゾーンにはQRコード魚名板を設置。スマホやタブレットでQRコードを読み込むと、カワスイアプリ、アプリを持っていない場合はカワスイ公式サイトに遷移して、各水槽やゾーンに展示された生きものの名前や特徴が表示される。

各ゾーンの見どころ

〇多摩川ゾーン

汚染によりかつては「死の川」と呼ばれた多摩川。現在はアユやオイカワが姿を見せる川へ再生した。一方で、投棄による外来種が入り、以前から生息している生きものに影響を与える問題も起きている。大都市を流れ、人々との生活や時代の移り変わりとともに様々な顔を見せてきた多摩川の現在の様子を見ることができるゾーン。

ゾーンに入ってすぐ左側に3個並んだ水槽には、左から右へ順に、上流に棲む「アブラハヤ」、中流に棲む「ウグイ」、下流に棲む「コイ」を展示。水槽の背面には、多摩川の様々な景色の映像が朝、昼、夕、夜のそれぞれ異なった内容で投影され、訪れる度に新しい表情を楽しむことができる。

多摩川に生息している外来種を含めた生きものも合わせて展示を行っており、現在の多摩川の生態系を感じることができる。スクリーンで放映されるデジタル図鑑「多摩川生きものコレクション」は、4Kの高精細、高画質で撮影された30種類の淡水魚の美しい質感やディテールを映像美で楽しめる。

〇オセアニア・アジアゾーン

オセアニア・アジア両地域にまたがって生息するアロワナの仲間や、世界最大級のメコンオオナマズ、パーカーホなどの淡水魚をはじめ、ガラスのように透明な体をしていて、骨や内臓が見える特徴的な姿をした魚であるトランスルーセントグラスキャット、口に含んだ水を発射して水面より上の葉に止まった昆虫などを撃ち落として食べるテッポウウオなど、ユニークな生きものを展示。オセアニア・アジアの川の豊かさを感じることができるゾーンとなっている。

また、淡水魚だけでなくミツヅノコノハガエルやフクロモモンガなど、オセアニア・アジアに生息する生きものも合わせて展示している。

〇アフリカゾーン

アフリカの大地が隆起してできたマラウィ湖や、タンガニーカ湖にすむ独自の進化を遂げたカラフルな魚たち、世界最大のサカサナマズの仲間であるヘミシノドンティス、凶暴な魚として知られるプロトプテルスエチオピクス、古代魚と呼ばれるポリプテルス・ビキールビキールやポリプテルス・エンドリケリー、その名の通り象の鼻のような突起があるエレファントノーズフィッシュなど、アフリカが育んだ不思議で多様な魚たちが展示されている。

アフリカの水辺の近くに棲む生きものとしてパンサーカメレオンや、夜行性の猿・ショウガラゴの姿も観察することができる。

〇南アメリカゾーン

世界最大の熱帯雨林を育むアマゾン川は、世界最大の湿地・パンタナルや不思議な砂の世界・レンソイスがあり、そこに息づくカラフルな生命を見ることができるエリア。

南アメリカゾーンでは、ピラニアナッテリーやデンキウナギ、熱帯魚の宝石と呼ばれる美しい魚のディスカス、流木や木の葉に擬態して自然の中に身を隠して暮らすリーフナイフフィッシュやロリカリアなどアマゾン川流域にすむ個性豊かな魚を展示している。

南アメリカの中心に位置する世界最大級の熱帯湿原「パンタナル」は、乾期は水がなくなり、雨期は水量が上がる環境で、生きものの宝庫となっている。パンタナルを再現した水槽はカワスイ最大で水量は約40トン。ネオンテトラなど約8000匹の魚たちがいる。

コの字型の水槽は様々な角度からの鑑賞を楽しめるように工夫された「アクアスケープ水槽」という展示手法。前景に水槽、中景に植栽、後景に実際にアマゾン川流域にて撮影した映像を放映するLEDモニターを配し、魚たちと植栽の奥に映像が重なり、リアルで臨場感のある展示となっている。映像と照明、音響は朝、昼、夕方、夜と時間帯により異なり、夕焼けのアマゾンの湿地の風景など見ごたえのある映像も。引いて見ても、近づいて見ても面白さが味わえる。

ポルトガル語で「シーツ」の意味を持つ真っ白な砂丘「レンソイス」。雨季にはエメラルドグリーンの湖が現れて魚が泳ぎ、乾季には湖は姿を消し魚もいなくなる。雨季の雨水のみでできた湖に、どこから生きものたちがやってきたのか、どのような生きものが棲んでいるかなど、まだ完全には解明されていないという。

文献をもとにヘッドアンドテールライトテトラをはじめとした真っ白な砂丘に映える美しい魚たちを集め、全面透明なアクリル水槽と石英でできた砂、モニターに映るレンソイスの風景と水槽の融合によるアクアスケープ展示となっている。

レンソイスエリアの向かい側には、毒矢に使われるほど強い毒をもったカラフルなヤドクガエルや、子供を自分の背中で育てる習性のピパピパ、鮮やかな目のアカメアマガエル、皮膚からミルク色の毒液を出すミルキーフロッグなど個性豊かなカエルたちが展示されている。

南アメリカゾーンでは、木登りや泳ぐことが得意なグリーンイグアナやマタコミツオビアルマジロなど、水辺に暮らす生きものたちも大集合。水族館の裏側を公開するアグア・ラボエリアでは、飼育備品や予備水槽、アマゾンゾーン用の雨霧ウォーターサーバー、アマゾン

雨霧ユニット、濾過循環ポンプなど、普段は見ることのできない機器を見ることができ、今後、バックヤードツアーも予定している。

〇パノラマスクリーンゾーン

通常展示とインタープリテーションの2つのモードでデジタル動物映像を展示。映像に登場する生きものは全て実寸大にてスクリーンに投影され、ダイナミックな生きものたちを約200度の広角スクリーンで観察できる。

通常展示では、全長約6000㎞のアマゾン川に棲むアマゾンカワイルカのイニア(アマゾンカワイルカの学名)が、客をアマゾン川の水の中へ誘い、カワイルカやマナティとのインタラクティブなひとときを楽しむという内容。センサーにより、映像に映し出されたカワイルカやマナティが客に近づくと、客の動きに反応して手を動かしたり、くるくるとまわったりと愛らしい姿を見せてくれる。

インタープリテーションでは、カワスイのクルーがイニアをはじめ、バンドウイルカ、シャチ、イッカク、マッコウクジラ、ザトウクジラ、セミクジラなど世界の海に暮らす生きものを紹介。体の大きさや棲んでいる場所、生態の特徴や食べるものをクルーと共に楽しく学ぶことができる。

〇アマゾンゾーン

9~10階の吹き抜けを生かし、アマゾンのジャングルを再現した熱帯雨林の温室には、6つの水槽が展示されている。世界最大の淡水魚ピラルクやピラニア、体長2mほどに成長すると言われるレッドテールキャット、アストロノータスオスラーテスなどアマゾン川流域に生息する生きものを鑑賞できる。

川の断面を見ているような水槽で、足元がクリアになっている個所もあり、普段見ることができない真上からの観察も可能。

アマゾンゾーンでは、熱帯雨林に降り注ぐスコールや、植物を包み込む霧を再現し、熱帯雨林を体感することができる。昼と夜では異なる照明、音響演出を施し、夜のカワスイでは、幻想的な雰囲気の中で、夜行性の生きものを観察したり、雷の演出も楽しめる。

アマゾンゾーンに入ってすぐ左手の木々の茂みの中には、生きものたちの水飲み場が作られており、今後、魚たちだけでなく、カピバラやフタユビナマケモノ、アカアシリクガメやマタコミツオビアルマジロ、オニオオハシ、コリーカンムリサンジャク、ヒロハシサギ、ショウジョウトキなど、多彩な生きものが登場する予定。

ブラジルの魔除けやお守りとされるカハンカの木像と滝があるアマゾンデッキでは、カピバラへのえさやり体験などのイベントを予定している。

〇オフィシャルショップ/カフェ

お土産としての「スーベニア」と「ミュージアム」要素を兼ね備えた、カワスイ オフィシャルショップは入館者以外でも利用が可能。「スーベニア」はオリジナル商品や、数百社を超える国内外メーカーや個人の作品から厳選された商品を揃える。「ミュージアム」は標本などを展示、販売。カワスイ オフィシャルショップの隣には、モルモットとふれあう「ふれあいパーク」を併設。また、10階にはワゴン式売店「ボデーガ」も。

飲食エリアは、10階の水族館エントランスに併設するカフェ「CAFE CRAM(カフェ クラム)」、9階には森をコンセプトにした「こもれびカフェ Sweets & Cafe」と猫テラス「ソラネコカフェ」がある。川崎ルフロン最上階の眺望を楽しめるビュッフェレストラン「AOW (エーオーダブリュー)」は入館者以外でも利用できる。

注※ 新型コロナウイルス感染拡大の社会情勢を鑑み、以下の店舗、サービスは当面の間営業を見合わせている。10階「CAFE CRAM」、「AOW」、9階「こもれびカフェ Sweets & Cafe」「ソラネコカフェ」の営業、9階「アマゾンデッキ」でのカピバラとのふれあい、9階「ふれあいパーク」のモルモットとのふれあい。実施状況、開始時期などは随時情報をアップする公式サイトにて確認を。

【AJの読み】都会に出現したエンターテインメント水族館

五感で楽しむというカワスイ独自の展示方法は注目に値する。多摩川ゾーンやパンタナルエリアにあるアクアスケープ水槽やパノラマスクリーンは、リアリティがあり世界へ引き込まれるし、植物が生い茂るアマゾンゾーンは、ここが商業施設の中であることを忘れてしまいそう。訪れる時間によっても演出が異なり、また今後さらに成長していく魚も多くいるとのことで、足を運ぶたびに新しい発見がありそうだ。

カワスイに限らず近年の展示施設の潮流なのだろうが、館内はスマホを使って理解を深めるサービスが多い。各水槽では魚名や説明文がなく、スマホをQRコードで読み取る、もしくはアプリを活用して展示物の詳細を知るシステム。スマホを持っていない、使い慣れていない人には不便なのでは?と感じた。実際に鑑賞してみると「この魚はなんだろう?」と思っても、いちいちQRコードを読み取り確認するのも面倒で、せめて魚名だけでも掲示してくれればありがたいと思うのだが。

文/阿部純子

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