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黒人差別×ベトナム戦争をテーマにしたNetflixの衝撃作「ザ・ファイブ・ブラッズ」を観て想うこと

2020.08.04

今年も、終戦記念日が近づいてきた。

戦争体験者が年々減っている中、巷には戦争を美化したフィクション作品が溢れていることを危惧している人も、多いのではないだろうか?

今年6月12日にNetflixで全世界同時配信されたスパイク・リー監督の戦争映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』(Da 5 Bloods)は、“黒人差別×ベトナム戦争”をテーマにした衝撃的な作品。

BLM(黒人の命は大切だ)運動が盛り上がる中で配信されたことでも注目を集め、内容も批評家から高く評価されている。

スパイク・リー監督は、『マルコムX』『ブラック・クランズマン』など、これまでにも多くの作品で黒人差別を描いてきた。

戦争の悲惨さをありのまま伝えるために、戦時中の映像記録を要所要所に挿入するなど、非常に残酷なシーンが多い。残酷な描写が苦手な方や体調不良の方は、ご注意を。

あらすじ

ベトナム戦争で共に戦った4人の黒人元兵士ポール(デルロイ・リンドー)、エディ(ノーム・ルイス)、オーティス(クラーク・ピーターズ)、メルヴィン(イザイア・ウィットロック・Jr)。

ベトナムで戦死した上司ノーマン隊長の遺骨を回収するために、約半世紀ぶりにベトナムを訪れることになった。

ポールの息子で教師のデヴィッド(ジョナサン・メイジャーズ)も、父親を心配して一緒に参加する。

実は4人の目的は、ノーマン隊長の遺骨だけではない。戦争中に「敵に奪われた」と噓の報告をして現地に隠しておいた金塊も、一緒に回収しようと目論んでいる。

4人は、過酷な人種差別を受けている自分たち黒人が、ベトナム戦争では国のために最前線に立たされ、さらに帰還後も十分に保障されないという現実に不満を抱いていた。

金塊を政府にバレない極秘ルートで換金し、“同胞(黒人)”のために役立てよう、というのが4人の計画だった。

かつて戦地だったジャングルの中で眠るノーマン隊長を無事発見し、涙を流す4人。

しかしその直後、“ベトナム戦争は終わってなどいなかった”という現実を突き付けられることになる。

見どころ

久しぶりの再会を喜び合う明るいシーンから始まり、じわじわと過去に引き戻されていく4人。

黒人をさんざん利用してきた白人社会への怒りをあらわにする4人だが、自分たちもまたベトナムの人々にとっては加害者でしかなかったことを思い知らされ、やり場のない感情に打ちひしがれる。

クライマックスの、ポールの独白シーンは凄絶だ。

尋常ではない目つきのポールの顔が画面いっぱいに映し出され、視聴者に語りかけてくる。

戦争の惨たらしさ、醜さを凝縮したようなセリフの数々は、頭に浮かんだあらゆる美辞麗句を吹き飛ばしてしまうだろう。

まるで、今まさにベトナム戦争で戦っている真っ最中の兵士が、約半世紀の時を超えてNetflixを観ている私たちの胸ぐらを掴んでくるような衝撃だ。

ベトナム戦争以来、ずっとPTSD(心的外傷後ストレス障害)と戦っていたポール。

たとえ終戦を迎えても、ポールの心の中ではずっとベトナム戦争が続いていたのだろう。

Netflix映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』
Netflixで独占配信中

文/吉野潤子

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