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30代は青、50代は赤!?AIが雑誌を分析して作ったNEC×COEDOビールのクラフトビール「人生醸造craft」の気になる中身

2020.07.16

AIが雑誌40年分のデータを読み込んで分析したデータを元にビール職人が造ったクラフト日オール「人生醸造craft」がコエドブルワリーのオンラインショップで発売中だ。7月15日の発売当日に開かれた発表会に行って来た。

NECのAIが分析したデータを元にCOEDOビール職人が醸造した「人生醸造craft」。

AIと職人のコラボレーションを体現するクラフトビール

なぜAIを使ってクラフトビールなのか。しかもなぜ世代別なのか? はじめに「人生醸造craft」企画の責任者、NECの茂木崇氏が説明した。

「AIはとかく人vs AIという対立軸で語られがちですが、NECは半世紀以上にわたる研究のなかで、一貫して人と協調するAIを目指してきました。AIの力で人をアシストし、“できたらすごい”を体現できるものをつくろうと。では何をアシストするか。プロジェクトメンバーで議論しているとき、ある新入社員が言いました、上司や先輩とのコミュニケーションをどうとっていいかわらかないと。コミュニケーションツールが日進月歩で変わる中、お互いのことを知ることができれば、上司部下、先輩後輩、親子のコミュニケーションが促進するのではないか、そこをアシストしようというのが今回の趣旨です」

「人生醸造craft」企画の責任者、NEC IMC本部の茂木崇氏は40代。

20代から50代まで、ざっくり4世代に分け、それぞれの世代が歩んできた人生が味わえるクラフトビールをつくれないか。人生という、パーソナルな意味合いをもつデータソースとしてNECが着目したのが雑誌だ。ファッション誌やビジネス情報誌をはじめ、メインターゲットがある幅の年代に絞られている雑誌は、まさにそれぞれの世代を表現する格好のデータベースになった。

『DIME』から香りを読み取る?

今回の「人生醸造craft」企画で使用された雑誌は、ファッション誌『CanCam』や『Oggi』、情報誌『DIME』や『BE-PAL』など小学館の15誌。小学館から過去約40年分のデータを提供した。

世代間の特徴を表現するためにNECのAIが読み込んだデータは小学館の15誌4000冊以上の、過去40年に発行された記事。

しかし、雑誌をどのようにクラフトビールの特性に落とし込むのだろうか? 茂木氏が説明する。

「クラフトビールは、まずグラスに注いで色を楽しみ、次に香りをかぎ、最後に舌と喉で味を楽しみます。この「色」「香り」「味」を雑誌の写真や目次、テキストから抽出して分析しました」

色は、本人が20代だったころの『Can Cam』のファッション画像から分析。

次に「香り」は各年代が読んでいたであろう雑誌のテキストを分析。たとえば香りに「フルーティー」という指標があるが、テキストから「フルーティー」と関連性の高い「華やか」「フレッシュ」「キュート」といった単語がピックアップされ、「フルーティー」に変換される。

最後に「味」は、現在本人が読んでいるファッション誌のトレンドから分析されている。

AIが雑誌データを分析して出した「世代間の特徴」。これを元に、COEDOビールのビール職人がレシピを設計した。

できあがった世代別「人生醸造craft」は色の違いが際立つ。

雑誌のデータ分析を可能にしたのは、C-POTという小学館のデータベースだ。今回は雑誌アーカイブの一部がNECのAIに提供された。

発表会では、小学館デジタル事業部のシニアマネジャーであり、『CanCam』『Oggi』の元編集長でもある加藤睦美氏が、雑誌のデータ分岐について補足した。

「ファッションは“テイスト”と表現されるように、味覚に変換しやすい部分もあります。今回、私がCanCamやOggiの画像600点に、テイストのタグづけをしました」

たとえば『CanCam』はピンクやパステルカラーが多いため、テイストは「甘め」に傾く。30代が読む『Oggi』にはテーラードスーツやパンツルック、紺やグレーなどがシックな色が増えて「ドライ&ビター」に。また、エスニック系のファッションは個性の強さにつながる「酸味」という味覚表現につながると言う。

小学館デジタル事業局の加藤睦美氏。『CanCam』『Oggi』の元編集長。「人生醸造craft」企画では雑誌データの提供に加え、ファッション画像に味覚のタグ付けをし、AIに覚えさせる教師データ作成に協力した。

AIとビール職人の協働作業で人生醸造craftを実現

AIが雑誌データ分析をした結果を元に、クラフトビールに仕立て上げたのは埼玉県川越市にあるCOEDOビールだ。朝霧重治社長は、コロナ禍の折り、発表会で乾杯や試飲ができないことを残念がりながら「人生醸造craft」の魅力を語った。

COEDOビールの朝霧重治社長は40代。

「今回、NECさん、小学館さんとコラボレーションさせていただいて、従来のブルワリーの活動の範疇からは決して生まれないような面白い醸造ができました。AIから得られたデータ、これは人間にはなかなか難しいことです。AIと人間の共存という面から、とてもいい取り組み方ができたと思っています」

そして各世代の「人生醸造craft」のポイントを解説した。

「20代の向けのピンクは、アルコール度は低め、苦みも抑えられています。色はハイビスカスの花を使っています。クラフトビールではこうした副原料の使い方も重要です。味にも寄与していて、ハイビスカスによる酸味も楽しんでいただけます。

30代の青には驚かれた人も多いと思います。これにはビール職人もずいぶん試行錯誤しました。私たちCOEDOビールは、もともと有機野菜に関わってきた会社ですので、人工化合物の色素を添加するのではなく、自然原料に解を求めたかったのです。そしてたどり着いたのがクチナシの花。青い液色をより南国風にアレンジしようと、ココナッツやレモンのピールを使ってトロピカルな表現を出しています。

40代はアーシーな色と香りなので自然な麦芽をベースにしました。複雑さもあって、バナナを思わせるエステルとフェノールのアロマがバランスよくまとまっていると思います。

50代の赤は、麦芽を少しカラメル化させた色合いの発色です。アルコール度数を高めにして、複雑な味わいを表現しています。AIの分析からも、いろいろな経験を経て50代の円熟味が出てくるのだなと思いました。

今回はAIに教えられたこともありました。人間は最高のセンサーであり、味覚を決める官能の部分やクリエイティビティは、やはり人間が担うべき仕事だなと再認識しましたね」

最後に朝霧社長は、COEDOビールが「人生醸造craft」で伝えたい思いは、BEER BEAUTIFUL(ビールは素晴らしい)だと語った。

「人生醸造craft」は各世代1本ずつの4本セットになっている。自分の世代のビールで乾杯するもよし、相手の世代を飲んでみるもよし。ぜひ先輩や後、あるいは上司や親を呼んで、世代間コミュニケーションを楽しんでみよう。

データ

人生醸造craft

各350ml×4本セット/1400円(税別)

7月15日からコエドビールオンラインショップで販売中。

 

取材・文/佐藤恵菜

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