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ビジネスにどう活かす?衛星データをクラウド上で手軽に扱えるプラットフォーム「Tellus」に秘められた可能性

2020.07.15

「さくらのレンタルサーバー」や「さくらのVPS」などのサービスで知られるさくらインターネット株式会社は、2018年より衛星データ事業に取り組んでいる。同社が提供するプラットフォーム「Tellus(テルース)」は、個人での購入はハードルが高く、容量が大きい衛星データを、クラウド上で手軽に扱うことができるというもの。さくらインターネットは「Tellus SPACE xData Fes. -Online Weeks 2020-」と題し、Tellus活用のための基礎講座や事例紹介、アイデア創出のワークショップなどのウェビナーを、7月14日より50日間にわたって開催する。

衛星データを手軽に扱えるプラットフォーム「Tellus」

SpaceXやRocket Labといった民間による打ち上げ輸送サービスの登場や人工衛星の小型化により、打ち上げ費用が格段に下がり、数十〜数百機の衛星でコンステレーションを構築できるようになった。

例えば、米国のベンチャー企業であるPlanet Labsは、現在軌道上に約150機の衛星を持っていて、特定の場所を1日に1回以上の頻度での撮影が可能。解像度も上がってきている。

(新型コロナウイルスの影響を受けて、交通量や駐車場に止まる車の台数が激減したシリコンバレーの様子。Webサイトでは感染拡大以前の画像との比較が公開されている Credit: Planet Labs)

(ホワイトハウスに続くストリートの路面に書かれた「BLACK LIVES MATTER」の文字を捉えている Credit: Planet Labs)

得られるデータは、衛星の種類や搭載されたセンサの解像度によるが、高精度かつ高頻度の撮影が可能になったことにより、衛星データはビジネスのソリューションの一つとして注目を集めるようになった。「SATELLITE VALUE CHAIN SNAPSHOT 2018」によると、市場規模は衛星データそのものの売買は1,500億円、衛星データを利用したサービスは3,440億円にのぼる。そんな衛星データに誰もが手軽にアクセスできるよう、ヨーロッパでは欧州委員会が主導し、衛星データプラットフォーム「DIAS」が提供されている。

日本においても衛星データの利活用を促進しようと、経済産業省は「政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利用環境整備事業」をさくらインターネットに委託し、同社はその一環として日本初の衛星データプラットフォーム「Tellus」を2019年2月にリリースした。Tellusの最大の特徴は、クラウド上でデータ配布から解析までを一貫して行える環境が整備されていること。容量が膨大な衛星データをローカル環境にダウンロードする時間がかからず、開発環境を呼び出す作業もスムーズになる。

Tellusには、航空写真のような画像データだけではなく、JAXAの気候変動観測衛星「しきさい」が観測した植生分布や地表面温度などのデータが搭載されている。

(Tellusで見る小学館ビル周辺。左はJAXAの陸地観測技術衛星「だいち」で撮影された画像で、右は気候変動観測衛星「しきさい」が観測した同じ地域の植生指数。オフィスビルなどの建物は赤く表示されているのに対し、皇居の周辺は黄色く表示され、植物が多くあるのが確認できる ©SAKURA internet Inc. / 衛星データ©JAXA)

さらにTellusには、携帯電話端末から人の流れを解析した「人流データ」や土地の利用状況を知れる「宅地利用動向調査」などの地上データを組み合わせて分析できることから、利用用途の拡大が期待されている。

利用用途はアイデア次第。日本でも活用が進む衛星データ

6月30日にはプレイベント「Tellus Satellite Cafe ONLINE vol.1」がオンライン配信され、100名以上が視聴した。同イベントのメインコンテンツの一つは、7月15日から毎週水曜日に開催される「7日でマスター!基礎から学ぶ衛星データ講座」に先駆けて行われた、ビジネスでの利用事例解説。さくらインターネットでTellusの運用を行なっている牟田梓氏が登壇した。

(衛星データの利用事例を解説する様子 Credit:さくらインターネット株式会社)

代表的な利用事例として、石油価格の予測があげられた。衛星画像で海辺にある石油タンクを見ると、蓋の位置を確認できるそうだ。蓋の位置を確認し、どこの港にどの程度石油があるかを把握できれば、価格の予測が可能になる。

衛星データは日本においても活用が進んでいる。イベントでは、青森県津軽地方を中心に生産されているブランド米「晴天の霹靂」の事例が紹介された。衛星データ米の栽培は水田を選ぶところから始まる。まず、良い米が育つと言われる有機物の含有量が適切な場所を衛星データから推測して水田を選定。次に、適切な量の肥料を与えるために、米に含まれるタンパク質の含有率を衛星データで撮影した稲の色から推測する。さらに収穫時期は、稲の色が変わるタイミングを衛星データで捉え、その情報にアメダスの気温データを組み合わせて決定するというものだ。

さらに詳しい事例やデータの利用方法などは、本イベントで解説される。「Tellus SPACE xData Fes. -Online Weeks 2020-」ではさらに、ソーシャル経済メディア「Newspick」とのコラボイベントやTellusのサービスデザイン担当者とUI/UX改善を行なったデザイン会社のGoodpatch担当者との対談などが予定されている。ぜひこの機会に衛星データに触れてみて欲しい。

Tellus SPACE xData Fes. -Online Weeks 2020- 特設サイト
https://fes.tellusxdp.com/2020/

取材・文/井上榛香

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