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都市から離れた地方で脳卒中になると死亡リスクが高くなる可能性、米ワシントン大学研究

2020.07.21

脳卒中急性期治療に地域格差、地方で院内死亡率が高値――米研究

都市から離れた地方で脳卒中になると、最新の治療を受けられる可能性が低く、死亡リスクの高いことが米ワシントン大学のKaren Joynt Maddox氏らの研究から明らかになった。詳細は「Stroke」6月17日オンライン版に掲載された。

脳卒中のうち、血管内に血栓が詰まり脳の血流が滞る虚血性脳卒中に対しては、近年、発作後の急性期に血栓を除去する治療法が急速に進歩している。

その方法の一つは、血栓を溶かす薬剤(rt-PA)を静脈に投与する方法で、「血栓溶解療法」と呼ばれる。もう一つは、血管内にカテーテルを入れて血栓を物理的に取り除く方法で、「血栓回収療法」と呼ばれる。

Maddox氏らは、2012~2017年の米国内医療機関の入院患者データを用いた後ろ向きコホート研究を実施し、これらの治療法の施行状況と院内死亡率を、都市部と地方とで比較した。対象は、急性期脳卒中により入院した79万2,054人(虚血性脳卒中が68%)。

患者背景に関して、地方は都市部に比較し、75歳以上の割合(44対40%)や白人の割合(78対49%)が高いという違いがあり、また収入は地方の方が少なかった(最低四分位群の割合が59対32%)。

血栓溶解療法の施行率は、都市部では9.2%であるのに対して地方では4.2%だった。背景因子で調整後のオッズ比は0.55(95%信頼区間0.51~0.59、P<0.001)であり、地方で血栓溶解療法が受けられる確率は都市部の半分程度であることが分かった。

血栓回収療法の施行率にも差が見られ、都市部の2.41%に対して地方では1.63%であり、オッズ比は0.64(同0.57~0.73、P<0.001)と、地方で受けられる確率は都市部の3分の2程度だった。

さらに、院内死亡率にも有意差が認められ、都市部の5.82%に対し地方では6.87%であり、オッズ比は1.21(同1.15~1.27、P<0.001)だった。

Maddox氏は、米国の一般的な傾向として「非都市部では慢性疾患の有病率や貧困率、失業率が高く、住民はさまざまな問題を抱えている。

心血管疾患など健康上の転帰も都市部に比べて良くない」と述べている。その上で、本研究で明らかになった都市部と地方の医療格差に「衝撃を受けた」としている。

「近年、遠隔医療などの技術は大きく進歩した。その結果、現在の医療システムの下では『どこに住んでいようと最善の治療を受けられるものだ』と考えている人は少なくないだろう。しかし、脳卒中急性期の治療に関しては、それは当てはまらない」と同氏は言う。

このような格差の背景要因として、論文の筆頭著者であるGmerice Hammond氏は「必要な初期治療を判断する脳神経内科医や、治療を行う脳血管内治療医、合併症が起きた場合に対処する脳神経外科医などの専門医が十分確保されていないことが、地方の脳卒中患者が適切な治療を受ける上で障壁となっている場合が少なくない」と指摘する。

Hammond氏は政策立案者や臨床医に対して、地方に住む患者が質の高い脳卒中治療にアクセスできるようにすることを優先課題として位置付けるよう求めている。

「迅速に患者を搬送するための医療機関の連携や、状況に応じた遠隔医療の導入といった取り組みが必要だ」と同氏は主張している。

加えて同氏は、地方に居住する人たちが自身の身を守るため、脳卒中の兆候に注意を払い、何らかの症状がみられた場合には直ちに診察を受けることを勧めている。

さらに「血圧管理などの予防対策に、できるだけ積極的に取り組むべきだ。何よりも脳卒中を起こさないことが、生存率を向上させるための最善の方法だと言える」と、予防の重要性を強調している。(HealthDay News 2020年6月18日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/STROKEAHA.120.029318

Press Release
https://www.heart.org/en/news/2020/06/18/stroke-patients-more-likely-to-die-in-rural-hospitals-than-in-urban-ones

構成/DIME編集部

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