
採用者のスキルが足りない?日本の「IT関連」の人材不足が深刻化
日本における高度IT人材不足解消のために、採用者側のプログラミング知識・経験と、求職者・採用者双方が共通理解できる客観的な基準が求められている。
GAFAをはじめ世界中の企業で高度なスキルをもつプログラマーの需要が高まっている一方で、2030年には先端的なスキルを持つIT人材は約55万人不足すると推定(2018年経済産業省「IT人材需給に関する調査」)。高度IT人材に限らず、IT人材全般で人材不足が起こっていることを示しており、より深刻な状況にあることがわかる。
またAtCodeが実施した「IT人材採用に関する調査」では、60%以上の採用担当者が望むIT人材を採用できていないと答えており、IT人材のミスマッチが起こっていることを示唆している。調査では、IT人材のミスマッチが起こる2つの要因が浮かび上がってきた。
1つ目の要因として、採用担当者がプログラミング関連の業務経験がない、プログラミングの知識・経験がないことが挙げられる。
採用担当者自身にプログラミングの知識・経験がないため、面接時の印象や話し方、求職者の自己申告によるプログラミングスキルから評価している可能性が考えられる。本調査でも、80%近い採用担当者が採用フローの見直しが必要と回答している。
2つ目の要因として、求職者のプログラミングスキルを客観的に判断する基準がないことが挙げられます。そのため、面談時の印象やコミュニケーション力に頼って評価せざるを得ず、IT人材のミスマッチを引き起こしている可能性が考えられる。
IT人材のミスマッチが起こっている企業が60%を超えている一方で、プログラミング関連の業務実績や資格の有無、プログラミングテストを重視する企業は、理想とするIT人材を確保し人材のミスマッチを回避している傾向にある。
面接時の印象やコミュニケーション力は業務を行う上で重要な視点だが、面接時の質疑応答に偏った採用活動と、スキルを客観的に判断する基準がないことが、日本においてIT人材のミスマッチを引き起こしている原因であると考えられる。
調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年3月5日(木)~ 2020年3月9日(月)
調査対象者:IT人材採用を行っている企業にお勤めで、業務でIT人材の採用に関わっている方300名
実施会社:マクロミル
構成/ino.
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