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フリーランスから会社員に転身した人たちにみられる3つの傾向

2020.07.14

 今回は、新聞や雑誌、ニュースサイトがなかなか報じないフリーランスの一断面を紹介したい。最近、コロナウィルス感染拡大の影響で、私が知る出版社やIT企業、広告代理店の担当者の中には、メールの回答が通常よりも10日程遅れるなど、依然として非効率な仕事の進め方が目立つ。さらには、上司や同僚、他部署との意思疎通が十分にはできていないようだ。

 こういう社員の中でひときわ目立つのは、元フリーランスである。30代後半までくらいはフリーランスであったが、何らかの事情や経緯で会社員になった人たちだ。特に業績や社員数などの業界ランキングが中位以下の中堅企業や中小企業、あるいは上場が創業10年以上経ってもできないベンチャー企業に多い。おそらく、人材難であり、慢性的な人手不足であるために、中途採用試験のハードルが低い場合があるのだろう。

さらに言うと、この人たちの中で40代後半以降になっても、部署の責任者(部長)になれないタイプである。この場合の部長はラインの部長であり、部下がいる管理職を意味する。通常、フリーランスの時に相当な実績があり、それを買われて入社した場合、40代でラインの部長や役員になるケースが多い。

 つまり、仕事の遅れや非効率が目立つこの人たちはフリーランスを続けたくとも、収入が少ないなどの理由でやむを得ず、会社員になり、他の一般職(非管理職)と同じ内容の仕事をしている傾向があると私は見ている。私からすると、このタイプの社員とコンビを組んで仕事をするのはリスクが多い。今回のコロナウィルス感染拡大で、それをあらためて確信した。その理由を私の経験をもとに紹介したい。会社員である読者諸氏にも参考になるのではないか、と思う。

1、 会社の仕組みを知らない

 この場合の仕組みとは、組織や部署、上司が動く仕組みである。たとえば、予算やお金の支払い、物事の意思決定などだ。ところが、元フリーランスの人はある程度の仕事の経験があり、「自分はそこそこにデキル」と信じ込んでいるようだ。ここに、現実とギャップの大きな溝がある。たとえば、こちらが請求書を送り、それを受け取ると、「はい、お支払いします」と安易に返事をしてくる。ところが、「数か月後に支払うことができない。上司の了解をとっていなかった」と回答が来る。会社を組織として捉え、それを意識し、仕事をすることが十分にはできていないのだろう。会社員でありながら、フリーランスの意識のまま、仕事をしている傾向がある。これが、混乱をもたらすのだ。

2、 安易な約束をする

 1は、外部の私のようなスタッフに安易な約束をすることを意味する。たとえば、「〇月末には料金をお支払いする」といったように。実は、それよりも数か月は遅れる。これが、フリーランスである私からすると、致命的に困るのだ。特に今の時期のように、様々な会社の業務が全般的に遅れてくると、お金の入金も遅れるからますます困る。元フリーランスの社員は支払いだけでなく、ほかの場面でも安易に返事をする場合が目立つ。ひとりで判断をして決めていく習慣が抜けないようなのだ。

 これは、私が会社員であった20年も前からよく見られるものだ。本来は、会社の側がこのあたりを丁寧に教え込むべきなのだが、私が観察をしていると、ほとんどしていない。たとえば「40代なのだから、わかっているだろう」と突き放してしまっているようだが、これでいいのかとよく思う。

3、仕事が雑な見積もりになる

 1と2ができないと、仕事そのものも雑な見積もりになるケースが増える。たとえば、この時期に終えようとスケジュールを考えても、実は数か月も遅れる場合がある。大きな理由は、元フリーランスの社員がひとりで判断し、物事を決めているからではないか、と私はみている。会社では組織で仕事をする以上、本人は「正しい」と思っていても、正しいとは言えないほうがあるように思う。会社はあくまで多くの社員が共通の文化や言語を持ち、時間内で仕事をする組織であり、フリーランスの集合体ではない。フリーランスから会社員になった人は、このあたりの認識に欠しいように私には見えて仕方がない。

 これも、本来は会社がきちんと教えるべきだろう。フリーランスから会社に戻った以上、会社の側に教育し、育成する責任がある。たとえ、経験が豊富であろうとも、組織の論理を知らないと、高いレベルの仕事はまずできない。マスメディアの側にも問題があるように思う。フリーランスを「新しい生き方」と称えるだけでなく、会社に戻る人も相当数いるのだから、そこで生じる問題や混乱にも目を向けるべきではないか。偏りのない、公平な報道を心掛ける必要があるように私は思う。

文/吉田典史

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