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「SDGs」の理念に基づく新型コロナ克服のカギとは?

2020.07.10

「新型コロナウィルス対策」に関するSDGs市民社会ネットワークの声明

「だれ一人取り残すことなく、貧困のない持続可能な社会へ、この世界を変革する」

これは2015年に国連で策定された世界の指針、「持続可能な開発目標」(SDGs)の根底にある理念だ。一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク(以下SDGsジャパン)は、このSDGsの理念の中に「2019年コロナウイルス病」(COVID-19、いわゆる「新型コロナウイルス感染症」)の克服のカギを見出すヒントがあると考えている。

世界各国が緊急対策を打ち立てる中、いま一度SDGsを参照し、「社会的距離戦略」(Social Distancing)による一時的な隔離と遮断の奥底に、県境や国境など地理的な「境」だけでなく、あらゆる差別、断絶を超えた連帯と包摂の精神を据えることが必要だと考えている。

SDGsジャパンは、SDGsの理念に基づき以下の3つを確認した。

1.未来世代を含めた「誰一人取り残さない」経済的・社会的包摂のための施策の導入を。

ゴール1(貧困)、3(健康)、4(教育)、5(ジェンダー)、8(持続的成長と雇用)、10(格差)、11(持続可能な人間居住)

「社会的距離戦略」に基づく政策の実施により、14億人の子どもが学校に通えなくなり、多くの人々が仕事を失い、経済的損失と社会的な孤立を余儀なくされている。

これらに対処する経済政策は、SDGsの精神に基づき「もっとも遠くにいる人を最初に」「誰一人取り残さない」形で行われる必要がある。社会全体の経済的なダメージを抑え、景気を浮揚させることは必要だが、それ以上に、最も厳しい状況に置かれた人々の生命と生活を救済することに最大限の力を注ぐ必要がある。

また、COVID-19の世界的蔓延は、以前から存在していた世界の様々な課題をより深刻にしている。緊急対策がもたらす遮断や隔離は、貧困や疾病、紛争、迫害などで苦しんでいる人々にさらに過重で深刻な影響を及ぼす。今後の危機に備えて世界の保健医療制度を一層拡充する必要がある。

2.隔てられた物理的距離をつなぐ連帯と包摂を。

ゴール16(参画)、17(パートナーシップ)

新規感染をできる限り減らすため、「社会的距離戦略」に基づく一時的な遮断や隔離は必要だ。しかし、これらの施策は科学的根拠に基づき、必要最低限に留めるべき。助け合う、認め合う、敬意を払うなど「人権の確立」が今ほど求められている時はない。

遮断や隔離の状態にある人々には、隔てられた物理的距離を代替する接続(コネクティビティ)の手段を最大限保障するべきだろう。特に、隔離されたCOVID-19患者や感染の疑いのある人、自己検疫の対象となっている人には、積極的に、メディアやインターネットへのアクセスなど、社会への接続のための代替手段が保障されるべきだ。

3.透明性と公開性を担保し、民主主義と法的手続きを遵守した政策形成と対応を。

ゴール16(ガバナンス)

「社会的距離戦略」に基づく施策は、経済的・社会的活動の自由および移動の自由をはじめ、国民・市民にあまねく認められた憲法上の権利を制約しかねない。これらの施策の導入に際しては、透明性と公開性を最大限担保し、民主主義と法的手続きを遵守する形で行われる必要がある。

また、HIVや結核などこれまでの感染症との闘いの教訓に基づき、COVID-19患者や感染の疑いがある人、隔離対象者、自己検疫対象者などの人権を始めとするあらゆる権利を最大限保障するとともに、その経済的損失も最大限補填される必要がある。COVID-19との闘いに加え、COVID-19に関わる差別や偏見、虚偽情報をなくすために最大限の方策をとる必要がある。

SDGsジャパンは、COVID-19に関連するすべての施策が、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)と地球規模感染症対策の重点化、人権の尊重、ジェンダー平等、貧困・格差の解消、経済的・環境的公正、教育機会の保障など、SDGsの理念を踏まえて実施されるよう求めている。

構成/ino.

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