人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

コロナ禍で変化する消費者の価値観、応援消費の象徴クラウドファンディングが急増

2020.07.08

新型コロナの感染拡大によって、私たちは何にお金を使うようになり、また、何を買い控えるようになったのだろうか?

そんなコロナ影響下の消費行動をまとめた三井住友カード株式会社による調査結果が、このほど発表された。

本調査結果は、三井住友カードが保有するキャッシュレスデータを、データ分析支援サービス「Custella(カステラ)」を用いて集計した上で、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした消費行動の変化を、株式会社顧客時間と共同で分析したものだ。

大型連休期間も消費は停滞、緊急事態宣言解除後、緩やかな上昇傾向に

■緊急事態宣言全面解除以降、緩やかな回復が進む

不要不急の外出自粛を要請した4月7日の緊急事態宣言以降、決済金額は減少した。普段は、消費が活性化する大型連休期間でも例年のような消費の山は見られず、「STAY HOME週間」とも呼ばれた同期間の人々の行動抑制の現れだとも言える。

その後、5月25日の緊急事態宣言全面解除をきっかけに決済金額は上昇傾向となり、緩やかな回復が見られる。

「家中消費」から「家外消費」への移行

■事態の移り変わりと共に、消費対象も変化

4~5月では「ホームセンター(1位)」「ECモール・通販(2位)」「玩具・娯楽品(3位→5位)」「家電量販店(5位→3位)」などが上位となり、“家中生活の充実”を主眼においた消費行動が見られたが、6月1週目には「スポーツブランド(1位)」「美容品(3位)」「靴(6位)」などが大きくランクアップし、家中から家外への消費対象の変化を見出すことができる。

一方で、5月~6月1週目にかけては、家中生活を象徴する「ホームセンター(1→8位)」「ECモール・通販(2→9位)」「玩具・娯楽品(5→10位)」「スーパー(10→13位)」などは、外出自粛要請による特需状態を経て、落ち着いた推移となっている。

「スポーツブランド」の伸長は、外出自粛要請が出された当初から、特に20〜30代を中心に見られた傾向だった。緊急事態宣言が続く中では、在宅勤務によってスーツなどのビジネスウェアを着る必要がなくなり、運動目的よりも、機能性の高いスポーツブランドの服を着て過ごす需要が高かったことが、SNSの声からも確認できる。

5月中旬以降は段階的な緊急事態宣言解除に比例するように、スポーツ関連検索も増加している。フィットネスクラブの営業再開なども伴い、再びスポーツブランド消費の需要が高まったと推測される。

SNSでの関連コメント(一部抜粋)

・「在宅中はスポーツウェアが楽だよね。そのまま筋トレできるしランニングにも行けるし。」
・「在宅勤務になって普段着がスポーツウェアになりつつある。」

EC利用が大幅に増加。全世代で進むデジタルシフト

■緊急事態宣言解除後もECモール・通販利用の勢いは衰えず

外出自粛要請や緊急事態宣言をきっかけに増加傾向となった「ECモール・通販」は、緊急事態宣言解除以降も堅調な推移を示している。

外出自粛や実店舗の休業を要因としたEC利用の伸長はもちろんだが、「これまでECを利用しなかった消費者が外出自粛や実店舗の休業を要因としたEC利用を通じその便利さに気付いた」といった背景も、「ECモール・通販」増加の一因だと考えられる。

一方でリアル(ECモール・通販以外)消費は、緊急事態宣言での大幅な落ち込みと宣言解除からの 回復傾向が顕著だ。特に決済金額を見ると、4月20日からの1か月間は3月末と比べ半分程度の水準にまで落ち込んでおり、ECや通販チャネルを持たない小売店にとって外出自粛によってもたらされた厳しい状況を表している。

■4-5月はEC利用の決済比率が36%まで上昇

50の業種を生活行動パターンに沿って「衣」、「食」、「住」、「生活・健康美容」、「旅・移動」、「遊・学」、「EC」の7つのカテゴリに分類して分析が行われた。

全ての消費における「EC」の決済金額比率は、2019年には20%弱だったが、2020年3月から増加傾向となり、4~5月は36%となった。緊急宣言解除後の6月1週目も32%と高い数値を維持している。今後懸念される第二波や第三波に対しての備えのためにも、EC・通販対応の重要度はさらに 高まってくると言えるだろう。

また、「衣」「食」「住」では、2019年が各月のシェアがほとんど変わらないのに対し、2020年の4~5月の外出自粛期間に「衣」のシェアが低下し、「食」が増加していることがわかる。6月1週には「衣」の シェアが15%に急回復し、外に出る際の衣服購入や自粛の反動などの消費行動が考えられる。

■定着化する高年齢層のデジタルシフト

前回のレポートで見出した「高年齢層のデジタルシフト」は、その後も同様の傾向が続いている。ECの決済金額シェアは4-5月をピークとして6月は若干減少しているが、新型コロナウイルスによる消費影響がほぼ無かった2月と比較しても大きく数字を伸ばしていることからも、今後も高年齢層のデジタルでの消費が 定着する可能性を垣間見ることができる。

■業種ごとで顕著に分かれるデジタルへのチャネルシフト

特定の5業種において、リアル店舗とデジタルチャネル(EC等)を展開している企業の、リアル店舗/デジタルチャネルの決済比率と推移について比較が行われた。

従来から、デジタルチャネルの比率が高いのは「衣服小売」「家電量販店」。3月以降、リアル店舗での決済件数が前年同月比減少もしくは横ばいとなっている中で、デジタルチャネルの決済件数が大きく伸長し、 4月の決済件数ではデジタルチャネルが半数前後を占めている。

「家具・雑貨」は上記2業種と比べ、それまでのデジタルチャネルの決済比率が低かったものの、4月以降、一気に伸長し、5月も増加傾向が増している。

一方で、スーパーやホームセンターはコロナ禍の中でもチャネルシフトの変化が見られなかった。各地域での充実した店舗数や、店舗営業が継続していたことも要因だと考えられる。

データから見えてくる業種ごとの特性を踏まえると、これからのスーパーやホームセンターのデジタル戦略は、「配送」を重視したECへのデジタルシフトだけではなく、消費者にとってアクセス環境が良い実店舗来店の利便性と、三密を避ける買物が両立できる「BOPIS(Buy Online Pickup In Store)」のような、事前注文〜店舗受け取りを重視したデジタルシフトが必要とされるかもしれない。

応援消費の増加から見る、消費への価値観の変化

コロナ禍で注目された消費行動の一つが「応援消費」だ。ここでは、「デリバリー」「ふるさと納税」「クラウド ファンディング」の3つの視点で、コロナ影響下の応援消費行動の移り変わりについて検証が行われた。関連ワードの検索数では、緊急事態宣言後に急激な検索の伸びが確認できる。

■暮らしの一部になりつつある「デリバリー(出前)サービス」

近所の馴染みある飲食店のメニューをデリバリーで注文する消費も、一種の応援消費と言える。検索 傾向と同様に、デリバリーサービスの決済件数・金額も4月以降に急増している。

6月に入っても大きな減少は見られないため、利便性だけで無く、三密を避けるため外食を控える、在宅 勤務が続くなどの理由から、デリバリーサービスが暮らしの一部に根付く可能性も高いと考えられる。

また、飲食店側でも三密回避が求められる中で、従前の売り上げ水準への回復に向けて、デリバリーサービスや持ち帰りが今後の事業展開の1つとして定着していく可能性もある。

■例年とは異なる時期に「ふるさと納税」が増加

ふるさと納税は通常、申込期限の締切前である年末に大きく決済件数・金額が伸びる傾向にあり、3~5月、特に4月は決済件数・金額ともに少ない傾向がある。

しかしながら、2020年は3~5月の決済件数・金額が多く伸びており、特に4月は2019年の2倍以上となっている。

家中時間の増加により寄付先をじっくりと考える時間が充実していたことや、多くのふるさと納税のプラットフォーマーが経済活動の停滞により苦境に立った多くの生産者等に向けて実施したコロナ支援対策なども、 決済促進を後押ししたものと考えられる。

■応援消費の象徴「クラウドファンディング」の急増

クラウドファンディングの急増は、コロナ禍が消費への価値観や考え方を変えた象徴的な出来事だと言える。

困難な状況に直面した音楽や映画などのエンタテインメント業、飲食業や、医療従事者の方たちへの寄付など、「大好きな場所やお店を存続させたい」「誰かの役に立ちたい」といった「応援」の気持ちが、クラウドファンディングを通して支援する消費行動として、コロナ禍で一気に急増したのではないかと考えられる。

■調査結果に対する考察と今後について

大型連休期間までの経済活動は、引き続き停滞傾向が見られたが、段階的な緊急事態宣言解除以降は、各業種で回復の兆しを垣間見ることができる。

特に、ECサイトの利用(消費行動のデジタルシフト)は、これまで以上にその勢いを増し、消費者にとって性年代問わず、当たり前に利用するチャネルとして定着しつつある。

また、「応援消費」の増加から見出したコロナ禍が与えた消費行動の価値観変化への影響は、新しい生活様式での新しい消費行動とも言える、大きな気付きの一つだ。

出典元:三井住友カード株式会社

構成/こじへい

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2020年9月16日(水) 発売

DIME最新号の特別付録は「マルチレンチ&ツール14」!特集は「オンラインビジネス入門」「Z世代の新・経済学」「軽自動車」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。