
「受動喫煙防止条例」により、個人向け業種が業績へのマイナスを懸念
今、「望まない受動喫煙」に対する関心が一段と高まっている。喫煙に関する企業の取り組みが活発化するなか、一部の業種では業績への影響も懸念されている。
帝国データバンクが「企業における喫煙に関する意識」について調査を実施した結果、自社の本社事業所または主要事業所の喫煙状況について、適切な換気がされている喫煙場所がある、または屋外に喫煙場所を設けている「完全分煙」が53.9%でトップとなった。
「全面禁煙」は26.2%で4社に1社が導入しており、前回調査(2017年9月実施)から4.1ポイント増加した。全面禁煙について、規模別では規模が小さい企業ほど実施しており、業界別では『金融』『不動産』で、地域別では大都市を抱える『南関東』や『近畿』で全面禁煙を実施している割合が高い。
また改正法や条例の施行によって業績に「マイナスの影響がある」企業は12.9%となった。業種別では「旅館・ホテル」(39.3%)がトップ。次いで「飲食店」(36.2%)や「娯楽サービス」(35.1%)といったサービス業に加え、「飲食料品小売」(28.1%)といった小売業など、個人向けの業種が上位に並んでいる。他方、「プラスの影響がある」は2.0%と低水準にとどまった。
厚生労働省は助成金を用意しているが、「数年間は報告などの義務があり煩雑なので、もっと利用しやすい仕組みにしてほしい」(ごみ収集運搬、北海道)との意見もあがっていた。
政府や行政は、企業が円滑に受動喫煙対策に取り組めるよう、わかりやすい制度の策定や周知を進める必要があるだろう。
構成/ino.
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