
3年連続で最も幸福度の高い国として選ばれた「フィンランド」だが、彼らを幸せにさせているものは何だろう。
フィンランド政府観光局は旅行が難しくなっている今の時期に自宅でできる、「フィンランド式の心を落ち着かせる5つの方法」を紹介した。
幸福感を満たすためのヒントが満載だ。今、心に余裕がなくなっている人こそ読んでほしい。
フィンランド式の心を落ち着かせる5つの方法
その1― 冷たいシャワーで一日をスタート
Visit Finland
フィンランド人はサウナと同じくらい、冬に泳ぐのを好む。氷水に飛び込む醍醐味は、水から上がる時に体中に沸き起こる感覚。体が乾き、体内循環が活発になり体が温まるにつれ、幸福感に包まれていく。精神を安定させるホルモンであるセトロニンとドーパミンが上昇し、ストレスが解きほぐされているのだ。
自宅でこれをする簡単な方法は、冷たいシャワーを数分浴びること。朝、一日の始まりに浴びれば、リフレッシュしてその日をスタートできる。フィンランド人の精神である”Sisu”にならって、挑戦してみよう。冷たいシャワーと暖かいシャワーを交互に浴びてサウナのようにすれば、体の循環も更に高まる。
その2 ― 読書を通して世界を知る
Visit Finland
フィンランド人にとって読書は欠かせないもの。フィンランドには多くの図書館があり、中でも2019年に新しくオープンしたヘルシンキ中央図書館「Oodi」は、「世界の最も優れた公営の図書館」に選ばれた。
また、2016年には、フィンランドは国連から「最も識字率の高い国」に選ばれており、フィンランド人は図書館をとても積極的に利用する人々だと言えるだろう。人口550万人の国で、年間6800万冊が貸し出されている。
最も広く知られ、愛されているフィンランド文学の象徴と言えば、ムーミンだろう。白く、カバのようなムーミントロールは、フィンランド人作家、トーベ・ヤンソンが1940年代に創作したものだ。スウェーデン話者でもある彼女は、作家であると同時にアーティストであり、国民から大変親しまれている。
今やムーミンは、フィンランド人のアイデンティティを語る上で欠かせない存在となっており、子供から大人まで広く愛されている。ムーミンの本を置いていない本屋や図書館はない。
その3 ― ソファに寝転んで、森の散歩をイメージする
Julia Kivelä/Visit Finland
森には不思議な力があり、フィンランド人の心は常に森とつながりを大切にしてきた。緑色は気持ちを落ち着かせてくれる。木の葉や松葉が風に吹かれてサラサラと鳴る音は音楽のよう。フィンランド人にとって、森はリラックスできる場所なのだ。森はフィンランド人のルーツであり、自分たちがどこから来て、何者なのかを思い出させてくれる。森の中で孤独感や道に迷ったような感覚を持つことはない。森は私たちを守り、心に安らぎをもたらしてくれるものだからだ。
森の中でたった15分間過ごすだけで、脈拍が安定し、体がリラックスできるということが科学的にも証明されている。これでストレスから解放されるとは、なんて簡単な方法なのだ。ぜひ試しに目をつむり、ソファで体を伸ばしてみよう。そしてフィンランドの森へ、イマジネーションの旅に出かけよう。
その4―シナモンロールを焼いて美味しいひととき
Harri Tarvainen/Visit Finland
コルヴァプースティは英語で「ひっぱたかれた耳」と訳され、シナモンロールをフィンランド風に焼いてカルダモンというハーブを一かけた菓子パンのことを指す。フィンランド人は1年に約10キロも消費するほどコーヒーが好きで、シナモンロールも同様だ。
フィンランド語には「パンとコーヒー」を意味する「pullakahvit」という特別な言葉もあるほど。これは家で手作りをしたり、外食、仕事で同僚と食事する時も使われている親しみ深い言葉。
フィンランド人にとって「pullakahvit」は一日の中でもとても重要な時間で、カロリーも気にしない。シナモンロールは家の中を良い香りでいっぱいにし、居心地良い空間にするものでもあり、子供は牛乳と一緒に食べることが多い。
その5―オンラインで思いを巡らせよう(美術館に行く代わりに)
Emilia Hoisko/Visit Finland
フィンランドの現代美術には、実験的なアーティストが主導するイニシアティブから広告のギャラリー、重要な芸術機関まであらゆるシーンがあり、現在55を超える美術館やギャラリーがフィンランドにある。フィンランドは極端で対照的な国でもあり、フィンランド人と自然との密接な関係はフィンランド芸術のインスピレーションの主な源。
フィンランド人はストレスや考えを作品にしたり、心を落ち着かせ、居心地の良い空間にする為にアートを使う。自宅のソファから、オンラインでバーチャル・フィンランド旅行をするのはいかがだろう。美術がどれだけ幸福を与えてくれるのか分かるかもしれない。
構成/ino.
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