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コロナ禍で危機に瀕する製造業、復興のカギを握る「スマートファクトリー」の実現

2020.07.05

計り知れない新型コロナウイルスによる経済損失。中でも、日本経済の屋台骨を支える製造業は苦境に立たされている。相次ぐ工場の操業停止、そして倒産……前例のない危機に対してどのように立ち向かうべきなのか。

今回、自国生産により影響を最小限に留めるドイツの製造業を参考に日本国内の製造業復興を考える、Team Cross FAによるニュースレターを紹介していきたい。

新型コロナウイルスの影響で負の連鎖に陥る製造業

新型コロナウイルス感染拡大による需要低迷を受けて、日本の基幹産業である自動車業界を中心に製造業は負の連鎖に陥っている。自動車メーカー各社は、工場の一時的な操業停止を決定している状況。

自動車メーカーの操業停止を受け、部品を供給する部品メーカーや、自動車が売上高の多くを担う鉄鋼業界、内装・外装に用いるプラスチックなどを生産する化学メーカー、自動車向けに半導体やコンピュータを提供するIT業界など、様々な業界が影響を受け、日本の製造業は大打撃を受けている。

また自動車業界を中心とした製造業への打撃のみならず、新型コロナウイルス感染拡大により、需要過多となったマスクを例に挙げると、感染拡大が本格化した2020年2月以降、2020年4月現在まで供給が追い付かない状況となっている。

このような状況となっているのは、マスクの多くは中国製で、中国からの出荷が滞ると調達も難しくなっており、日本がマスクの自国生産を行っていなかったことが要因として挙げられる。マスクの自国生産に乗り出すと名乗り出た日本の大手企業も数社あるが、それでも供給は追い付かないであろうと考えられている。

新型コロナウイルスの影響を最小限に留めているドイツ

日本の製造業が新型コロナウイルスの影響により大打撃を受けている一方で、同じく製造業を基幹産業としているドイツは、自国生産を上手く行い、新型コロナウイルスの影響を最小限に抑えている。

日本が調達も生産も苦戦しているマスクにおいても、ドイツでは自国生産によって供給している。マスクに限らず、新型コロナウイルスの感染対策となる手袋や防護服、患者の拠り所となる人工呼吸器のメーカーなど、様々な分野でドイツは自国生産により対処できている。

ドイツが“モノづくり大国”として成功している要因は、「労働生産性」と「高付加価値生産性」が高いことであると考えられる。公益財団法人日本生産性本部が発表している「労働生産性の国際比較2019」によると、時間当たり労働生産性では、日本は46.8ドルとなっているが、ドイツは72.9ドルで日本のおよそ1.6倍と高い生産性を誇っている。

また、ドイツ製の製品は基本的にすべて高付加価値分野となっており、企業レベルでの収益性が高く生産が伸びていると考えられている。

「労働生産性」と「高付加価値生産性」が高いドイツでは、高付加価値の製品を作っていた企業が製品のスペックを下げて大量生産することは可能なため、新型コロナウイルス感染拡大のような非常事態においても、被害を最小限に抑えられたのではないかと考えられる。

時間当たり労働生産性:ドイツと日本の比較

ドイツが進める製造業の革新「インダストリー4.0」

このように新型コロナウイルス感染拡大の影響を最小限に抑えたドイツでは、国を挙げて「インダストリー4.0」というプロジェクトに取り組んでいる。

ドイツ政府が2011年に発表した「インダストリー4.0」は、産官学共同で進めている「第4次産業革命」を起こす取り組みだ。そのコンセプトは、工場をスマート化する“スマートファクトリー”にある。人間、機械、その他の企業資源が互いに通信することで、各製品がいつ製造されたか、そしてどこに納品されるべきかといった情報を共有し、製造プロセスを最適化することを目的としている。

“スマートファクトリーの実現”により、労働生産性向上をはじめ、コスト削減、超少量多品種対応、品質向上といった多くの課題が解決されます。またこの“スマートファクトリーの実現”により、第4次産業革命を制した国が世界で最も力を持つことは過去の歴史が証明している。

ドイツが国を挙げて「インダストリー4.0」を推し進め、第4次産業革命を制した場合、約20万強もの工場を持ち、設備投資産業は約50兆円ともいわれる日本はドイツの下請けの立場となることが危惧される。

日本の製造業復興のカギを握る“スマートファクトリー”

新型コロナウイルス感染拡大の影響で大打撃を受けた日本の製造業を復興させるためには、この“スマートファクトリー”がカギを握っている。

今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、「需給変動」が生じた。日本の製造業においては、工場停止などの生産調整を余儀なくされたが、スマートファクトリーではこれを解決することが可能だ。

工場を最適化するにあたって、デジタル上で生産ラインを構築し、スループットやコストなどを予め予測することができるため、その時々で社会に求められる製品に適応した生産計画、リソース配分が可能になる。

同様の理由から、求められている製品に特化した生産ライン構築も可能となるため「多品種少量生産」に強くなる。また部品供給が滞り、設計変更せざるを得ない場合でも、デジタル上で製品の再設計と生産ライン再構築の検討が可能なため、生産ラインを柔軟に変更しやすくなる。

また日本の製造業は、特にスマートファクトリーの実現に適していると考えられる。日本の製造現場では、日本人同士が持つ特有の「阿吽の呼吸」で成り立っていた部分が多々あったが、そのような現場の状況もすべてデジタル化し連携することで、最適な製造現場を生み出すことが可能となる。

日本の製造業の強み「阿吽の呼吸」

加えて、スマートファクトリーの実現は、日本の自国生産回帰に向けて、経済産業省が取り組む「サプライチェーン強靭化」にあたっても、一翼を担うことができる。

今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、特定国の生産依存をはじめとし、何らかの理由で入手が困難となった製品や部素材が経済活動や市民生活に悪影響を及ぼしている。日本では、それらの安
定供給を目的に、製造拠点の多元化をはじめとする「サプライチェーンの強靭化」に力を入れようとしている。

サプライチェーンの迅速かつ柔軟な組み換えに資するためには、スマートファクトリーの実現が効率的で有効な手段となりえる。スマートファクトリーを実現する一つのメリットとして、デジタル上で生産
ライン構築及び検討が図れるため、同様の生産ラインを異なる工場や地域で立ち上げる際も、シミュレーションを行うことで徹底的に検証を行い、費用対効果も算出したうえで迅速な投資判断することが可能となる。

また、デジタルデータがあれば生産設備の構築が迅速に行えるため、サプライチェーンの一部が途絶した場合においても、異なる工場や地域において代替製品の制作が迅速に可能となる。さらに、同じ工場内で、新製品や改良品を製造する際も、製品の再設計と生産設備へのフィードバックをデジタルデータ上で検証してから実行に移すことで、迅速かつ柔軟に実施することができるようになる。

出典元:Team Cross FA

構成/こじへい

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