
コロナ不況で転職を余儀なくされるケースも増えている。こんな時代を乗り切るための〝盾〟となるのが資格だ。今、どんな資格を持っていれば就活や中途採用に有利なのか。約700の資格を持つ、資格コンサルタントの鈴木秀明さんにポイントを聞いた。
資格コンサルタント
鈴木秀明さん
All About「資格」ガイド・資格ポータルサイト「資格・検定ラボ」主宰。『小学生にもとれる! 資格・検定カタログ』(小学館)など著書も多数。
鈴木さんの提言!
(1)自主学習できる環境が今後はさらに整う
(2)企業や健康をサポートする人材ニーズが高騰
(3)新設された珍しい資格も〝武器になる〟
時代にマッチする資格の取得を目指そう
あテレワークの広がりで、資格の学習コンテンツを配信する事業者が増えました。それに伴い、選択肢の広がりやWeb教材の充実化も加速しています。さらには資格試験の延期や中止が相次いだことで「オンラインで受験できる資格」が今後増えるかもしれません。オンライン化で受験機会が増えれば、会場の問題からくる〝資格取得の地域差〟は改善されるでしょう。
時代を反映した新しい資格が生まれる可能性もあります。在宅勤務の流れをふまえた「テレワーク検定」のほか「Asana」「Slack」といったタスク管理やコミュニケーションツール関連の検定が設けられるかもしれません。
既存の資格では、健康関連のほか、経営難の企業を支援する「中小企業診断士」のニーズが今度高まるでしょう。コロナ不況で進路動向が変わりそうな学生を支援する「進路アドバイザー検定」や、動画配信者の増加に伴う映像編集系の資格も注目されそうです。
資格というのは人より早く取ったほうが就職・転職で有利に働きます。いわば〝就活の盾〟のようなもの。ネットでマメに新規資格の情報を収集し、興味を持ち、取得できそうなものはすぐにチャレンジしてみてください。
[鈴木さん推薦の資格(1)]中小企業診断士
取得ハードル:★★★★★
経営コンサルタントの国家資格。専門的な知識とスキルで、企業の成長戦略についてのアドバイスを行なえる。就職に役立つ鉄板の資格として人気が高く、資格取得後に起業する人も多い。コロナ禍によって苦境に立つ企業への経営支援にも役立てることができる。
[鈴木さん推薦の資格(2)]NR・サプリメントアドバイザー
取得ハードル:★★★☆☆
日本ニュートリション協会認定の専門資格。保健機能食品やサプリメントを摂取する人に対して、個々の栄養状態を評価し、アドバイスができる。コロナショックを機に高まる健康志向を背景に、健康食品会社やドラッグストア、医療機関といったところで資格を生かせる。
[鈴木さん推薦の資格(3)]ネットショップ実務士
取得ハードル:★★☆☆☆
ネットショップ運営に必要な実務能力を証明する資格。人との接触リスクが少ないことで、ネットショッピングの需要が高まる中、取って損のない資格だ。Eコマース業界への就職に大きな強みとなるだけでなく、自身でオンラインショップを開業する時にも役立つ。
今後新設される主な資格
•AI検定 •実践プログラミング技術者試験
•技士補 •外貨建保険販売資格 •公認日本語教師
資格の需要も時代によって大きく変化する。鈴木さんによれば「旬が過ぎて、役目が終わると自然消滅する資格も多い」という。逆に、上に列記したような新設される予定の資格は、時代の動きにマッチしている証明。素早く取得すれば、一定の需要が見込めることは間違いないという。
オンライン&サブスクで学べる資格取得サービスもある
オンラインで学べるサービスも整ってきている。そのひとつが、資格取得にも生かせる全40講座以上を、月額980円~定額で受け放題のサブスクサービス「オンスク.JP」。同時にいくつも受講できるので、資格探しに迷っている人には最適だ。
取材・文/安藤政弘 イラスト/藤田 翔
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