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飲食店も利用者も無料で使える!カリスマエンジニアが開発したテイクアウト支援サービス「おもちかえり.com」

2020.07.02

コロナ渦で注目されるテイクアウト支援サービス

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、飲食店におけるテイクアウトサービスのニーズが高まっている。楽天やYahoo!、DoCoMo、LINEなどが独自のテイクアウトサービスを発表する中で、6月24日にリリース、サービスを開始した、飲食店も利用者も無料で使える「おもちかえり.com」が異彩を放っている。世界的ソフトウエアエンジニアである中島聡氏と彼が率いるNPOによって開発されたシステムは何もかもが型破りだった!

息子のレストランを救うために開発を決意

このサービスの母体である「OwnPlate」を開発した中島聡氏はマイクロソフト社でWindows95を開発後にソフトウェアベンチャー「UIEvolution Inc.」を米国シアトルで起業。その後、会社を3億2000万ドル(約352億円)で売却したことでニュースになる。現在はneu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発をおこなっているエンジニアである。

彼がテイクアウト支援サービスに目を向けたきっかけは、シアトルで息子さんがオーナーシェフを務めるレストランの経営が危機に陥ったからだという。中島氏は米国での状況をこう語る。

「シアトルも日本と同じですね。私の息子も店を開けられる状況ではありませんでした。個人経営店の約85%はつぶれそうです。そうすると一番悲しいのは、結局、最後に生き残るのはそのチェーン店だけになってしまうことです。マクドナルドとか、それではあまりにも寂しいですね。大手のチェーン店が持ってる強さは、食材を安く買えるとか、もしくはITに投資できるので、良質なテイクアウトサービスを提供でることです」

「その大手のスケールメリットみたいなところに、僕たちは一矢報いたいんです。大手はアイテムを自社開発せずに、どこかのSler(システム構築全般を請けおう業者)に丸投げしています。僕らは本当にレストランのことを考えて作っているので、ポテンシャルとしては、より良いシステムができる可能性があります。そのシステムを個人経営のレストランが使う事で、少なくともテイクアウトサービスでは大手と戦えるはずなんです。そこはすごく社会的な意義も大きいと思います」

中島聡氏は1960年、北海道生まれ。早稲田大学理工学部在学中に開発したCADソフト「CANDY」で才能を認められる。卒業後、NTTに入社、1986年にマイクロソフト日本法人を経て、米国マイクロソフト本社にてWindows95、98のチーフアーキテクトを務めた。退職後は複数の会社を起業している。

ソフトウエアを作るだけじゃダメなんだ

そこで中島氏が開発チームとして白羽の矢を立てたのが、一般社団法人シンギュラリティソサイティである。2年半前に中島氏が主催となって作った団体で、NPOとして活動しているため固定費が発生せず、ボランティで参加してくれるメンバーを募ってオープンソースのソフトウエア開発に取りかかった。ところが、ソフトだけが完成してもレストラン経営者がそれをWebサイトに実装して運営するのは敷居が高いことに気付き、もっと手軽に利用できるWebサイトを使ったテイクアウト支援サービスとして提供することを決めたという。

「当初は、オープンソースでソフトウェアだけ作って、それをレストランが使ってもらえばいいかぐらいの気持ちでした。完全にNPOで、オープンソースでいいものを作ろうとう気持ちでした。最近、私はGoogleが提供するFirebaseという開発環境が、とても気に入っています。これを使うと、この手のサービスが、今までと違ってインフラのことを気にしないでサクッと効率よく作れ、運営もできるのでFirebaseを使う事に決めました」

「課金の部分はStripeというまた別の会社を使います。そこが提供している様々なクレジットカードをまとめて全部やってくれるサービスがあり、Firebaseと組み合わせることで、誰もがテイクアウトサービスを提供できる環境が構築できることが分かりました」

「おもちかえり.com」のWebサイト。専用アプリ不要で、ここからアクセスすればスマホ、タブレット、PCなどを使ってテイクアウトのオーダーから支払までをキャッシュレスでおこなえる。

クラウド型プラットフォームを使ってコスト削減

NPOと中島氏が協力して完成させたソフトウエアを使って、実際のシステムを運用してサービスを提供するためにはプラットフォームが必要となり、利用者が増えればサーバーを増やしていく必要もある。ここに発生するコストをどう抑えればいいのか。中島氏が出した答は、クラウド型のプラットフォームであるGoogle、Firebaseを利用することだった。

「クラウド型プラットフォームではAmazonのAWSが有名です。同社の利益の半分はこれで稼いでいるといわれています。GoogleのFirebaseも同様のサービスです。クラウドでおこなうことで、非常にスケーラブルにおこなえます」

「一昔前は、モバイル向けサービスを開発しようと思うと、もし大ヒットしてもサーバーがダウンしないようにサーバーを30台用意してローンチする。しかし、全然、人が来なくて結局は5台で良かったとか。逆に大ヒットしてサーバーが落ちるなんてことがよくありました。これがAWSを利用すれば実際に使用者が増えたら、その数に合わせてサーバーを増やす作業は全部Amazonがやってくれるので、低コスト、低リスクでサービスが始められます。自前のサーバーを用意する必要がなく、サーバーのメンテやそこに乗っているソフトウェアのメンテの必要もなくなります。これがクラウド化の流れです」

「一番のシェアを持っているのがAmazon、そしてMicrosoft、大きく離されてGoogleなんですが、開発者目線ではGoogleのFirebaseが最も使いやすいプラットフォームなんです。それを利用して、今回のサービスを構築しています。利用者の人数に応じてサーバーの使用料をGoogleに払えばいいので、人数が少ないうちは全然コストもかかりません。その数がグーッと増えたら、確かにそこにはコストがかかり始めますが、その時点でビジネスを立ち上げてもタイミング的には問題ありません」

日本では伊藤忠商事とコラボ

NPOが主体となり、利益を上げることを目的としない「おもちかえり.com」のサービス開始にあたって日本では伊藤忠商事がレストランをサポートするという形で、支援を表明している。非営利団体として飲食店を支援しながら、登録者数が増大してからビジネスモデルを構築するという革新的な方法に大手総合商社が賛同することはレアケースである。

善意から生まれたテイクアウト支援サービス「おもちかえり.com」は、カード決済手数料以外は無料で使えるため、利用者だけでなく、飲食店経営者にとっても救世主と言える。弱点は固定費がないので広告が打てないこと。この記事がサービス告知の一助になる事を願うばかりである。

スマホで表示した「おもちかえり.com」から東京の店舗リスト。

一覧から「すごい煮干ラーメン凪 ⻄新宿 7 丁目店」を選択すると店の情報とテイクアウト可能な営業時間が見られる。

テイクアウト可能なメニューから数量を決めて追加を押すと、電話番号承認画面に移行する。承認されると価格を入力してカード決済に移る。

文/ゴン川野

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