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メディア美学者・武邑光裕さんが語るアフターコロナのイノベーション「パンデミックが世界を変え、テックラッシュにも軌道修正が起こる」

2020.07.15

武邑光裕さん

メディア美学者
武邑光裕さん
日本大学芸術学部や東京大学大学院などで教授職を歴任。80年代よりメディア論で注目され、インフォデミックの研究講座を持つなど、この分野にいち早く警鐘を鳴らしていた。ベルリン在住。

武邑さんの提言!

(1)イノベーションの注目分野は「グリーンテック」と「オフィステック」
(2)パンデミックより恐ろしい「インフォデミック」に備えよ
(3)平時における危機想定でリーダーシップが問われる

危機を好機に変えるイノベーションが加速

 一足先に経済の再起動を始めたベルリンに暮らしていると、こうした危機をイノベーションの好機と捉え、社会を進化させようとする動きが目立ちます。

 ひとつは、新しいオフィスの在り方を模索する「オフィステック」。コロナ後の世界に、そもそもオフィスが必要なのかという根源的な問いから始まり、人と人の間を6フィート(約1・8m)を空けて作業ができるレイアウト、夜間はUVでオフィス内の殺菌、非接触で操作するエレベーターなど、様々な工夫が生まれています。テクノロジーがオフィス環境を改善する余地はまだまだあるでしょう。

 もうひとつは地球温暖化や気候変動への対策を加速させる「グリーンテック」。ヨーロッパではロックダウンが行なわれたことで、空気がきれいになりました。大都会のベルリンでも、満天の星空が見えるようになったのは感動的です。これを一度体験したら後戻りはできない。そうした新たな日常のために、イノベーションを加速させる動きは活発です。

パンデミックよりも「インフォデミック」を怖れよ

 今回のコロナ禍で心に留め置きたいのは、感染症が世界規模で起きるパンデミックと同じくらい、デマやウソが出回ることで、人々が不安になる「インフォデミック(情報感染)」が恐ろしいということ。従来は真実の守護者とされたマスメディアは、SNSやWebメディアにおいて、エビデンス(科学的な根拠)に基づかない情報の洪水が押し寄せ、為す術がありませんでした。そこでは本来行なわれるべき情報のトリアージ、つまり報道されるべき優先順位の選別・検証が全く機能しなかった。

 また情報の受け手も、十分に内容を確認しないままフェイクニュースに踊らされてしまいました。今後は発信元やエビデンスを検証し続けていく必要があるでしょう。これは今後の大きな課題です。

 今回、ドイツでは支持率も下がり、死に体だったメルケル首相が強力なリーダーシップを発揮し、再評価されました。これは平時における危機想定、危機における指導力の発揮がリーダーに求められるという示唆を与えてくれます。

 一方、日本のリーダーはどうだったでしょうか。あまりにも危機に脆弱で、外からは迷走しているように見えました。「自粛」「お願い」で非常事態を乗り切る発想は、海外では理解されません。そもそも「自粛」は外国語に翻訳不能な言葉です。政府が謳う「日本モデル」とやらは厳しく検証される必要があるでしょう。

メガトレンドとテクノロジー

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今後の社会は、〈人口統計と社会変化〉〈気候変動と資源不足〉などのメガトレンドと、それを触媒するテクノロジーによって創造や変化が形作られていくと説く。

発明からイノベーションへ

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産業革命以後の発明やイノベーションは、恐慌などの試練を乗り越えて社会に実装されてきた。このコロナ禍も歴史の大きなうねりとして捉える必要がある。

取材・文/橋本 保

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