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働き方、働く場所、価値観、ポストコロナ時代の変化に必要なのは個人同士がつながる生存戦略

2020.06.28

 発売中のDIME8月号では「新しい働き方マニュアル」と題し、コロナ時代を生き抜くヒントを識者31人に取材している。今回はその中の一人であるIT評論家・フューチャリスト尾原和啓の取材の中からスペースの都合で本誌に盛り込めなかった内容を大幅に追加し、ご紹介する。

 変化の時代は、変わらないことがリスクと考える尾原氏は、ポストコロナ時代の生き残るための心がけとして2つのギブを提唱する。何をギブするのか、なぜギブする必要があるのか。日本、シンガポール、バリ島を拠点に、リモートを中心に活動する尾原氏だから見える時代のビジョンを聞いた。

IT評論家・フューチャリスト
尾原和啓さん
京都大学大学院で人工知能を研究。NTTドコモ、Google、楽天などで活躍。藤井保文氏とともに『アフターデジタル』を執筆。独自の視点でコロナ後を指南した『あえて、数字からおりる働き方 個人がつながる時代の生存戦略』(SBクリエイティブ)が7月20日に発売。

[尾原氏の考えるコロナ時代の3つの提言]

・自分の提供できる価値を自覚し、誰かにとって仕事をしたい人になろう
・遠くにいる人と強い関係性を築くことがリスクヘッジ
・社会はリモートネイティブ世代の価値観が主流になっていく

「ネットのバイブルのような本です」と、LINEの前CEOで現在C Channel代表取締役社長の森川亮氏が賞賛した『ITビジネスの原理』、落合陽一氏を「この人、俺より17歳も年上なのに、なんでこんなことかけるんだろう」と嫉妬させた『稼ぐために働きたくない世代の解体書-モチベーション革命』、さらにポストコロナにおけるオンライン生活の到来を預言した『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』など、2010年代後半から数々のヒットタイトルを送り出してきた尾原和啓氏。

 その彼の新刊『あえて、数字からおりる働き方 個人がつながる時代の生存戦略』は、ポストコロナ時代を生き抜く秘訣が披露されている。そのポイントは、「これからは自分が他者に何を提供できるかに意識的になるべきです。つまり、『ギブ』の力をつけ、価値のある存在になれば、人とのつながりは生まれる」と説く。

https://www.amazon.co.jp/dp/4815605378/

「では、何を“ギブ”すればよいか。ポイントは2つあります。ひとつは知識や技術などです。もうひとつは、相手に別の視点を提供し、新たな気づきを届けることです」

 前者のギブは、一言でいえば、「ありがとう」と言われるタイプのもの。これは特に説明は要らないはず。けれど、後者の別の視点を提供することが、なぜ大切なのだろう。尾原氏は、次のように解説する。

「なぜ、別の視点を“ギブ”することが大切なのかというと、従来の常識が通用しなくなり、昨日の正解は、今日の不正解という時代ゆえに、様々な視点から物事を考える必要があるからです。 

 今のような危機や混乱の時代に有効なのは、ほかの人にない着想。そして、イノベーションは、常識を超えたものの掛け合わせで生まれる。だから、人とは違う別の視点を持つことが重要で、それが社会変革の原動力になるのです」。

あえて、数字からおりる働き方 個人がつながる時代の生存戦略』では、2つ目のギブについて、次のように解説している。

 2つ目は、相手の視点に立って、自分の外側にあるモノに自分の思いを乗せてギブすることです。(中略)“自分の外側”とは、つまり自分にはないアイデアのことです。たとえば、あなたが思いを寄せる相手になにか贈り物をするとき、「花が好きだと言っていたら、きっとバラを喜んでくれるだろう」などと考えるでしょう。もしあなたが花には疎くて、家に飾ったこともないなら、そもそも花屋に立ち寄ることもないはずです。

 しかし、好きな人への贈り物のために花屋に入ったあなたは、彼女の視点に立って、“部屋に飾りたい花”を選んでいるのです。この“自分にはない視点”が、自分にはないアイデアです。こうして、あなたは自分にない視点を獲得していくのです。

同書46~47ページ

 このギブは、「情けは人のためならず」(「人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分にもどってくる」の意味。デジタル大辞泉)という俚諺の尾原さん流アレンジということができるかもしれない。いずれにしても、人のために何ができるか考えることを通じて、様々な視点を身につけていくというワザは、変化の激しい時代、常識が非常識/非常識が常識になる時代に、武器になるのかもしれない。

あなたの価値がわかる人が必ずいることを知れ!

 こうしたワザが可能になる背景には、インターネットが呼吸するように使える時代になったことがある。そして、コロナ禍の自粛生活を通じて、テレコミュニケーションを利用すれば、現実世界のように仕事をしたり、飲み会をしたり、エンターテインメントを楽しむことができるという経験もした。これによって、時間と空間を超えて、人々とやり取りできる生活をリアルに感じられるようになった。

「インターネットやスマホの普及によって、遠くにいる人や物事と、いつでも、手軽につながることができるようになりました。従来の仕事や地域などのコミュニティーに縛られることはありません。遠くても、自分の価値を認めてくれる人と仲良くすればいい。そして、自分の価値を認めてくれる人との関係を強めていくと、従来の会社というコミュニティーだけに依存せずに済むので、リスクヘッジにもなるのです」

 従来のコミュニティに依存することがリスクというのは、尾原氏が2017年に著した『稼ぐために働きたくない世代の解体書-モチベーション革命』でも披露している持論。今回のコロナ禍のように、大きく変化する時代には、変化しないことがリスクになることを知っておくべきと考え、自分の拠り所を複線化していくことを提唱する。

 変化する時代を生きるには、「好き」を磨くこと以外にも、大事なことがもうひとつあります。それは、変化する時代では、変化しないでいることのほうがむしろリスクだということです。

 なぜなら、今あなたが勤めている企業も、もしかしたら仕事も、すべてロボットにとって代わられるかもしれないからです。

 よって、自分が依存する先が一ヶ所しかないと、その一ヶ所がつぶれたときに路頭に迷ってしまうことになってしまう。変化する時代を自由に、自立して生きていくことは、何にも依存しないことではありません。むしろ依存先を一ヶ所にしぼらず、複数持つことが大事です。

「自立とは、依存先を増やすこと」という言葉は、脳性まひの障害がある小児科医の熊谷晋一郎さんの言葉です。彼は、東日本大震災のときにエレベーターに乗ることができず、研究室から逃げ遅れた経験から、〝健常者は階段やはしごなどによって逃げる「依存先」が複数あるのに対し、障害者はエレベーター一択であったこと〟つまり依存先がひとつしかないのが障害者の本質であると思ったといいます。

 僕はこのエピソードを知ったとき、人間にとって代替しにくい強い依存先の代表こそ国家であると思いました。トランプ大統領が移民に対して否定的見解を示したとき、多くのアメリカにいた移民が困惑しました。

 一方で、国を超えて、複数の所属先に生きている人達も現れています。

 僕自身もまた、日本だけに依存しない生き方を模索中です。ただ、それは一部の人間のみの特権と思われるかもしれません。しかし、コツコツが報われる時代が来ているのです。

稼ぐために働きたくない世代の解体書-モチベーション革命』202~203ページ

 いま会社で仕事をしている人が、いきなり上記のようなことを言われても、、、と途方に暮れるかもしれない。だが、そういう人こそ、前述した2つの「ギブ」を心に留め、人とのつながりを増やしていけば、ひとつの依存先に縛られることなく、自由になれると尾原氏は考える。そして、そのお手本は、いま社会に出始めている若者にあるのだとか。

「こうした感覚は、家族以外の他者との出会いをリモートで行なってきた10~20代の『リモートネイティブ』世代には自然なことです。

 彼ら彼女らは、オンラインゲームの世界でいとも簡単に他者とつながっていきます。場所に縛られる感覚は希薄です。今後は彼らの価値観が主流になり、社会を大きく変えていくはずです。このトレンドに逆らっては、生存競争に生き残れないと思います」

 今回のコロナ禍を奇貨とし、個人がつながる生存戦略を組み立てられるか、否か。そこがビジネスパースンの分水嶺になりそうだ。

※この記事は、6月16日に発売された『DIME』8月号「各界の識者31人が大胆提言![ポストコロナ時代を賢く生き抜く!]新しい働き方マニュアル」の内容を、加筆修正したものです。特集の詳細は、本誌をご覧ください。

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※電子版には付録は同梱されません。

取材・文/橋本 保

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