
Appleは、世界で最も先進的なデスクトップオペレーティングシステムの最新版、macOS Big Sur(ビッグサー)を発表した。
macOS Big Surは、まったく新しいものでありながら、すぐに馴染める美しい新デザインが導入されている。Safariにはカスタマイズ可能なスタートページ、洗練されたデザインが施され、さらにパワフルになったタブ、すばやく簡単に使える翻訳機能、新しいプライバシーレポートなど、多数の新機能が搭載されている。
Mac OS Xのリリース以来最大となるデザインのアップグレード
macOS Big Surは、より操作しやすい広がりのある新デザインを採用し、ユーザーがコントロールできる選択肢も増えている。
ウインドウの角の曲線からカラーパレットやマテリアルに至るまで、すべてを洗練させ、情報や性能をより多く提供するための機能も追加されている。
Dockにあるアイコンは、Macらしさを残しつつも、Appleのエコシステム内のアイコンとより一貫性のあるデザインに変更された。
ボタンやコントロールは必要な時に表示され、必要のない時には非表示に。全体を通してよりわかりやすく、新鮮でありながら使い慣れた感覚の体験を提供する。さらに、視覚的な複雑さが低減され、コンテンツが前面かつ中央に表示。
カスタマイズ可能なメニューバーにはまったく新しいコントロールセンターが搭載され、デスクトップから各コントロールにすばやくアクセスできる。
アップデートされた通知センターでは、よりインタラクティブに通知が表示され、デザインが刷新された様々なサイズのウィジェットによって、ユーザーに重要な情報を一目でわかるように提供。
また、複数のウインドウの整理に便利な新しいデザインが主要なアプリケーションに搭載され、アプリケーションの操作がさらに簡単になる。
より高速でパーソナル、かつプライバシーを最優先とする体験を提供するSafari
2003年の最初のリリース以来最大のアップデートとなる世界最速のブラウザのSafariは、さらに高速化が図られており業界をリードするスピードと消費電力効率を誇る。
Safariは高速なJavaScriptエンジンにより、MacおよびPC向けのほかのブラウザよりも高速に動作。また、Safariはよく訪れるウェブサイトの読み込みがChromeよりも平均50パーセント高速だ。
タブも刷新され、Safariのナビゲーションはさらに迅速でパワフルに。画面に表示するタブを増やし、開いているタブを簡単に識別できるようにデフォルトでファビコンを表示し、タブの上にマウスを重ねるだけでページのプレビューをすばやく表示する。
Safariには、ウェブ閲覧時のパーソナライズ機能を強化するための新機能が搭載。新しいスタートページでは、背景画像を追加したり、リーディングリストおよびiCloudタブなどのセクションを追加したりするカスタマイズが可能だ。
また、翻訳機能が組み込まれているので、ワンクリックするだけで、7種類の言語を検知してウェブページ全体を翻訳できる。
機能拡張のサポートも改善され、ユーザーはさらにSafariでの体験をパーソナライズすることができる。Mac App Storeにはエディターによるスポットライトとトップチャートを含む新しいカテゴリが用意され、Safariの素晴らしい機能拡張を簡単に見つけたり、ダウンロードできる。
従来からSafariにはプライバシー機能が組み込まれているが、新しいプライバシーレポートでは、Safariによるウェブ全体を対象とする閲覧保護の状況を可視化することができる。
ユーザーは、Safariの機能拡張が動作するウェブサイトや動作するタイミングを選ぶことができ、また、データを漏洩させるようなパスワードモニタリングなどのツールがAppleを含む誰に対しても、ユーザーのパスワードを開示することはない。
パワフルで表現豊かなメッセージ
Macのメッセージアプリケーションに、重要な会話をさらに簡単に管理し、表現豊かなメッセージを共有できる新しいツールが搭載された。
お気に入りの会話をメッセージリストの上部にピンで固定して、すばやくアクセスできるようになるほか、検索機能も刷新されている。検索結果は、リンク、写真、一致する言葉に分けて整理できるので、ユーザーは探しているものをすぐに見つけられる。
メッセージエフェクトを使って、風船や紙ふぶきなどでメッセージを個性的に彩ることができる。また、Mac上でミー文字を作成してカスタマイズできるようになったので、そのときの気分や自分の個性に合ったミー文字ステッカーで自分を表現。さらに、新しい写真ピッカーと#イメージを使えば、画像、GIF、動画を簡単に共有できる。
新しいグループメッセージ機能により、家族や友人、同僚とのやり取りをスムーズに整理できる。インラインの返信によりユーザーはメッセージに直接応答でき、相手の名前を入力するだけでグループでの会話中に特定のメンバーにメッセージを直接送信することもできる。また、グループの会話に写真や絵文字を設定し、グループのメンバー全員で共有することもできる。
まったく新しい計画ツールとしてのマップ
macOS Big Sur向けに刷新されたマップに、世界を探索するための新たな機能が搭載された。信頼できるリソースをもとに作成されたガイドを使って、行きたい場所ややりたいことを見つけたり、お気に入りのレストラン、公園、観光スポットなどのカスタムガイドを作成し、友人や家族と共有できる。
Look Around機能を使うと、行き先の景色を360度見渡すことも、主要な空港やショッピングセンターの詳しい屋内マップをブラウズすることもできる。また、自転車やEVで移動する際は、Mac上で経路を確認し、その経路をiPhoneに直接送信して、移動しながら見ることができる。
業界トップレベルのプライバシー保護
ユーザーのプライバシー保護は、Macの重要な部分。macOS Big Surは、ユーザーに対して、これまで以上に自分のデータに関する高い透明性とコントロールを提供。食品の栄養成分表示の利便性とわかりやすさにヒントを得て、Mac App Storeのプライバシー情報の表示方法を変更した。
新しい表示は、ユーザーがアプリケーションをダウンロードする前に、そのアプリケーションのプライバシー保護に関する施策の内容を理解するのに役立つ。
表示される情報には、そのアプリケーションが収集する可能性があるデータのタイプ(使用状況、連絡先情報、位置情報など)や、そのデータが追跡目的で第三者と共有されるかなどが含まれる。
世界に認められたデベロッパツール
2000万人を超えるAppleのデベロッパコミュニティでは、Macを使って、iOS、iPadOS、macOS、watchOS、tvOS向けに素晴らしい体験を創り出している。
Xcode 12を使うと、これまで以上に簡単にmacOS向けのアプリケーションを開発できる。また、大規模なアップグレードのあったSwiftUIにより、デベロッパはAppleのあらゆるプラットフォーム間で共有できるコードを使ってアプリケーションを開発できるほか、環境設定ウインドウのようなMacのカスタム機能も簡単に追加できる。
SwiftUIはさらに多くの場所で使われるようになり、共通のSwiftコードを使った、Mac、iPhone、iPad向けの新しいウィジェットを動かしている。
昨年macOS Catalinaと共に発表されたMac Catalystにより、デベロッパはiPadアプリケーションをMacに移行しやすくなった。
macOS Big Surでも、Mac Catalystアプリケーションはその新しいデザインを引き継ぎながら、デベロッパにパワフルな新しいAPIをもたらし、開発したアプリケーションの外観や動作を総合的にコントロールできるように。
デベロッパは、ファミリー共有向けにApp内課金やサブスクリプションを提供できるようになったほか、WebExtension APIへの対応により、ほかのブラウザ向けの機能拡張をSafariへ簡単に移行できるようになった。
macOS Big Surのデベロッパ向けベータ版は、https://developer.apple.com/jp/を通じてApple Developer Programのメンバーに提供。
Macユーザーに対しては来月中にパブリックベータプログラムがhttps://beta.apple.com/sp/ja/betaprogram/で提供。macOS Big Surは今秋、無料のソフトウェア·アップデートとして提供される。
構成/DIME編集部
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