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在宅勤務が浸透すると少子化対策につながるか?

2020.06.21

株式会社アイデムの研究部門が発行する、労働に関するニュースを取り上げ、課題の解説や考察などを行うアイデムニュースレター。今回は「夫の在宅勤務は妻のストレスか?」というテーマのもと、同社社員・古橋孝美氏によるコラムを紹介していきたい。

■古橋孝美(ふるはし たかみ)氏

2007年、株式会社アイデム⼊社。データリサーチチーム所属。求⼈広告の営業職として、企業の⼈事・採⽤担当者に採⽤活動の提案を⾏う。2008年、同社⼈と仕事研究所に異動し、企業と労働者への実態調査である『パートタイマー⽩書』の企画・調査・発⾏を手がける。2012年、新卒採⽤・就職活動に関する調査プロジェクトを⽴ち上げ、年間約15本の調査の企画・進⾏管理を⾏う。2015年出産に伴い休職、2016年復職。引き続き、雇用の現状や今後の課題について調査を進める一方、Webサイトのコンテンツのライティング、顧客向け法律情報資料などの作成・編集業務も⾏っている。

在宅勤務、やめたくない!

緊急事態宣言が解除されて10日余りが経った。たまに乗る通勤電車も日に日に混雑し始め、社会が通常モードに戻り始めていることが感じられる。

今回の新型コロナウィルス感染症の拡大で、大きく変化したことの1つは「働き方」でしょう。感染拡大防止のための対策として、非接触・非対面が求められた結果、在宅勤務などのリモートワークが大きく注目された。会員の皆様の中にも、「初めて在宅勤務を導入した」企業、「初めて在宅勤務をした」方も多くいらっしゃるのではないだろうか。

コロナ禍の中で半ば強制的にスタートさせられた在宅勤務とはいえ、実際に進むにつれて、以下のようなメリットがよく挙げられていた。

≪企業≫
・通勤交通費やオフィスの設備費・光熱費など、コストの削減につながる
・育児や介護などで時間制約や通勤負担がある従業員でも仕事と私生活のバランスを取りやすい…など

≪個人≫
・通勤時間で生じる肉体的な疲労や精神的なストレスがなくなる
・オフィスでの雑務や電話応対がなくなり仕事に集中できる
・プライベートの時間や家族と過ごす時間が増える……など

(私個人も、在宅勤務は「通勤時間が2時間分が浮く」「満員電車で気力・体力が奪われない」「化粧をしなくていいのでメイク時間とオフする時間が短縮」「楽な服・楽な格好でデスクに向かえる」……など、元来のズボラ性格にはもってこいの環境だった)

私が夫の在宅勤務を歓迎するワケ

しかし、今後はどうだろうか。

我が家には、保育園児の子供がいる。先月末までは登園自粛だったが、私は「通常時でも夫が在宅勤務できるようになればなぁ」と日々妄想していた。というのも、通常時ならば、朝の送りは始業時間が私より遅い夫が行ってくれるが、夕方の迎え以降は私の担当だ。

保育園からの帰宅は18:30過ぎ、そこから21:00くらいまでが魔の時間帯で、作り置きの夕食を温め、食べさせている間に洗濯ものを取り込んで分類し、お風呂に入れ、着替えさせ(この辺で夫が帰宅)、歯磨きをし……1日のタスクがその時間に集中しているため、毎日記憶がないくらい目まぐるしく時間が過ぎていく(世の母親が「夫よ! 育児休業を取るよりも、毎日定時で帰ってきてー(会社が帰らせてー)」と叫ぶ所以はココにある)。

もちろん、残業をせずに定時で帰ってきてくれるだけでも十分な戦力だ。しかし、それが在宅勤務ならば、夫はもっと早い時間から家庭に関わることができる。大人が2人いる、ということは家事・育児の担い手も2人、負担は1/2になる。とても頼もしくないだろうか?

もちろん、夫婦それぞれの仕事の状況、家庭での役割分担、子供の状況によって、各家庭で求めるもの・考え方は違うと思う。しかし、少なくとも私にとっては、夫の在宅勤務はストレスではなく「うれしい」「助かる」ポジティブなものなのだ。

在宅勤務の浸透が少子化対策になる?

折しも、5月29日に「第4次少子化対策大綱」が閣議決定された。この大綱は、5年に1度、それまでの結婚・子育て環境等を包括的に見直した上で、今後5年の政策の方向性がまとめられたものだ。

※1 希望出生率:子供が欲しい人の希望が叶った場合の出生率

マスコミ等では、具体的な内容として児童手当の拡充や不妊治療の負担軽減等が大きく取り上げられているが、大綱の中では「働き方改革と暮らし方改革」としてテレワークの推進も挙がっている。

前述のように、在宅勤務等で男性の家事・育児への関わり方が変われば、女性側の負担は大きく軽減される。それによって家庭生活の満足度が上がり、子供を共に産み、育てていくことへの期待と意欲が高まるだろう。厚生労働省の統計では、男性の家事・育児関連時間が長い世帯ほど、第2子以降の子が多く生まれているというデータもある(※2)。

また、男性の育児休業についても、男性新入社員の約8割が「取得したい」と考えていたり(※3)、最近では男性大臣が取得したりと、取得推進・義務化の機運も高まっている。男性の家事・育児への参画意欲は年々高まっており、その実現のために柔軟な働き方は欠かせない。

そのような下地がある中で、今回のコロナ禍は私たちの「働くこと」への価値観を、短期間で劇的に変化させた。今後は、育児・介護の当事者だけではなく、個人が主体的に働き成長していくための1つの働き方としてテレワークが求められ、それに応える企業姿勢は必須のものとなるだろう。

※2厚生労働省「第14回 21世紀成年者縦断調査(平成14年成年者)」
※3日本生産性本部「新入社員 秋の意識調査」

今回は、非常事態時の緊急対応・一時対応として「在宅勤務」を導入した企業も多いかもしれない。しかし、在宅勤務等を含むテレワークは、長期的に見れば、以下のようなメリットがある。

・災害や大規模なシステム障害時などに出勤しなくても業務を行うことができ、事業の継続性が高まる
・時間制約や通勤負担のある従業員が退職せずに仕事を続けられる
・従業員のプライベート時間が増えることで、自己啓発や副業など成長の機会が増える
・柔軟な働き方を用意している企業姿勢が、自社のブランディングや人材確保に好影響を与える

来るニューノーマルを見据え、ぜひ、一時的なものではなく一般的な働き方として自社に定着させる企業が増えることを願う。

出典元:株式会社アイデム

構成/こじへい

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