他のケータイキャリアなどのサービスから遅れて、2019年4月にコード決済サービス『au PAY』を開始したKDDI。今回、『Ponta』と統合し、auのサービスで貯まるポイントがPontaポイントに統一されたことなどで、一気に巻き返しが図れる体制が整った。
筆者が考える『au PAY』の新たな利点は次の3つだ。
●貯まるポイントが共通ポイントの『Ponta』になって利便性が高まった。
●決済系サービスの名称が〝au PAY〟に統一されてわかりやすくなった。
●クレカがキャリアフリーになり、より幅広いアプローチが可能になった。
共通ポイント『Ponta』との統合で国内最大規模の会員基盤が誕生
2020年5月21日、auスマホの利用や『au PAY』の支払いなどで貯まるポイントが、Pontaポイントに変更された。『Ponta』は多彩な加盟店で利用できる共通ポイントサービスで、会員数9400万超を誇る。そんな『Ponta』会員に『au PAY』をアプローチできるのは大きなメリット。『au PAY』のポイント保有会員数2800万超などの会員基盤と統合されることで、1億超という国内最大規模の会員基盤が誕生した。
〝au PAY〟ブランドのサービスと『Ponta』の統合で1億超の会員基盤が誕生。
これまでも毎月のauスマホの利用などで貯まる「au WALLET ポイント(現:Pontaポイント)」を、『au PAY』にチャージして加盟店の支払いに使ったり、『au WALLET プリペイドカード(現:au PAY プリペイドカード)』にチャージしてMastercard加盟店の支払いに使えたりはした。だがポイントを活用できる方法が限定的だったのに対して、『Ponta』の場合は他のポイントにも交換しやすい柔軟さがあることから、ポイント自体の魅力が高まった。
そして同じKDDIのサービスでも『au PAY』では「au WALLET ポイント」、ネットショッピングの『au Wowma!(現:au PAY マーケット)』では「Wowma!ポイント」とバラバラで、わかりにくかった。それが今回、全て共通ポイントのPontaポイントに統一されたことで、わかりやすく、使いやすくなった。
名称が〝au PAY〟ブランドに統一されてわかりやすくなった
これまではコード決済サービスは『au PAY』という名称で、クレジットカードは『au WALLET クレジットカード(現:au PAY カード)』、ショッピングモールは『au Wowma!』といったように、「au」という冠は付くものの、サービス名称に統一性がなかった。
それが2020年2月以降、順次、〝au PAY〟を冠した名前に変更され、5月21日に決済・コマースのサービスが下記のように〝au PAY〟ブランドで統一された。
区分 | 旧名称 | 新名称 |
アプリ | au WALLET アプリ | au PAY アプリ |
プリペイドカード | au WALLET プリペイドカード | au PAY プリペイドカード |
クレジットカード 一般 | au WALLET クレジットカード | au PAY カード |
〃 ゴールド | au WALLET ゴールドカード | au PAY ゴールドカード |
少額ローン | au WALLET スマートローン | au PAY スマートローン |
ショッピングモール | au Wowma! | au PAY マーケット |
KDDIグループは銀行や保険、証券などのファイナンスサービスが充実しているが、これらの名称も〝au〟ブランドに統一。『じぶん銀行』は2月9日に『auじぶん銀行』に商号変更するなど、auフィナンシャルホールディングス傘下の8社の社名が〝au〟ブランドで統一された。
決済・コマースは〝au PAY〟、ファイナンスは〝au〟ブランドに統一。新ポイントプログラムは『Ponta』だ。
KDDIは決済・金融体験をワンストップで提供する「スマートマネー構想」を掲げ、コード決済サービスの『au PAY』から、日常生活に必要なあらゆるサービスが利用できるスーパーアプリ化を目指す。
充実のファイナンスサービスを『au PAY』からシームレスに使える。
『au PAY カード』『au PAY ゴールドカード』がキャリアフリーに
『Ponta』との統合に加え、クレジットカードの『au PAY カード』の使い勝手も向上した。まずauケータイやauひかりなど、au通信サービスのユーザーでなくても入会できるようになった(審査は必要)。年会費は無料。仮に入会後、auユーザーでは無くなった場合、これまでは年会費1250円(『au PAY カード』の場合)が必要だったが、auユーザーではない場合も初年度無料。翌年以降も年1回以上の利用があれば、年会費は無料になる。
『au PAY カード』(左)と『au PAY ゴールドカード』(右)。
『au PAYカード』の支払いで得られるポイントも、200円で2ポイントだったのが、6月23日からは100円で1ポイントに。ポイント還元率では同じ1%なのだが、980円の支払いの場合、これまでは8ポイントしか貯まらなかったところ、これからは9ポイントとなり、よりお得になる。
それに『au PAY』のチャージを『au PAYカード』から行なうことで得られるポイントが0.5%から1%にアップ。『au PAY』のチャージで1%、『au PAY』の支払いで0.5%となり、合計1.5%のポイントが貯まる。さらに『Ponta』加盟店でアプリやカードを提示すれば1%が得られるので、合計2.5%が還元されることになり、ポイントがこれまでよりも貯まりやすくなる。
『au PAY』は2019年8月末からauユーザー以外でも使えるようになったが、今回、『au PAYカード』『au PAY ゴールドカード』もそうなったことで、周辺サービス全体がキャリアフリー化。利便性やサービスの充実度、auユーザーならさらに特典が得られることなどを広くアプローチすることで、先行する他サービスに十分、巻き返しが図れそうだ。
なお現在、ローソンで『au PAY』を利用すると、誰でも5%のPontaポイントが貯まる「生活応援企画」を実施中。終了時期が決まっていないキャンペーンなので、当分、得できそうだ。ぜひ利用したい。
ローソンで『au PAY』を利用することで4%、『Ponta』の提示で1%で、合計5%のPontaポイントが貯まる。「三太郎の日」ならさらにお得。
KDDIリリース
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2020/05/21/4447.html
取材・文/綿谷禎子
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