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UQ mobileをサブブランド化してY!mobile、楽天への対決姿勢を強めるKDDI、ドコモはどう動く?

2020.06.17

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回はKDDIのUQ Mobile継承について議論します。

※新型コロナウイルス対策のためインターネット会議を実施しています

“3分の1ルール”でUQ mobileのみKDDIへ

房野氏:UQコミュニケーションズのMVNO事業であるUQ mobileを、2020年10月1日からKDDIが受け継ぐことになりました。どう思われましたか?

房野氏

石川氏:1月末にUQコミュニケーションズの社長交代が発表された段階でカウントダウンが始まっていて、一気に来たという感じだと思います。Y!mobile対策、さらには楽天モバイル対策ということで、ここで舵を切ってきたというところでしょう。会見でも触れられていましたが、今後はauショップでUQ mobileを扱えるようになって、ソフトバンクにおけるY!mobileの扱いと同じになってくると思います。

UQコミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長 竹澤 浩氏

石川氏

石野氏:今の会社の形態でいうと、UQコミュニケーションズはKDDIが3割出資する子会社扱いになっているんですけど、一応、別会社なのでMVNOなんですよ。なので、あくまで表向きというか、手続き上は、KDDIに接続料を払って、mineoやLINEモバイルなどと同じように「外の1企業としてKDDIにお金を払っていますよ」という位置付けだったのが、ぐいっとKDDIの中に入ることによって、Y!mobileと同じように帯域をじゃぶじゃぶ使い放題になりますし、auと同じ会社でやることによって、料金プランの棲み分けが、よりしやすくなる。UQコミュニケーションズの親会社はKDDI以外もいるので、KDDIに完全に配慮した料金にすると、会社の経営としてマズイ。そういうことがなくなることになり、よりソフトバンクとY!mobileの関係に近くなっていくんだろうなと思います。

石野氏

法林氏:今回の話で、携帯業界における料金の「上組と下組」の棲み分けの構図が、より分かりやすくなってきた気がします。UQ mobileのユーザーにとっては、会社は実質変わらない。にもかかわらずauと同じようなことができるようになる。auユーザーにとっては、お仲間が増えるくらいだから別にたいしたことはないと思うんですが、副次的なものが生まれるかなという部分で、期待も不安もあるかな。au IDの話も含めて、どうするのかなと思うところはあります。コンテンツなども、ちゃんと売るのかどうかが分からない。端末については、UQ mobileはSIMフリーを展開してきて、auは最近、オープン化を推進していて、「au Market」で配信しているアプリをGoogle PlayやApp Storeに出している。ということは、今後、au回線を契約しつつ、端末はSIMフリーのスマホで使い放題、みたいな人も出てくるのかなと予想されます。

法林氏

石川氏:大前提として、総務省が決めたルールによって、MNOであるKDDIはUQコミュニケーションズに3割程度までしか出資できないという“3分の1ルール”が存在しています。これは新しい電波をUQに割り当てるときに、当時はWiMAXを使ったルーターでしたが、それをいろんなMVNOに提供することが求められた。なので、KDDIが影響力をあまり発揮しないように、出資比率は3分の1未満。その代わり、インテルやJR東日本、三菱東京UFJ銀行などが出資しているので、UQを丸ごとKDDIに戻すことが、ルール上できない。なので、今回はUQ mobile事業を別にして、それを吸収する形でKDDIに持っていくという話になっています。これと同じ3分の1ルールは、ソフトバンク系のWireless City Planning(WCP)という会社にも適用されていて、そことUQコミュニケーションズは残るという形になります。

 UQ mobileはauのサブブランド化していくでしょうし、UQコミュニケーションズに関しては、総務省の「周波数再編アクションプラン」で、2.5GHz帯を5Gに使えるような話があったと思うので、この周波数帯で5Gもやっていくんじゃないかな。

Wireless City Planning

法林氏:いい加減、KDDIとUQコミュニケーションズはまとめた方が良くない?

石川氏:そう。3分の1ルールが形骸化している。MVNOがこれだけ盛り上がっているし、一方でMVNOは今、厳しいところもあるし、3分の1ルールで別の会社にする必要は、もうないような気がする。これはずっと言われてきたことでもあるので、そろそろ見直してもいいんじゃないかなって気はします。別会社であることによって、またいろんなルールも作らなきゃいけないので。総務省はもう、仕事がしたくてしょうがなくて、ルールを作りたいという気持ちがあると思うんですけど(笑)、分かりにくくなってもいるので一緒でいいと思いますね。

石野氏:UQ mobileがなくなっちゃうと、UQコミュニケーションズは結果として、Band41の電波を主にauに提供している会社ってことになってしまう。当然、UQコミュニケーションズはルーターも売っていますけど、回線数でいえばauに貸し出しているものの方が多いと思います。それはソフトバンクとWCPでも同じなんですが、そこも別会社とする必要があるのかなとは、正直思います。

石川氏:もう意味ないよね。

法林氏:大手3キャリアでMVNOをたくさん持っているのはドコモなんだけど、もし3分の1ルールを撤廃してWiMAX事業もKDDI傘下に完全に収めてしまうと、MVNOとしてWiMAXのルーターを売っている会社、プロバイダなどいろいろなところがやっていますが、それが入ってきてKDDIのMVNOの数がちょっと増える気がする。まぁ、健全化といっていいか分からないけど、少しそうなる気がする。WCPは石野君が言った通りソフトバンク専用になっちゃっていて、外に出すよりはソフトバンクの中に入れちゃった方がいいんじゃないのっていう気はする。3分の1ルールは、これを機に見直してほしいのが本音ですね。

石野氏:UQ mobileは、大元をたどるとKDDIが作ったんですけどね。

法林氏:そうなんだよね。KDDIバリューイネイブラーというKDDIの100%子会社が運営していたからね。

石野氏:で、いまいち盛り上がらず放出し、UQに育ててもらって、KDDIに戻してもらうっていう、そんな流れを踏んでいるので、そこだけを考えると別会社なのが良かったのかなと。

石川氏:いや、何も変わらないじゃん、UQ mobileをやっている人はKDDIの人なんだしさ。もう単なる“KDDIの品川事業所”みたいなものでしょ(UQコミュニケーションズの所在地は品川駅そば)。

石野氏:(笑)田中プロ(KDDI会長の田中孝司氏。UQコミュニケーションズの初代社長)が悲しみますよ。

KDDI株式会社 代表取締役会長 田中 孝司氏

石川氏:いやぁ、まぁ……そうだけど、UQがあったからこそ田中プロはKDDIの社長になれたと言われていたりもするので。

石野氏:UQがあったからこそ、UQ mobileはここまで盛り上げることができたと。

法林氏:管理部門をどうするのかは、まだちょっと見えないね。

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