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【開発秘話】シリーズ累計40万本以上売れているマンダム「モワトレ 薬用デオドラントショット」

2020.06.15

■連載/ヒット商品開発秘話

 これから蒸し暑くなる。デオドラントでニオイケアが欠かせなくなってくるが、頭皮にも使えるデオドラントとして好評なのが、マンダムの『モワトレ 薬用デオドラントショット』シリーズである。

 2019年2月に発売された『モワトレ 薬用デオドラントショット』シリーズは、3種の有効成分(リゾチーム塩酸塩、イソプロピルメチルフェノール、パラフェノールスルホン酸亜鉛)で頭皮汗臭まで防ぎ、ニオイに対処する日本初のデオドラント。2種類の殺菌成分(リゾチーム塩酸塩、イソプロピルメチルフェノール)が脂の多い環境でもニオイ菌をしっかり殺菌することで頭皮汗臭を長時間防ぎ、さらに制汗成分(パラフェノールスルホン酸亜鉛)がニオイの元となる汗の発生を抑える。まず〈無香料〉と〈シャボンの香り〉の2タイプを投入し、2020年4月に〈ひんやり クリアハーブの香り〉を数量限定で発売。2020年4月までにシリーズ累計で40万本以上売れている。

『モワトレ 薬用デオドラントショット』シリーズ。向かって左が〈無香料〉、右が〈シャボンの香り〉

約9年がかりで処方を完成させる

 頭のニオイを気にしている人は案外多い。同社が20代、30代の女性を対象に調査した結果によれば、頭皮のニオイが気になる人は「ワキ」「足・足の裏」に次いで第3位。20代の45.6%、30代の51.8%が頭皮のニオイを気にしている。

ニオイが気になる部位(年代、部位別)

 体臭にも強くこだわって研究開発を進め、その成果を商品に生かしてきた同社では、以前から頭皮のニオイに関する悩みの声を聞くことがあった。頭のニオイを防ぎたいウォンツはあっても解決する技術がなかったことから、まずはそのための技術を確立するべく研究開発に取り組むことにした。

「生活者のウォンツから商品の企画がスタートするケースが多いのですが、『モワトレ 薬用デオドラントショット』シリーズに関しては頭皮汗臭まで防ぐ技術ができたことで商品化がスタートしました」

 このように話すのは、ブランドマーケティング三部 マネージャーの吉川恵津子さん。企画設計から始まり2018年に厚生労働省から「頭皮汗臭を防ぐ」効能効果の承認を得て、最終的に商品化するまで約9年もの長い時間を要することにあった。

マンダム
ブランドマーケティング三部 マネージャー
吉川恵津子さん

脂に溶けにくく汗に溶けやすい殺菌成分の特定

 体臭は皮膚の常在菌が汗の中に含まれる成分を代謝することで発生する。したがって、体臭を防ぐには殺菌と汗の抑制が効果的ということになる。

 殺菌成分には、脂に弱く取り込まれてしまう特性がある。頭部はワキと比べると皮脂が約9倍多く、殺菌成分の多くが皮脂に取り込まれ十分な効果を発揮するのが難しいという技術的な課題があった。

 求められたのは、頭部で効果を発揮できる殺菌成分を特定すること。そのような殺菌成分を探し効果を証明するまでに長い時間を要することになったが、研究の末に特定したのがリゾチーム塩酸塩であった。これに殺菌成分であるイソプロピルメチルフェノールをプラスすることで、皮脂が多くても少なくても殺菌成分が働くようにし、頭皮の常在菌が汗中の成分で代謝しないよう制汗成分であるパラフェノールスルホン酸亜鉛を配合した。これにより頭皮汗臭を長時間防ぐことを可能にしたわけである。

 こうして処方が完成し厚生労働省に申請。頭のニオイに対応するデオドラントは前例がなかったことから、何度もやり取りを繰り返し、承認を得るのに長い時間を要することになった。

バックハグするカップルを見て「ゾッとした」

 しかし社内では、開発した技術を応用した頭皮汗臭を防ぐデオドラントに需要があるのか、ということが懸念されていた。なぜなら、頭のニオイ対策はそれなりに取られていたからである。

 同社の調査では、女性が行なう頭皮臭の対処法のトップは「香りの良いシャンプー・コンディショナーを使う」で、約40%の女性が実施。以下、「ヘアコロン・ヘアフレグランスを使う」「洗浄力・殺菌力の高そうなシャンプーを使う」「香りの良いヘアスタイリング剤を使う」などが続く。商品化に向けた社内での話し合いでは、頭のニオイを防ぐデオドラントは「使わない」とはっきり言う人もいたほどだった。

頭皮臭に対する現状の対処方法

 ただ、中には「悩んでいる」と明言した社員も少なからずいた。その人たちにいろいろヒアリングしたところ、商品化に光明を見出すことになった。

「『これはイケる!』と転換したタイミングが訪れました」と吉川さん。入社間もないある女性社員が、東京ディズニーランドでバックハグしているカップルを見て「ゾッとした」と話したとき、一番「イケる!」と確信したという。

 普通なら「羨ましい」などと思うところ、頭のニオイが気になっているとゾッとする光景に映る。しかし、前もって使っていれば、不意にバックハグをされても大丈夫。「ゾッとした」のひと言から、新しいエチケットとして使用することを訴求すれば必要性を感じていない人も「使おう」という気になるのでは? と判断。商品化が進むことになった。

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