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市場の需給バランスで価格が変動する「ダイナミック・プライシング」で収益を拡大するポイント

2020.06.12

需要と供給の価格変動「ダイナミック・プライシング」成功の鍵

今までは過去の経験に基づき「価格」はあくまで人が決めていた。 しかし、最近ではAI(人口知能)を用いて、需要、市況、天候、個人の嗜好などに関するビッグデータを迅速に分析し、価格の上げ下げを自動的に行うことが可能になってきた。データを蓄積すればするほど精度も上がってくると言われている。

ダイナミック・プライシング」とは 、市場の需要と供給の状況によって価格が変動することであり、近年、小売業界などにも広がりを見せている。

夕方になるとスーパーの惣菜価格が下がる、大型連休になるとホテル代が上昇する、ということは昔からあったが、これらとはいったいどこが違うのか? 今回は三井住友トラスト・アセットマネジメントのレポートを紹介しよう。

ダイナミック・プライシングの導入はまず米国のスポーツ界などから始まり、日本でもプロ野球やサッカーなどの観戦チケットに活用され始め、広がりを見せている。

細かな価格設定は収益の最大化につながり、消費者にとっても需要が停滞する時季に買うことで、より安い金額でチケットなどを購入できるといったメリットもある。

テーマパークなどでもダイナミック・プライシングが始まった!

米国のディズニー・ワールドなどに習い、2019年1月から大型テーマパークが国内で初めてチケット価格を変動制に切り替えた。

たとえば1日入場券価格(大人)は、従来は一律7,900円だったが、中国の春節にあたる2月は8,200円、3月の春休みは8,700円、4~5月の10連休は8,900円に値上げした一方で、平日の閑散時には7,400円に値下げするなど、需要動向に応じ機動的な価格設定が行われた。

その後も10月の消費増税への対応や、12月以降にも小幅な値上げ(最高値9,200円の設定)が行われている。

 ダイナミック・プライシングにより、なぜ企業の収益が拡大するのか?

では企業にとってダイナミック・プライシングを導入する経済的な意味合いはどこにあるのか?

たとえばある商品に200円まで支払えると考える消費者Aさんと、100円までと考える消費者Bさんがいるとする。

そこで、ある企業がその商品を固定価格100円(「一物一価」)で2人に売ると、売り上げは200円となり、Aさんは「100円、得をした!」というような「お得感」が生まれる。

ところが企業がAさんには200円、Bさんには100円と価格を提示できればどうなるだろう。

Aさんは200円で商品を買うため、固定価格のときにはあった「お得感」は無くなってしまう。一方で、企業の売上げはBさんの分も合わせて300円に増加する。

つまりダイナミック・プライシングによる「一物多価」が完全に成立すれば、消費者の「お得感」は消失し、その分を企業が利益として受け取ることになる。

消費者に不信感を与えないことが成功の鍵に

例えば、消費者は天候不良などで生鮮野菜の価格が上昇したとしてもそれほど不満に思うことはないだろう。しかし、単にAIによる算出というだけでの大幅値上げとなれば納得しにくい面がある。

他にも、台風上陸前に防災グッズを買おうとしたところ、ボトル入りの水の価格が急騰すれば、消費者から批判の声があがるということもあるだろう。

消費者にとっては、価格変動の理由が「ある程度見える」ことが納得感につながる重要な要素だ。逆に「足元を見ている」と感じられれば、企業への信頼そのものを失うことにもなりかねない。

ダイナミック・プライシングを定着させるには、消費者の反応をしっかり予測したうえで進めていくことが必要といえそうだ。

構成/ino.

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