人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

アフターコロナで本当に危ないのは「社員が定着しない」会社

2020.06.12

働く場所と時間って?うっすらわかっていたけれど・・・通勤時間は報われない!

「在宅テレワークなら、起床5分で着手できる!でも出社日の通勤時間に対して給与は出ない・・・」

「全員出社していた時期と同じく朝10時にWEB会議を入れられても、子供に乱入されてどうにもならない」

これはゴールデンウィーク直前の、夫婦共働き小学1年生男子(学校は休校中)を持つ私の率直な感想です。緊急事態宣言も終わり、街にも人が戻ってまいりました。閉まっていたお店が開きだしたり、久々に社内で顔を合わせる人がいたり。自粛期間は終わったなあとしみじみ感じる今日この頃です。

3月辺りから、望むと望まざるとにかかわらず、半ば強制的にはじまったテレワーク、時差出勤、業務チームの分散等の経験から、皆様にも今までに感じなかった新しい感覚が生まれたと思います。従来は、定時出社、大人数での研修やミーティング等「●時に××(場所)」の感覚が当たり前でした。また、家庭においても「この人は●時に出て行って●時ぐらいに帰ってくる」という目安があったので、必然的に役割分担も紐づけることができました。

しかしながらこのコロナ禍、私たちは在宅勤務の利便性を体感してしまいました。また、休校や老親との生活など、プライベートとタイミングを合わせながら仕事をする難しさにも直面しました。それでも何とか乗り越えてきた今、「働き方に対する違和感」を強く感じています。これは、地域性やライフステージにあった多様性のある働き方を社員自身が真剣に考え始める大きなきっかけになったと思います。

無形文化財量産中??業務は人間の「卓越した技」ではない。

エッセンシャルワーカーの皆様や、個人情報等社外に持ち出せない情報を扱う場合を除き、「そこでなければできない」という仕事は本来少ないです。今回の経験から、大枠でテレワークができたとしても、細かなところで「あの人しか書類の場所を知らない」、「あの人がやっているから手順がわからない」といった業務の属人化に改めて気づいた方も多いでしょう。そして検証すると「あの人」の部分は大抵だれでもできるものです。業務は伝統芸能でも受け継がれた職人の味でもありません。

実際に緊急事態宣言後すぐに全社員をテレワークに切り替え、雇用流出を抑えた企業が多数ありました。そしてそこで就労している派遣社員もテレワークに切り替え、通常業務ができているという事例がある以上、仕組みと運用さえきちんとできていれば、自社、他社という垣根さえ超えて、就労を継続することができるのです。これを展開して、例えば介護中で就労を諦めかけている人に日中在宅で仕事をしてもらったり、パートナーの転勤で離職を考えている人に継続してもらえるかもしれません。「この時間なら」「この場所なら」という制約がある人に向けての抑止力や、また新たにそのような人を募集できるという大きなメリットに繋がるでしょう。

安心感は人それぞれ。段階ごとに仕組みを変えて。

先日、政府専門家会議は「新しい生活様式」の中で、働き方については緊急事態宣言解除後もテレワークやローテーション勤務を継続し、会議や名刺交換はオンラインでと発表しました。しかしながら、働き方に関するいろいろな感情が生まれているこの今、会社が何の策も講じずコロナ禍中と変わらない形で引き続きテレワークを丸投げしていいのでしょうか。

例えば、一人で業務を完結することが難しい新人層に完全テレワークをさせた場合、「すぐに相談できない」「優先順位がつけられない」「時間配分ができない」等の問題が出るでしょう。そして本人がテレワークを「放っておかれた」と曲解し、会社や上司に対し不信感でいっぱいになっているしかもれません。また、いざお客様との対面が必要になった際、礼儀もマナーもなっていないような状況も考えられます。

良かれと思ってテレワークを導入したものの、結果不信感と残念な仕上がりしか残らないのであれば意味がありません。

新人層には、進捗確認や諸研修等、従来会議室で行ってきたことをほぼそのままリモートでやり取りする仕組みを加える必要があります。その密なやり取りによって、会社や先輩に守られている意識が生まれ、また自身の成長を感じられるツールになるでしょう。また、どんなにテレワーク、会議はオンライン等で対面を防ぐ仕組みを作ったとしても、マナーや言葉遣い、感情の機微を読み取る等の相手の温度を感じる状況は残ります。メールだけ、業務の進捗確認だけでなく、WEB研修等を大いに活用して、「さもそこにいるような」感覚で研修を受けることで、新人層同士の一体感をたかめ、認識を共有することができるでしょう。

中堅層以上はある程度の業務完結はできるので、決裁する、他部署と連携をとる、指示出しをする等の意思決定と運用に重点に置いた仕組みを加えることが重要です。それによって、「どこでも会議室」が完成し、出社せずとも通常以上のパフォーマンスが可能になります。そして部下を信頼し、一定の権限を付与することで、高い位置での業務意識が共有され、よりスピーディに成果に結びつくことができるでしょう。中堅層以上は新人層の教育という大きな責任があります。仕組みで業務効率化ができるのであれば、チーム全体の定着も図れるでしょう。

また中堅層はライフステージも様々で、病気や子育て、介護等抱える事情も様々です。「どこでも意識高く仕事ができる」というアドバンテージは即戦力である中堅層の定着に繋がります。勢いで走ったコロナ禍を過ぎ、社員は今、自分が会社に大事にされているかどうかを見極めようとしています。「働く場所と時間」について全員が意識を変えだした今、会社は本気になって社員一人一人にとって働きやすい職場環境を段階に応じて創造していくことが必要です。

ここで働きやすい職場環境を創らなければ、より一人一人にあった環境に流れていくでしょう。またここで多様な就業環境を創造することで、優秀な社員を引きとめるだけでなく、新たな労働力市場にもつながることができるのです。

文/鈴木麻耶
社会保険労務士。大槻経営労務管理事務所所属。実家の寺院を継ぐことになり、子の小学校入学を機に
夫とともにUターン。現在サテライトオフィス勤務。事業規模、業種ともさまざまなクライアントを担当し、「離れていてもできる!伝わる!やりきれる!」を実践中。

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2020年7月16日(木) 発売

DIME最新号の特別付録はミクロの世界を楽しめる「90倍スマホ顕微鏡」!特集は「家ナカ オフィス改造計画」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。