パソコンなどの機械製品のスペック表は、詳しい人が見れば簡単に理解できるものの、初心者にとっては、なじみのない英数字の並ぶ暗号のように見えてしまうのではないだろうか。そしてこのわかりにくさこそが、電子機器から初心者を遠ざけてしまう大きな要因の1つだろう。
そこで、パソコンに搭載されている各機能の名称や、その意味を改めて解説していこう。仕事でパソコンを使うけど、そのスペック表の意味を理解できず、どれを購入すればいいのかわからないといった人は、ぜひ参考にしていただきたい。
パソコンの基本用語を解説!
では、パソコンの基本スペックに書かれている用語を解説していこう。
パソコンの基本用語【OS】
OSとは、パソコンだけでなくスマホやタブレットにも必ず搭載されているもので、「Windows 10」やAppleのパソコンに搭載されている「mac OS」などの種類がある。
これは、「オペレーティングシステム」の略称で、コンピューターを動かすためのソフトウエアを指し、コンピューター全体を管理・制御して様々なアプリケーションソフトを動かすための核となる部分。
パソコンの基本用語【CPU】
CPUとは、「セントラルプロセッシングユニット」の略称で、プロセッサーとも呼ばれる部分。マウスやキーボード、ハードディスクなど様々な機器から情報を受け取り、それを制御・演算・処理してくれる大切なパーツだ。CPUの性能はパソコンの動きそのものに大きく関わり、搭載されている性能がそのまま価格に大きく関わる。
パソコンのCPUを製造している会社としては、「Intel」と「AMD」が有名。どちらが優れているというものではなく、それぞれのメーカーに性能ごとのモデルが存在する。それぞれの詳しい解説については、下記URLを参考にしていただきたい。
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パソコンの基本用語【メモリ】
パソコンにおけるメモリとは、パソコン内の作業スペースの大きさを表す。大きな机であればその上で多くの作業が平行して行えるのと同じように、メモリの容量が大きいほど多くの情報の処理が可能となり、パソコンの動作スピードは速くなる。一般的な事務作業程度でも、8GBくらいのメモリ容量は確保しておきたい。RAMと表記される場合もある。
パソコンの基本用語【ストレージ】
ストレージは、データを保存できる容量を表し、数字が大きいほど多くのデータの保存が可能となる。ROMと表記される場合もあるストレージには、主に「SSD」と「HDD」の2種類があり、SSDはHDDよりも高速でデータの出し入れが可能なため、パソコンの動作速度が高い、HDDはSSDよりも動作速度は遅いが、比較的安価に大容量のモデルが手に入る傾向がある。近年はクラウド上にデータを保存してくれるサービスも充実しているので、快適さを求めてSSD搭載モデルを購入する人が多いようだ。
また、ストレージはあとから外付けのHDDを購入して拡張できる部分でもある。一般的にSSD128GBから256GB程度のモデルが多いので、使用していて容量が足りなくなればクラウドを使用するか、外付けのHDDを購入するといいだろう。
パソコンの基本用語【解像度】
ディスプレイ、モニターの画質は解像度の数字によって表される。解像度の数字が大きいほど画面はきめ細やかできれいになり、作業領域が広くなる傾向がある。多くのパソコンに搭載されている「フルHD」とは解像度が1920×1080のものを指し、近年よく聞くようになった「4K」画質は3840×2160を指す。
パソコンの基本用語【ポート】
ポートとは、主にノートパソコンの側面についているケーブルを接続するための端子差込部分。近年はディスプレイと繋ぐためのHDMIや、スマホなどと接続するためのUSB Type-Cなどのポートが搭載されたモデルが多いが、複数の周辺機器を優先で接続したりする人は、このポート数が多く、様々な形状に対応している機種を選ぶべきだろう。
パソコンの基本用語【マザーボード】
スペック表には書かれていないが、パソコンに必ず搭載されているパーツとしてマザーボードというものがある。これは、メインボードやシステムボードとも呼ばれ、それぞれ役割の違う、メモリやCPUといった部品への電源の共有や相互に通信する回路を作るための基盤を指す。マザーボードには様々なパーツが接続されていて、複雑な回路が張り巡らされている。パーツ間の橋渡しをするのが主な仕事だ。
パソコンの全部を理解するのは難しいが……
ここまで紹介したのがパソコンの基本用語としてスペック表などでよく目にする部分。もちろん、パソコンの性能がこれだけでわかるというものではなく、突き詰めればより難しい用語が多く登場してしまう。大切なのは、ある程度の基本を押さえたうえで、自分がパソコンに求めている性能はどのような部分なのか、求めているパフォーマンスをするにはどれくらいの性能を搭載したパソコンが必要なのかを理解する点。パソコンは決して安い買い物ではないので、後悔のない製品選択の助けになれれば幸いだ。
※データは2020年5月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用はあくまで自己責任にてお願いします。
文/佐藤 文彦