パソコンといえば、自宅に据え置いてモニター、キーボードなどの周辺機器と接続し利用するデスクトップ型と、折り畳み式で屋外への持ち出しも便利なノートパソコン型の2種類が主流。近年は2in1タブレットなどの新しい形も登場しているが、これは大きく見ればノートパソコンと同ジャンルといえるだろう。
そんなパソコン界に旋風を巻き起こすべく、新たな形状のパソコンが存在するのをご存じだろうか。それが「スティックPC」といわれる、USBメモリを少し大きくしたようなデザインのもの。では、このスティックPCとは一体何者なのか、どのように使い、どんなメリットがあるのかを解説していこう。
スティックPCっていったい何?
まずは、スティックPCの基本的な情報や使い方を解説していこう。
スティックPCとは
スティックPCとは、前述した通りUSBメモリを一回り大きくしたような形状のパソコン。デスクトップパソコンと同様にモニターやキーボード、マウスとの接続が必要となるが、パソコンとしての構成を必要最小限に抑え、携帯性を大幅に強化した。
スティックPCはどんな使い方ができる?
スティックPCには主に「Android OS」「Fire OS」「Chrome OS」といった、ノートパソコンやタブレットと同じOSが搭載されている。また、Windowsが搭載されたモデルも多く、これらは通常のWindowsパソコンと遜色なく使用可能だ。
また、スティックPCはHDMI端子でモニターと接続して利用するので、自宅にパソコン用のディスプレイが存在しなくても、テレビと接続して利用可能。リビングのテレビがPCとして利用し、ネット閲覧や動画視聴ができるのは魅力だろう。
スティックPCの価格は?
スティックPCは、大体1万円~3万円程度で購入可能。周辺機器を揃える必要はあるが、一般的なパソコンを買うよりは安価に購入できる。
スティックPCの処理性能は?
小型化に特化したスティックPCだが、Officeソフトの編集や動画の視聴といった、比較的負荷の少ない作業であれば問題なく動作する場合が多い。しかし、動画編集やオンラインゲームといった高負荷の処理には向かないので、安さと手軽さが魅力の製品といえるだろう。
スティックPCを使うメリットとは
では、スティックPCを使用するメリットを紹介していこう。
スティックPCのメリット【モニターを問わない】
前述した通り、スティックPCは対応する端子が備わってさえいればテレビにも接続可能。スティックPC用にわざわざモニターを購入しなくていいので、いつでも使用を開始できる。また、端子さえ対応していれば、プロジェクターで映像を出力できる。
スティックPCのメリット【軽量でコンパクト】
スティックPCの一番の特徴ともいえるポイントが、やはり軽量でコンパクトな点。特に使用中は、モニターと接続すればほとんど存在感がない。使用時に場所を取らないのは大きなメリットだろう。また、出張先などに持って行くのも簡単で便利。その際には、ホテルのテレビをモニターとして使用すれば、不自由なくパソコンとして利用できるだろう。
スティックPCのメリット【手ごろな値段】
安価なノートパソコンが増えてきた昨今だが、それなりの性能を求めるのであればやはり5万円~10万円程度が基準となってくるだろう。スティックPCであれば、モニターやキーボードといった部分が排除されているので、比較的安価に購入可能。スペックとしても、ネットサーフィンなどの簡単な作業であればストレスなく使用できるので、低コストでパソコンの購入を検討している人におすすめだ。
スティックPCのメリット【動作音が静か】
一部のファンが搭載されているモデルを除き、多くのスティックPCは動作音が静かという特徴がある。特に動画視聴時などは、ノートパソコンやデスクトップパソコンの難点ともいえる動作音に悩まされる心配がないのでおすすめだ。
スティックPCのメリット【消費電力が少ない】
モニターと一体となっていないため、スティックPCは極めて少ない電力しか消費しないと考えられている。電気代の概算は、一般的なデスクトップPCの10分の1程度で、かなりお得に利用可能だ。
スティックPCはこんな人におすすめ
上述したと通り、スティックPCには様々なメリットがある。重い負荷のかかる作業には適していないものの、テレビをネットにつないで動画視聴したい人や、出張など外に出る機会の多い人のサブパソコンとしての利用、また、プレゼン用にプロジェクターとして利用したりとその活用の幅は広い。柔軟な環境でパソコンを使用したいという人におすすめのパソコンだ。
※データは2020年5月下旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤 文彦