
緊急事態宣言が解除された。警戒すべき状況はまだまだ続くものの、日常生活が以前の状態へと戻っていくことが予想される、私たちのこれからの日々。多くの人が利用する交通機関も念入りなコロナ対策が検討、実行されている。
通勤電車やバスなどはこまめに乗降ドアが開き、窓も開閉可能なので、車内混雑を避けることができれば、いわゆる密閉空間にはなりづらいと考えられている。しかし、比較的長時間乗車し、窓の開かない新幹線はどうなのか? どうしても不安が残る人も多いはず。そこで今回はJR東海が取り組む、東海道新幹線の新型コロナ感染拡大防止対策の最前線を取材してきた!
減便終わって定期列車は通常運転に
緊急事態宣言中は東海道新幹線の乗客も激減し、減便を余儀なくされたが、宣言の解除を経て新幹線の予約状況も若干戻りつつある傾向がみられる。もちろん満席、といった状況までには余裕はあるものの、JR東海は先手の対策として2020年6月1日より全ての定期列車の運転を再開することになった。これがまず、JR東海の考えるコロナ対策の第一手で、需要が戻るのを待つのではなく、先を見越して余裕ある輸送力を確保することで車内混雑を回避する狙いがある。減便ダイヤ中は平日約250本程度の列車数だったが、これを平日約300本超に戻し、他の利用客との距離を取るような座席位置の選択がしやすいようになっている。
2020年6月1日より定期列車を100%運転に戻し、輸送力を確保!
スマホで完結! 空席を指定できるサービス
東海道新幹線に乗車するには通常の紙のきっぷのほか、クレジットカード決済のチケットレスサービス「エクスプレス予約」・「スマートEX」が利用可能だ。「エクスプレス予約」はより割引率が高いおトクな料金を、通年変わらず利用できるのが魅力的だが、年会費が1100円かかる。なので、手軽にチケットレスサービスを利用したいなら年会費無料の「スマートEX」のほうがオススメだ。
利用には一般的なブランドのクレジットカードとSuica、TOICA、ICOCAなどの交通系ICカードがあればOK! 年会員無料の「スマートEX」でも紙のきっぷより東京〜新大阪の料金が通常期指定席利用で200円安くなる上、駅に行かないでも好きな列車を予約することができる。すべて自分のパソコンやスマートフォンなどで列車予約を完結できるのが、なるべく他人との接触を避けたい今日この頃にはとても助かる。
しかも、通常の紙のきっぷの場合、指定した列車の変更は1回しかできないが、「エクスプレス予約」・「スマートEX」は指定した列車の出発前で、改札に入るまでなら何度でも無料で列車の変更が可能! もちろん、座席位置もシートマップで席の埋まり具合を見ながら何度でも変更できる。これも今にはありがたい機能だ。
改札を通る直前に「あ、だいぶ混んできたな」と思ったら空いている他の列車に急遽変更することだってできちゃう! さらに指定席特急券は乗車日の前日以降はキャンセル料が特急券の30%と高額になるが、「エクスプレス予約」・「スマートEX」は改札通過および指定列車の発車前ならいつでも320円据え置きなのも見逃せない。詳しい利用方法はこちらも合わせて確認してほしい。
こちらが「スマートEX」の画面イメージ。列車別に好きなシートを選ぶことができる (画像提供:JR東海)
窓口や改札口、車内における感染対策は?
ただ一方で、新幹線から在来線に乗り継いだりする場合など、券売機やきっぷうりばを利用する人もまだまだいるだろう。こちらについても念入りな対策がなされており、窓口などの待機列にはソーシャルディスタンスを維持できるラインが引かれ、カウンターには飛沫感染を防ぐためのビニールカーテンを設置している。
待機列にはソーシャルディスタンスをわかりやすくするラインが引かれた
利用者が手を触れるボタンやタッチパネルなどは定期的に消毒が行われているほか、利用者向けの手指用消毒液も設置されている。消毒液は改札付近にも設置されており、自動改札機も利用者の手が触れるきっぷの挿入口や受取口、ICのタッチ箇所を重点的に一定のタイミングで消毒している。
カウンターはもちろんクレカの暗証番号を入力する端末もきっちり消毒