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コロナ禍でも労働力の定着・確保に向けた賃上げの動きは今後も続くのか?

2020.05.31

新型コロナウィルスの影響で今後はどうなる?賃金改善は53.3%と高水準ながら一服感も

帝国データバンクが発表した「2020年の景気見通しに対する企業の意識調査」によると、2019年の景気は「回復局面」とする企業が2年連続で1ケタ台となる一方、「悪化局面」は7年ぶりに3割台となるなど、2018年に引き続き、厳しさの増す1年だった。

また、2019年10月の消費税率引き上げで家計の負担が増すなか、政府は日本経済団体連合会(経団連)に7年連続で賃上げ継続を要請するなど、今後の賃金動向が大きく注目されている。

それでは調査結果の詳細を見ていこう。

2020年度の賃金改善が「ある」と見込む企業は53.3%と、4年連続で5割を超えたものの、前回調査(2019年1月)から2.2ポイント減少している。賃金改善について「ある」が「ない」を10年連続で上回ると同時に、その差も33.1ポイントと非常に大きな状態が続く。

賃金改善の具体的内容は、ベースアップが45.2%(前年度比0.4ポイント減)、賞与(一時金)が26.3%(同4.0ポイント減)となった。ベアは4年連続で4割台の高水準となった一方で、賞与(一時金)は2割台に減少した。

賃金を改善する理由は「労働力の定着・確保」が80.6%で過去最高を更新してトップとなり、人材の定着・確保のために賃上げを実施する傾向は一段と強まっている。一方で、「自社の業績拡大」(36.0%)が前年から4.9ポイント下回った。改善しない理由は、「自社の業績低迷」が前年度比5.5ポイント増の58.1%となり、5年ぶりの増加となった。

2020年度の総人件費が「増加」すると回答した企業は68.9%と、前回調査から1.6ポイント減となった。業界別では『サービス』『運輸・倉庫』『建設』で高い。総人件費は平均2.85%増加すると見込まれるものの、伸び率は前年度よりやや低下すると予想される。そのうち、従業員の給与や賞与は総額で約3.7兆円(平均2.50%)増加すると試算される。

労働需給がひっ迫し、半数近い企業が人手不足を感じているなか、人手不足の解消法として「賃金水準の引き上げ」はトップにあげられている(帝国データバンク「人手不足の解消に向けた企業の意識調査」)。

この調査では、景況感の悪化なども一因となり、賃上げを見込む企業の割合は高水準ながらやや減少する結果となったが、労働力の定着・確保に向けた賃上げの動きは今後も続くとみられる。

※調査期間は2020年1月20日~31日、調査対象は全国2万3,665社で、有効回答企業数は1万405社(回答率44.0%)。なお、賃金に関する調査は2006年1月以降、毎年1月に実施し、今回で15回目。

※調査の詳細なデータは景気動向オンラインに掲載している。
※賃金改善とは、ベースアップや賞与(一時金)の増加によって賃金が改善(上昇)することで、定期昇給は含まない。

構成/ino.

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