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「詰太郎」「猫舌フーフー」「ソルト―フカップ」東洋製罐グループが生み出した斬新なアイデア商品の誕生秘話

2020.05.29

おわんの淵にひっかけると汁物を冷ましてくれる「猫舌フーフー」や、模様やくぼみができる豆腐カップで減塩できる「ソルトーフカップ(Salt Off Cup)」。

昨年から面白いアイデアを生み出し続けている東洋製罐グループホールディングス株式会社(以下、東洋製罐グループ)。100年以上、缶などの容器を作り続けてきた老舗企業が、なぜここまで斬新かつ人々に寄り添うアイデアを創出しているのか。

プロジェクト「OPEN UP! PROJECT」の背景や、新型コロナ影響下の取り組みについて、東洋製罐グループの社員にインタビュー。その発想や考え方の源泉を探る。

東洋製罐グループの「OPEN UP! PROJECT」とは

製罐事業とは、主に「缶」を製造する事業のこと。東洋製罐グループは、飲料用や食品用の缶のほか、飲料用PETボトルや食品用プラスチックカップ、パウチ、生活・家庭用品用パウチやエアゾール缶など幅広く“容器”を手がける、1917年創業の老舗企業だ。

その東洋製罐グループが2019年10月10日より「OPEN UP! PROJECT」というプロジェクトをスタート。これは「次の新しい100年を創造するべく、これまで培った容器の技術力やノウハウを活かして一人ひとりが抱える課題を解決していくことを目的としたイノベーションプロジェクト」だという。

本プロジェクトでは、これまでに、3つのプロダクトが発表されてきた。それは、祭り訪問型日本酒充填サービス「詰太郎」、“食卓コミュニケーション・トイ”『猫舌フーフー』、株式会社おいしい健康と共同開発した自然に“減塩”に取り組める3種類の豆腐容器「ソルトーフカップ」だ。

それぞれのアイデア考案のきっかけと具体的な事例を見ていこう。

1.「詰太郎(つめたろう)」

第一弾プロジェクト「詰太郎(つめたろう)」は、お祭りなどのタイミングにあわせて小ロットからオリジナルの日本酒缶を製造できる祭り訪問型日本酒充填サービスだ。

祭りでは瓶詰めの日本酒は重く、敷居が高く手に取りにくい。お祭りやイベントなどではビールのように気軽に楽しんだり、お土産として持ち帰ったりするにはハードルが高かった。そこで東洋製罐グループが祭りなどの際に、日本酒を缶に充填しに行くという発想が生まれた。

実際、正式提供に先行して秋田県大仙市の「大曲の花火」で地元の老舗酒蔵の日本酒を充填。販売ブースでは完売になるほど好評で、花火大会前後の一ヶ月で20,000缶が出荷されたという。また当日はお土産としても人気で、一人で100缶購入した人もいたそうだ。

東洋製罐グループホールディングス(株)のイノベーション推進室リーダーの三木逸平さんに、大曲の花火の様子を聞いた。

イノベーション推進室リーダー 三木逸平さん

「花火大会の当日は酒樽に氷水を張り、たくさんの缶を漬けて冷やして売りました。見た目の斬新さから立ち止まる方も多く、特に若い方が購入されるケースがほとんどだったのには驚きました。大仙市の老松市長によると、地元の人がお土産として県外の人に渡すケースが多いそうです。デザインも大仙市を象徴する花火が施され、地元のお酒を使い、コンパクトでお土産に最適だったようです」

その後、問い合わせが多くあり、さまざまな酒蔵と協業するようになった。

例えばロマンスカーの車内販売専用として「残草蓬莱(ざるそうほうらい)」を販売。ロマンスカーのシルエットと座席のカラーをあしらった缶は、従来のパッケージよりも倍以上の売上を記録するヒットとなった。

また群馬県の近藤酒造が、群馬県公式マスコットキャラクター「ぐんまちゃん」とのコラボ缶を販売。ピンク色のデザインや、ぐんまちゃんと一緒に写真が撮れる、専用アプリによる「フォトおみくじ」も付いており、女性にも人気だそうだ。

2.「猫舌フーフー」

猫舌フーフーは、お椀やカップの縁に引っ掛けて、スイッチをオンにすると、“にゃーにゃー”という可愛らしい鳴き声とともに、温かい飲み物などを“フーフー”して冷ましてくれる猫型の玩具だ。

その発想はどこから生まれたのか。リサーチをしていく中で、「子どもに座ってスムーズにご飯を食べてもらいたい」や「食事に関心を持ってほしい」といった、“食卓をもっと子どもたちに前向きに楽しんでほしい”という親の願いに着目したという。

「これまでは食卓に安全な食べ物を届けたい、より利便性を高めたいという気持ちで食品の容器を開発してきました。一方で、環境の変化も伴い、食卓上での家族のコミュニケーションが減っているという新しい課題も出てきています。そこで、食の安全や利便性を追求してきた我々が次にチャレンジするのは、笑顔があふれる食卓を創ることをコンセプトにしました。特に共働き世帯数は増加している中、朝の時間はとても忙しく、子どもがちゃんとご飯を食べてくれないとついついイライラしてしまうこともあります。でも本来、食卓は家族のコミュニケーションの場であり、笑顔があふれる場であってほしい。弊社の中でも小さい子どもを持つ親御さんの悩みを、『食を支える企業』として解決したいという想いから生まれました」

この猫舌フーフーは、実際、食卓にどんな効果をもたらしたのだろうか?

「社内外含め約20名の方に使っていただきました。特に小さいお子様には、2つの変化が顕著に現れました。1つは、『食卓にすぐつく』ということです。普段はおもちゃなどで遊んでいて、なかなか食卓についてくれない子どもが猫舌フーフーに興味を持って座ってくれるという現象が起きました。

2つ目は、『子どもが自分からお箸やスプーンを使って一生懸命食事を食べる』という点です。お鍋やあつあつのお米など、普段は親御さんがフーフーしないと食べないものも、どうしても猫ちゃんにフーフーさせたい一心で自分から進んで食べてくれるので、子どもが楽しむだけでなく、親が助かったというケースも多かったです。

実は子どもの場合、食事に対しては熱いとか、美味しいとか、量ではなく、“最初に興味を持てるか”というのが重要なポイントで、猫舌フーフーはその最初の興味を後押しする役割を担っていたのだと実感しました。コンセプトモデルだったため、返却いただく際に、寂しがった子どもたちもいたようで、心苦しかったです」

3.「ソルトーフカップ(Salt Off Cup)」

ソルトーフカップ(Salt Off Cup)は、豆腐の容器。ただの容器ではなく減塩に役立つ容器だ。

病院で看護師が行っていたことから着想を得た。患者への食事を用意するなかで、空の豆腐容器をすぐに捨てるのではなく、醤油のかける量を計るのに活用するなど、再利用することで洗い物の負担を軽減していたのだ。これをヒントに、3つの自然と減塩につながる3つの容器を作った。

「ソルトーフカップ(Salt Off Cup)・ハカル」

「大さじ1」「小さじ2分の1」など、液体を入れた際にその量がひと目で分かる目盛りが付いた豆腐容器。

「ソルトーフカップ(Salt Off Cup)・ミエル」

豆腐に「1」「2」「3」のくぼみができる。「1」の“くぼみ”には1cc、「2」の“くぼみ”には2cc、「3」の“くぼみ”には3ccがぴったり入るように設計されており、醤油をかける量が“見える化”できる。

「ソルトーフカップ(Salt Off Cup)・ミセル」

醤油をかける量を抑制するため、和柄の“くぼみ”を施した豆腐容器。1cc程度の醤油を掛けると、綺麗な和柄模様が豆腐の表面に現れる。

このアイデアを発表したところ、複数の企業から問い合わせがあったという。

「中にはスーパーでよく見かけるお豆腐を作られている企業様からのお問い合わせもいただきました。この新型コロナの状況下で若干、検討のスピードは落ちていますが、製品化に向けて順調に検討を進めています。一般的に卵・牛乳・豆腐は白物三品と呼ばれ、常に同じで安いものというイメージがあるらしいのですが、その常識を覆す製品ができればよいと思っています」

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