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在職老齢年金制度の改正で60歳以降働いても年金は減額されないようになる?

2020.05.25

年金は65歳以降から受け取れる仕組みですが(~昭和41年4月1日まで生まれた方は65歳以前にも受け取れる)、65歳以降も(60歳から受給している場合は60歳以降)会社員・公務員として働いている場合、65歳以降から受け取れるはずの年金が、給与の金額によっては減額される仕組みがあります。

在職老齢年金とは?働くと年金が減る

65歳以降に年金を受給できますが、会社員や公務員として働きつづけ現役並の給与があると、本来受け取れるはずの年金額が減らされます。

なお、中には60歳から年金を受給できる方もいます。

男性だと昭和36年4月1日、女性だと昭和41年4月1日以前に生まれた方で、老齢基礎年金の受給資格期間が10年あること、厚生年金に1年以上加入していたことが条件となります。60代前半で年金を受給できる方で働いている方も、給与の金額によって年金が減額される可能性があり、65歳以降の基準よりも収入基準が厳しいのが特徴です。

60代前半(60~65歳未満)

基本月額(厚生年金月額のイメージ)と総報酬月額(年収の12分の1のイメージ)の合計額がいくらかにより、年金が減額されるか判断されます。

基本月額は、加給年金を除いた特別支給の老齢年金の月額です。加給年金とは年金受給開始後に65歳未満の配偶者、18歳以下(18歳の年度末まで)の子がいるときに加算される年金です。そして、総報酬月額は毎月の給与と前の月から1年間の賞与も含めた1月分の給与をイメージしてください。ただ、厚生年金制度で決められた毎月の給与を31グループに分けて該当する月額に当てはめられるので、給与とイコールにはなりません。上限の標準月額は62万円です。属する標準月額と標準賞与額は「ねんきん定期便」の最近の月別状況、または会社に確認すると確実でしょう。

【現行】

1.基本月額と総報酬月額の合計額が28万円以下
→年金額の減額なし

2.総報酬月額が47万円以下で基本月額が28万円以下
調整後の年金額:基本月額-(総報酬月額+基本月額-28万円)÷2

3.総報酬月額が47万円以下で基本月額が28万円超
調整後の年金額:基本月額-総報酬月額相当額÷2

4.総報酬月額が47万円超で基本月額が28万円以下
調整後の年金額:基本月額-{(47万円+基本月額-28万円)÷2+(総報酬月額-47万円)}

5.総報酬月額が47万円超で基本月額が28万円超
調整後の年金額:基本月額-{47万円÷2+(総報酬月額-47万円)}

60代後半~(65歳以上)

60代前半と比べると基準が緩くなります。

1.基本月額と総報酬月額の合計額が47万円以下
→年金額の減額なし

2.基本月額と総報酬月額の合計額が47万円超
調整後の年金額:基本月額-(基本月額+総報酬月額-47万円)÷2

働くほど損になってしまう在職老齢年金の改正

2020年5月12日、衆議院の本会議で年金改革法案「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案」が可決されました。令和4(2022)年4月1日から施行で、在職老齢年金で60歳から65歳未満にかかる現行の27万円から47万円に引き上げることになりました。60歳から年金を受給できる方の対象は少なく、男性で昭和32年4月1日(63歳*)~昭和36年4月1日(59歳*)、女性で昭和32年4月1日(63歳*)~昭和41年4月1日(54歳)の方が対象となります。

これにより、令和4年以降に60~65歳となってからも働き続けた場合、基本月額と総報酬月額の合計額が47万円以下なら年金が減額されません。現行の27万円以下と比べると大幅に緩和され働いても年金が減らなくなります。

*年齢は2020年5月21日時点

それでもなお、年金の受給開始年齢を過ぎても現役並に働く場合には、年金額が減額されるかどうか気にする必要があります。今回の改正で、受給開始年齢を70歳まで遅らせることができたのが、さらに75歳まで遅らせることができるようになりましたが、働いて年金額が減るなら繰り下げて年金受給額を増やす方がいいと考える方もいるかもしれません。

しかしながら。

繰り下げ後に増額する受給金額は、本来受給できる金額ではなく働き続けることにより減額された金額に対して増額されることに注意が必要です。

例えば、65歳以降も高収入で老齢厚生年金が全額支給停止になったとき(老齢基礎年金は受給可能)5年繰り下げたとしても、支給停止後の年金額から繰り下げ分アップするため、繰り下げても受給額は変わらないことになります。

文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。


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