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国内の肝硬変疾患の原因、C型肝炎が減少する一方で生活習慣病が増加

2020.05.22

生活習慣病による肝硬変が増加中――全国多施設共同研究の結果

わが国の肝硬変の原因に関する全国調査の結果が報告された。従来はC型肝炎による肝硬変が多数を占めていたが、その割合は近年減少してきており、かわって非ウイルス性肝炎による肝硬変が増加している実態が明らかになった。

この報告は全国79施設が参加して行われた多施設共同研究の結果。2018年の第54回日本肝臓学会総会において各施設から報告された、肝硬変患者の原因疾患のデータを、加納総合病院名誉院長の西口修平氏(研究時点の所属は兵庫医科大学肝胆膵内科)らが取りまとめたもの。詳細は「Journal of Gastroenterology」3月号に掲載された。

解析対象患者数は合計4万8,621人(うち男性が61.6%)で、肝硬変の原因のトップはC型肝炎で48.2%だった。以下、アルコール性肝障害19.9%、B型肝炎11.5%と続き、第4位は、メタボリックシンドロームによる肝炎と考えられている非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が6.3%を占めた。

次に、肝硬変と診断された時期がはっきりしている4万5,834人(全体の96.4%)を対象として、経年的な推移を調べた。

診断された年が2007年以前の患者(1万4,051人)、2008~10年の患者(6,506人)、2011~13年の患者(8,284人)、2014年以降の患者(1万6,993人)の4群に分け、原因疾患が占める割合を見ると、以下のように変化していた。

まず、C型肝炎による肝硬変は、2007年以前は58.6%、2008~10年は50.4%、2011~13年は45.1%、2014年以降は40.2%と減少。

B型肝炎による肝硬変も同順に、13.6%、11.1%、9.9%、9.0%と減少していた。これらウイルス性肝炎による肝硬変は、2007年以前には7割を超えていたものが、2014年以降は5割足らずに低下したことになる。

一方、アルコール性肝障害による肝硬変は、13.7%、19.6%、23.8%、24.9%と増加。NASHによる肝硬変も、2.0%、4.7%、6.2%、9.1%と増加していた。

アルコール性肝障害とNASHは、どちらも生活習慣の影響が強い肝障害と言える。それら生活習慣病を経て肝硬変に至る患者の増加が見てとれ、2014年以降に診断された患者では約3人に1人を占めることが分かった。

このほか、地域別の比較から、B型肝炎による肝硬変の割合は北海道や中国地方で高く、東北や九州では低いことが示された。

アルコールによる肝硬変の割合は、北海道、東北、九州で高く、NASHによる肝硬変の割合は、北海道と関東で高かった。

北海道ではC型肝炎による肝硬変の割合が低かった。ただしこれらの傾向は既報と一部一致しない点があり、調査手法の違いが影響している可能性もあるという。

以上の結果を基に研究グループでは、「日本ではC型肝炎がいまだ肝硬変の主要な原因ではある。しかしウイルス性肝炎による肝硬変は減少しつつあり、アルコールやNASHなどの非ウイルス性肝障害による肝硬変が増加している」とまとめている。

なお、ウイルス性肝炎による肝硬変が減少したのは、近年の直接作用型抗ウイルス薬(DAA)の普及や肝炎ウイルスに対する医療政策の推進が寄与したのではないかと考察している。(HealthDay News 2020年5月18日)

Abstract/Full Text
https://link.springer.com/article/10.1007/s00535-019-01645-y

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

構成/DIME編集部

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