
コロナショックで株式市場は大変動
後年、おそらく「コロナショック」と呼ばれる経済変動が、今まさに起きています。株価は最高値から数か月もせず30%以上下がりました。トランプ大統領就任から上がり続けてきた株価水準が数か月で元に戻ってしまいました。
飛行機での移動は制限され、アミューズメント施設や文化施設は閉鎖。工場も停止されるなど、経済に与えたダメージは大きく、世界規模に拡大しています。あなたがもし資産を運用していたら、大きな損失が生じているかもしれません。こんな時でもスマホは役に立つものでしょうか。
今はできるだけスマホでの株価チェックはしないこと
スマホを活用してお金の様々な問題を解決するのが、本連載のテーマですが、実はいくつか「スマホは便利だけど使い方に注意すべきことがあります。
例えば「借金」。無人店舗があなたのスマホにアプリとして簡単に入ります。広告を見て何となくインストールした人なら、店舗にも行かずとも高金利で借りることができるのです。
また「投機(投資ではなく)」もそのひとつ。FX(外国為替証拠金取引)などは、いつでもスマホだけでトレードが可能。その半面、ハマってしまい、1日で何十万円を溶かすリスクもあります。また、プッシュ通知にも気をつけたいところ。昨今の株式市場の激しい動きが、あなたのスマホに頻繁にプッシュされてしまっては、仕事も集中できないでしょう。
〝デジタルデトックス〟とまではいかないまでも、マーケットの情報を常にウオッチすることは、避けるべきだと思います。特に今の時期はそうです。
経済の回復を見込めるなら売らずに待つのも手
すでに投資をしていて損失(含み損)が出ている場合は「〝損切り〟をしなさい」と、投資本は説明します。もしも借金をして投資をしていたり、財産のほとんどを株につぎ込んでいたりしたら、それは手を引くべきかもしれません。
しかし、無理のない範囲で資産の一部を投資に充てている人は、その「含み損」をそのまま放置しても構いません。なぜなら、下がった株価が回復すれば、その損は消えるからです。しかし値下がりした時点で売ると、そのマイナスは確定してしまいます。
下がった分をもう一度投資で稼ぎ直すのは大変です。理屈としては売った時期より値下がりした時に買い直さないといけません。値下がりが怖くて売った人は、再度買えるはずがないでしょう。
いつかは新型コロナウイルスの特効薬が開発され、世界中の行動制限も解除されると信じられるのなら、慌てて売らないほうがいいでしょう。新型コロナウイルスの影響が収まれば、景気も必ず回復します。慌てて売って再度買い直すチャンスをうかがうだけが、投資ではありません。「待つのも戦術」というわけです。
株価が回復するまでのんびり自動で積立投資を
現在、プロでも市場の動向を読みにくい局面が続いています。そろそろ上がるかと思えば、さらに株価は下がり、まだ下がると思うと逆に5%以上1日で値上がりするような日々が続く、まさに〝ジェットコースター状態〟です。
このような時期は「将来は経済が回復する」ということだけを信じて、のんびり積立投資を続けることをおすすめします。
iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISA(少額投資非課税制度)を行なっている人は、その積み立てペースを守り続けていきましょう。今継続することは、むしろ長い目で見て「安い値段で買い込んだ時期」になるはずです。
また、このような時期に投資をスタートするのも、いい考えです。月1万円程度の積み立て投資で、世界中に分散投資をすればOKです(バランス型の投資信託をひとつ買うだけでよい)。
今回だけは「あえてスマホをチェックしない」ほうがいいこともあるという話をしました。不安なニュースが続いていますが、焦って投資をやめないようにしてください。
スマホでは、画面をスワイプするだけで、ウィジェットの株価情報をすぐにチェックできる。便利な半面、気になると頻繁に確認したくなるので、今の状況ではあえてウィジェットのメニューから外すことをおすすめしたい。
■ 山崎俊輔/お金にまつわるコラムを15本抱える人気ファイナンシャルプランナー。近著に『大人になったら知っておきたいマネーハック大全』(フォレスト出版)がある。
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