
外出自粛による巣ごもり生活では、夫婦が一緒に過ごす時間が増えており、なんとなく気まずい、会話が続かないといった悩みも聞こえる。
そこで今回は、よくある夫婦の会話に関する問題への対処法を夫婦問題カウンセラーにすみよしひさこさんにアドバイスしてもらった。
「夫婦の会話」の問題あるある!対処法は?
1.夫にとって妻の話が長すぎる。何が言いたいのかわからない
「男性としては、『結論から話してくれないかなー』と思いますよね。妻が何を言いたいのかわからないと感じるなら、話の序盤に『アドバイスがほしい?』『共感してほしいの?』『ただ聞いてほしいだけ?』などと質問できると、聞くことが少し楽になると思います。
『今日は何分くらい話す?』などと冗談っぽく言ってみるのも一案。夫婦喧嘩でも、妻の話を何時間も聞かされて困っている場合には、あらかじめ喧嘩に費やす最長時間を2人でルールとして決めておいて、喧嘩が始まったら冷静なほうがタイマーをセット。『タイマー鳴ったからおしまい』とケンカの終わらせ方を決めておくといいですよ」
2.妻は夫に共感してほしくて話しているのに、夫は一般論で冷静に返す
「妻の方には、夫に対して次のように話すのをおすすめしています。例えば『今から話すことにアドバイスは要らないから、否定せずに"うんうん"って言って、ただ聞いてくれたら嬉しい。15分で終わらせるね』『私の話に、共感して"そうなんだね"とか"君はそう思うんだね"って言って、10分だけ聞いてほしい』などと、話す前に夫に伝える。そして、伝えた時間はタイマーをかけてきちんと守ることで、次からも、愚痴でも文句でも、夫は自分の話に気持ちよく付き合ってくれるようになると思います。
どうすれば妻が喜んだり満足したりするのかがわかることで、夫も安心します。また、時間が限られているので、妻も結論を早めに伝えることができると思います」
3.夫がたまに家事をやったが、妻は夫がやったことよりも、できていないところに目がいき、文句を言う
「夫のやる気を削いでしまうパターンですね。夫だって、妻が喜ぶと思ってやったのに、頭ごなしに文句を言われたら気分が悪いですよね。『もう二度とやるものか!』って思ってしまいます。
妻はいつもやっているから、上手にソツなくこなせます。家事をし慣れていない夫には、ある程度、気長に教えていくことも必要です。まずは『やってくれたことに対して感謝する』ことが大切。そしてできたことを見つけて褒めましょう。直してほしいところは『ここのやり方は、こうやると上手くいくわよ』などと一緒にやって見せるのも効果的です。子どもに教えるのと同じように、うまく教えて育てていきましょう」
4.妻の“今日起きた楽しいできごと”の話に、夫は「ふーん、そうなんだ」と返して会話が終了
「多くの男性は、他のことに集中や熱中しているときに話しかけても、まともに聞いていません。耳にシャッターが下りています。夫がテレビを見ているときや、スマホに夢中になっているときなど、何かに夢中になっているようなときに話しかけるのであれば、『今、ちょっと話できる?』『話を聞いて欲しいんだけど、時間ができたら声をかけてね』などとお願いしたり、夫のタイミングを見計らって話しかけたりすることを心がけるといいでしょう。
『あなたはどう思う?』などと夫に質問するのもいいでしょう。『うん』『いや』『べつに』『Yes』『No』など一言で答えられる話しかけ方は、会話が続きません。質問の仕方や話しかけ方で、会話の続き方も変わります」
5.コロナ自粛で一日中、二人で家にいるので、話す内容がなくなってきた。会話がない
「子どもが居れば子どもの話もできますが、夫婦だけで一日中同じ家で過ごすのは大変。しかも、テレビでは、コロナのニュースなどが多く、一緒に観ていると暗い気持ちになりがちです。例えば、『一緒に要らないものを処分する選別をする』『普段掃除できないところを一緒に掃除する』『夫婦で散歩に行く』『一緒に料理を作る』『テレビやYouTubeなどで、楽しい番組を一緒に観て笑う』『2人でゲームをしてみる』など、何かに一緒に取り組むことで、会話も増えるのではないでしょうか。
また、特に男性は一人に時間も大切です。それぞれ一人の時間も大切にしましょう」
巣ごもり生活におけるよくある夫婦間の会話で起こりがちな問題の対処法をアドバイスしてもらった。「あるある」と感じたなら、ぜひヒントにしてみよう。
【取材協力】
夫婦問題カウンセラー すみよしひさこさん
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取材・文/石原亜香利