
釣銭の手渡しを出来るだけ避けたいこのご時世。「QRコード・バーコード決済に切り替えたい。でも、どれが良いのかわからない」という人もいることだろう。
そこで今回、CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関・J.D. パワー ジャパンによる、「2020年前期QR コード・バーコード決済サービス顧客満足度調査ランキング」を紹介していきたい。
J.D. パワー 2020年前期QRコード・バーコード決済サービス顧客満足度 No.1 を発表
●第1位:PayPay(631ポイント)
前回調査に続き、二回目の総合満足度第1位。「キャンペーン/ポイントサービス」「利用できる店舗・ウェブサイト」において、調査対象となった6サービス中、トップの評価。
●第2位:au PAY(627ポイント)
「決済手続き/管理」「セキュリティ/不正利用防止対策」において、調査対象となった6サービス中、トップの評価。
●第3位:楽天ペイ(625ポイント)
「アプリのアカウント設定」において、調査対象となった6サービス中、トップの評価。
データで見えた、日本の社会に定着しつつある「QR・バーコード決済サービス」
QR・バーコード決済サービス事業参入企業が積極的に還元キャンペーンを展開し、経済産業省が「キャッシュレス・ビジョン」を掲げてキャッシュレス決済の普及を推し進める中、QR・バーコード決済はどの程度定着してきているのだろうか。
本調査では、ユーザーの満足度と併せて、半年前に発表した前回調査と比較した消費者行動や意識をみた。
●利用頻度については「ほぼ毎日1回以上」又は「2~3日に1回程度」が36%アップ(前回25%)
●使い分けについては「キャンペーンなどでお得になるQR・バーコード決済サービスを都度選んで決済している」が50%ダウン(前回67%)、「主に利用している QR・バーコード決済サービスでなるべく決済している」が50%アップ(前回33%)
●継続意向については「今後も続けて利用したいか」の問いに対して「非常にそう思う」が44%アップ(前回34%)
●利用金額については「利用金額を増やしていきたいか」の問いに対して「非常にそう思う」が13%アップ(前回11%)
●提携店の数については「利用できる店舗・ウェブサイトが豊富か」の問いに対して「豊富である」が35%アップ(前回24%)
J.D. パワー アナリストコメント
西川健太郎
株式会社ジェイ・ディー・パワー ジャパン
マネージャー
Global Business Intelligence部門 フィナンシャルサービスインダストリー
QR・バーコード決済サービスの過去半年を振り返ると、消費増税に伴うポイント還元や相次ぐ大規模キャンペーンなどにより、マーケットが大きく拡大した一方、参入企業の熾烈な争いに苦戦を強いられ、業界再編化に巻き込まれていく事業者もいた激動の時期でした。
本調査によると、利用頻度はこの半年間で上昇し、QR・バーコード決済サービスが日常生活において定着しつつあると言えます。
また、お得なキャンペーンで複数のサービスを使い分ける傾向から、メインの利用サービスを選んで利用する傾向へと、消費者の志向がシフトしつつあることもわかりました。
ただ利用金額については依然として低水準にとどまっており、利用できる店舗やウェブサイトについても、まだ十分だと言えない状況です。政府によるキャッシュレス決済のポイント還元が6月に終了することを踏まえ、今後も普及を進めるためには、各事業会社がこのような課題にいかに取り組み、利用者のCS(顧客満足)をどのように高めていくかがとても重要なポイントと言えるでしょう。
出典元:株式会社 J.D. Power Japan
https://japan.jdpower.com
構成/こじへい