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金融機関のリスク管理部門が破壊的技術のリスク評価に苦戦する理由

2020.05.15

金融機関は破壊的技術のリスク評価に苦戦

近年、リスク環境が変化と進化を続ける中、データ漏洩に対する防御や相互に関連した新しい脅威への対応はますます複雑化している。ここでの問題は、リスク管理を担う管理職がテクノロジーと同じペースで進歩できていないことだろう。

世界の銀行、保険、証券分野のリスク管理部門を率いる管理職約700人を対象とした調査に基づき作成された「アクセンチュア 2019 グローバルリスク管理調査」を見ると、金融機関のリスク管理部門を率いる管理職の大多数が、自身が破壊的技術のリスクを適切に評価できる能力があるとは考えておらず、新たな脅威により効果的に対処するために新しい戦略とツールの積極的な導入に意欲的であることがわかる。

調査によると、組織全体で人工知能(AI)を導入する際のリスクを適切に評価できると回答したリスク管理部門管理職はわずか11%であり、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)やブロックチェーン導入のリスクに関してはそれぞれ9%、5%と、さらに下回っている。

さらに調査では、外部のリスク要因がより複雑化するなか、リスク管理部門は新たな脅威や加速する変化に対応していくために、これまでのやり方を変えていく必要があると考えていることも判明した。

たとえば、回答者の72%が、相互に関連する複雑かつ新たなリスクがかつてないほど急速に発生していると答えている一方で、回答者の42%は、リスク管理部門が一定の効果を上げているのは、外部のリスク環境の変化への迅速な対応のみだと答えている。

データに関する課題が高度なアナリティクスの導入を阻害

調査によると、サイロ化されて保存されているデータ、不明瞭な規制やレガシーシステムとの連携という3つのデータに関する課題が、リスク管理部門の高度なアナリティクス手法やテクノロジーの導入を妨げている。

リスク管理部門の経営層は、有益な知見を生むためにデータの収集や分析方法を改善する必要があることを理解している。

たとえば、リスク管理部門経営層の63%が企業全体でデータ収集能力の改善に取り組んでいると答え、66%が分析能力の向上に力を入れていると回答。また調査では、脅威に対処しビジネス全体の価値を高めるには、データをより迅速に取得し、さらにマーケティングやソーシャルメディアなどの新たなデータソースにも対応する必要があることを指摘している。

ビジネス成果の向上にリスク管理部門が果たす役割の重要性を他部門が認識していると考える回答者は、わずか55%。リスク管理部門の管理職がいかに組織全体に付加価値をもたらすことができるかについての認識を高めるには、部門間の連携強化が不可欠であると調査は指摘。リスク管理部門は財務部門との連携を強化しており、回答者の75%が財務部門と密接な関係を築いている。

他の事業部門との連携を強化し幅広いデータと分析力を鍛えることによって、リスク管理部門は新たな脅威の予測、評価、軽減する能力を大幅に強化することが可能だ。

迅速な行動は極めて重要だが、リスク環境全体を把握し、既知の事項について優先順位を定め、まだ理解していないことに対して備え、コントロールの見直しに役立てることも大切だろう。

構成/ino.

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