父の日に送るメッセージは、「毎年ワンパターン」「何を書けばいいか分からない」など、意外と悩むものです。今回は、メッセージの書き方のコツや、相手別・テーマ別の文例を紹介します。父の日の由来や黄色いバラなど豆知識もチェックしましょう。
父の日について知ろう
父の日は、『父親への感謝の気持ちを伝える日』として、日本やアメリカでは毎年6月の第3日曜日が採用されています。
普段はスケジュールが合わなかったり物理的な距離があったりで、なかなか父親とコミュニケーションを取りにくい人もいるかも知れません。
そのような場合でも、父の日は改めて家族の絆を強め、お互いに大切な存在だと確認できるよい機会と言えるでしょう。
そもそも父の日とはいつ、どのように始まったのか、また日本で贈り物の定番とされる『黄色いバラ』についてもまとめました。
由来とは
母の日・父の日ともに発祥はアメリカです。
1908年に母の日が始まったことを受けて、翌09年にソノラ・スマート・ドッド夫人が「父の日も作ってほしい」と教会の牧師へ嘆願したという逸話に端を発します。
退役軍人だった父親ウィリアムが、男手一つで6人の子どもを育て上げた功績を称えたいと願ったのです。
7年後、ウッドロー・ウイルソン大統領の演説で父の日が全米に認知され始め、26年にはニューヨークで『ナショナル ファーザーズ・デイ コミッティ』が結成されました。72年には、6月第3日曜日が正式に国の記念日となりました。
日本へ紹介されたのは50年代ごろですが、一般に広まったのは80年代で、デパートなどの販売戦略の影響が大きいとも言われます。
黄色のバラを贈る理由
母の日に贈る花といえば『カーネーション』が定番ですが、父の日は『バラ』が一般的で、特に日本では『黄色いバラ』が定番とされます。
父の日の花としてバラが定着したのは、上記のドッド夫人が父の墓前に白バラを供えたことに由来します。アメリカでは、健在の父には赤いバラ、亡くなった父には白いバラを贈る風習が伝わっています。
日本では、『日本ファーザーズ・デイ委員会』の『父の日黄色いリボンキャンペーン』の影響により、『家族の幸せを願う』『父を尊敬する』などの意味から、『黄色』が父の日のイメージカラーとなりました。
それがバラを贈る習慣と結び付いたことで、父の日には『黄色いバラ』が定着するのです。
気持ちを上手に伝えるコツ
父親に感謝の気持ちや愛情を持っていても、いざ文章にするとなるとなかなかうまく表現できないと悩む人もいるでしょう。
そんなときに参考にしてほしい、『気持ちが伝わりやすいメッセージ』のコツを三つまとめました。文章の上手・下手よりも、自分の一番伝えたいことを明確にし、気持ちを素直に伝えることが大切ではないでしょうか。
分かりやすくシンプルに
男性に対するメッセージは、長くて回りくどい表現よりも、短くシンプルな方が伝わりやすいでしょう。
『感謝の気持ち』『愛情』『尊敬』『健康を祈る』などのカテゴリーから、まずは一番伝えたいトピックを選んで、簡潔にまとめてみましょう。
「父さん、いつもありがとう」「尊敬しています」「いつまでも元気でいてね」など、シンプルでストレートな言葉の中にも、たくさんの意味や気持ちを含めることができるものです。
相手とのエピソードを添える
「毎週末、父さんとのキャッチボールが楽しみでした」「昔みたいに、また一緒に魚釣りに行きたいです」「母さんに叱られたときには、いつも内緒でアイスを買ってくれたね。すごく励まされたよ」
子どものころの父親との思い出や、親子・家族内でのエピソードなどを盛り込むと、オリジナリティと特別感あふれるメッセージとなります。
「ああ、こんなことがあったなあ」と懐かしい気持ちでいっぱいになるとともに、我が子が昔の出来事を覚えていることに感激もひとしおでしょう。
手書きもおすすめ
昨今は、メール・携帯電話・SNSなどデジタルでのコミュニケーションが主流な時代です。だからこそ、手書きのよさが改めて見直されているのかも知れません。
父の日にも、手書きのメッセージにすることで温かみが加わるだけでなく、デジタルとの差別化も図れるでしょう。達筆でなくても、丁寧で心がこもった文字ならば、より気持ちが伝わるものです。
子どもがいるならば、一緒にカードを作ったり、『じいちゃん』の似顔絵を描いて贈ったりするのも素敵です。手作りならではのぬくもりを届けましょう。
相手別 メッセージのポイント
実父と義父とでは、やはり相手との距離感が違うため、メッセージの表現にも差をつけることが必要です。ここでは、実父・義父とそれぞれ送る相手別のポイントと例文を紹介します。
実父へ送る場合
実父という身近な存在だからこそ、気持ちを伝えることが照れくさかったり、素直になれなかったりすることも多いかも知れません。
仰々しい言い回しではなく、日常の中で感じる実父への思いをつづることで、親近感があふれた自然な表現になるものです。
また、『何に対して感謝しているのか』『どんなところが好きか・尊敬できるか』など、具体的な内容を盛り込むと、より実感がこもったメッセージとなり得ます。
「休みの日でも、いつも車で送り迎えをしてくれてありがとう」「正義感が強くて、頼りがいのある父さんを尊敬します」など、実父の素晴らしいところをズームアップしてみましょう。
義父に送る場合
義父へのメッセージは硬すぎないこと、しかし逆にカジュアルすぎないことも大切です。丁寧な言葉遣いでありながらも、自然な文章を心掛けると良いでしょう。
内容としては、日ごろの感謝や、相手の健康に対する気遣いを取り入れます。次の文例をアレンジしてみるのも、一つのアイデアです。
「いつも私たち夫婦を気に掛けてくださり、ありがとうございます。晩酌がお好きなお父さんに、この地方の地酒と特産物のセットを贈ります。飲みすぎにはくれぐれもご注意くださいね」
「ここのところ、毎日スイミングへ通われていると伺いました。充実した毎日で何よりです。これから暑い季節となりますので、どうぞご自愛ください」
メッセージ例
ここからは、『感謝を伝える』『健康を気遣う』といった、テーマ別のメッセージ例を紹介します。一番伝えたいテーマを決めた上で文章を膨らませると、内容がまとまりやすいです。
さらに、個性とユーモアあふれるメッセージについてもまとめました。見たときにクスッと笑える、微笑ましいジョークを盛り込むことで、インパクトと楽しさが倍増します。
感謝を伝えるメッセージ
「父さん、いつも家族のためにありがとう。今の自分があるのは、父さんのおかげです。感謝の気持ちと一緒に、〇〇を贈ります」
「父の日おめでとう。自分も家庭を持ってみて、父さんがどれだけ私(僕)たちのために頑張ってくれていたかを改めて実感しました。今まで本当にありがとう。そしてこれからもよろしく」
「父さんへ、いつも甘えてばかりでごめんなさい。やっぱり父さんは頼りになる存在です。照れくさいから普段は言わないけど、本当にいっぱい感謝しています」
健康を願うメッセージ
「父さん、いつも夜遅くまでお仕事お疲れ様。会社でバリバリ活躍する姿はかっこいいけど、やっぱり健康が第一です。あまり無理しないでください」
「父の日おめでとうございます。お酒とタバコはほどほどに。来年は孫も生まれるし、今後ますます元気に長生きしてください」
「先日父さんに会ったときに、白髪が増えたなと思いました。相変わらず仕事が大変なんだね。話ぐらいならいつでも聞きます。また一緒にカラオケに行って、ストレス解消しよう」
面白いメッセージ
「父さんへ、父の日に感謝を込めて〇〇を贈ります。私(僕)をこんなに親孝行で素晴らしい娘(息子)に育て上げたあなたは、やっぱり偉大な父でした」
「父さん、いつもありがとう。今年はイケメンがさらに5割増しになるネクタイを贈ります。これからもダンディな父さんでいてください」
「父の日おめでとう。父さんのラーメン好き遺伝子は、見事に孫にも受け継がれています。今度の夏休みには、3世代でラーメン屋のカウンターに並びましょう。それまでに胃の調子を整えておいてね」
構成/編集部