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説明会資料から紐解くZホールディングスの増収増益決算の要因

2020.05.12

 ZOZOの買収やLINEとの経営統合発表などで激動の1年だった2019年度にも関わらず、前年比増収増益を実現。初の1兆円超えの売上収益を達成したZホールディングスは、どのような成長を遂げるのだろうか。

 ヤフーを子会社に持つZホールディングス(以下「ZHD」)が4月30日に発表した2019年度(2019年4月~2020年3月)の連結決算では、売上収益が1兆529億円。営業利益は1522億円と前年度に比べて約10%の増収増益を実現した。ZHDの決算説明会資料を基にして中身を詳しく見てみよう。

引用・参照資料:2019年度通期および第4四半期 決算説明会資料/Zホールディングス

■ZHDの2019年通期の財務成績

増収増益を実現した。売上収益、営業利益共に期初ガイダンス以上の成績となっている。

■ZHDの2019年度の取り組み

ZOZOの買収やLINEとの経営統合の他、Zホールディングス発足により、ヤフーやZフィナンシャルなどの持株会社体制移行など、会社組織再編の動きが目立った。

■ZHDのビジネスモデル

Eコマースの物販による売上高が過半数を占める。その他には金融事業が多く含まれている。

■新型コロナウイルスの直近(4月1日~4月26日)の影響

外出自粛による宿泊・外食関係の需要減とEコマース物販の需要増が主な影響。広告ではエンタメや通信/インフラ/官公庁の各業種の需要が伸びている。

Eコマース事業は取扱高以上に収益性が向上。ファッションカテゴリはZOZOとの効果を発揮

 Eコマース事業では商品の取扱高が2.5兆円を突破。前年比14.3%増の取扱となった。収益性はさらに向上し前年比30.6%増の801億円となっている。ZOZOTOWNがPayPayモールに出店してファッションカテゴリの取扱高を拡大したこともその効果だろう。

■ZHDの2019年度のEコマース取扱高と営業利益

取扱高が14.3%増となった以上に、営業利益は30.6%増となり、前年度に比べて収益効率が良くなったことがわかる。

■ZOZO連結の影響

PayPayモールのZOZOTOWN出店とは別に、ZOZOTOWN本体の営業も合わせてZHDが2019年度にとりこめた営業利益は89億円。ZHD全体の約5%の利益をZOZOが生み出した計算になる。2019年11月から5ヶ月間の取り込みなので、12カ月に換算すると12%となる。

またZOZOの連結が無い場合でもZHDの売上収益は9,954億円と1兆円にせまる勢いだったことがわかる。

■ZHDのeコマース取扱高の定義

Yahoo!ショッピングやヤフオク!のほか、LOHACOやアスクルなどの物販、一休やYahoo!トラベルなどのサービス・デジタルによる取扱を合計して2兆5,936億円の取扱があった。うち物販取扱高は2兆1,473億円にのぼる。

決済サービス「PayPay」での投資損失があったが利用者数は急拡大。収益化への布石となりうるか

 ユーザーへの大きな還元施策でデビュー当初から世間の注目を集めた決済サービス「PayPay」は、利用者数の急拡大を実現した。財務成績資料にある投資損失が全てPayPayのものであった場合、急拡大のための投資に対してZHDの損失は245億円となるが営業利益1,522億円と比べると約15%程度の規模の損失である。そこまで大きな損失とは考えておらず、利用拡大の先にある広告や金融での収益拡大を目論むための投資と割り切っているようである。

■PayPayの登録者数等の成績とビジネスモデル

サービス開始1年半で2,700万人の利用者を獲得した。PayPayのビジネスモデルでは、利用可能な加盟店、利用者、決済のデータを活用して、ZHDが行うコマース、広告、金融事業で収益を上げる算段。PayPayは収益化のための基盤と区分けして考えている。

■PayPay株式会社の資本構成

PayPayを提供しているのはZHDではなく「PayPay株式会社」。ヤフーとソフトバンクとソフトバンクグループとが出資し合ってサービスを提供している。ZHDから見ると子会社のヤフーがPayPay株式会社の議決権を25%保有している。そのためヤフーが持つPayPay株式会社の株式の保有割合に応じた投資損失が計上されている。

2020年度は2019年度にまいた種を育てる1年に。LINEとの経営統合は今のところ順調に進捗

 増収増益が実現できたとはいえ、ZHDでは2019年度は未来のための種まきを行った準備の年であると位置づけていた。

2020年度はまいた種を育てる1年にするという経営方針を打ち出している。一番大きな大きなトピックはLINEとの経営統合であろう。3月17日に行われたLINEとの株式交換契約の承認は可決済で、統合に必要な手続きは順調に進捗しているという。金融事業では「シナリオ金融」の本格展開。メディア事業では「統合マーケティングソリューション」の拡大の方針をそれぞれ打ち出している。長期の営業利益見通しでは、2019年度比で約1.5倍となる2,250億円の営業利益を2023年度に目論んでいる。その時、どのような便利なサービスが提供されているのだろうか。楽しみである。

■ZHDの金融事業のテーマ「シナリオ金融」

各サービスでの利用者の活動を「シナリオ」と表現し、それに見合う金融商品の提供を行う考え。サービス利用の付加価値でもあり、金融事業の収益拡大にもなる。金融事業では「保険」と「ローン」の2つのキーワードが出ている。

■ZHDの長期的な営業利益の見通し

2022年度までは構造変革期間、それ以降を成長ステージとしている。

文/久我吉史

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