
市版SDGs調査2020 もっとも幸福度が高い市はどこ?
世界中で取り組みが進む「SDGs」。
日本全国でも取り組みが始まっているが、そもそも地球全体の視点で作られたものであり、日本各地での状況を踏まえた「住民の視点」になっているとは言えない。
少子高齢化や地域の疲弊が大きな課題となっている日本の各地域では、その実態を加味した住民視点での地域版「持続的な開発目標」も必要なのではないだろうか。
そこでブランド総合研究所は、全国の政令指定都市、中核市、県庁所在市の83市を対象とした市民目線による悩みや社会の課題、幸福度や定住意欲度などに関する地域の持続性を明らかにする『市版SDGs調査2020』を実施した。
調査では市民の生活についての評価指標である「幸福度」および生活の「満足度」、社会や居住市に対しての持続性につながる指標である「愛着度」と「定住意欲度」の計4つの指標の平均点を総合指標である「SDGs指数」を算出。
調査の結果、83市のうち最もSDGs指数が高かったのは、川越市(埼玉県)
同市は幸福度も全国1位で、満足度は4位、愛着度10位、定住意欲度13位と4つの指標の評価がいずれも高くなっている。2位は金沢市(石川県)で、同市も4指標ともに10位以内と高い評価だった。
3位は西宮市、4位に明石市と兵庫県の市が続いたが、同県では神戸市も8位にランクイン。なお、都道府県版では兵庫県は7位となっていた。5位には福岡市、豊橋市、札幌市が並んだが、福岡市は愛着度と定住意欲度で全国1位、豊橋市は満足度で1位となっている。
また、愛着度が最も高かったのは福岡市で、半数の50.0%が「とても愛着がある」と答えるなど、83.5%が愛着があるという結果になった。
僅差で札幌市と金沢市、そして神戸市、京都市と続いている。いずれも人口が多く、観光面でも人気の高い市となっている。
定住意欲度でも1位は福岡市。53.2%が「ぜひ住み続けたい」と回答するなど、83.0%に定住意欲があるという結果に。2位以下では神戸市、札幌市、金沢市と愛着度の上位の市が占めた。その中で高槻市が5位、明石市が6位、西宮市が7位と近畿の中核市が並んでいる。
一方で、「移住したい」と答えたのは83市平均で12.8%で、20代では16.6%、30代では13.0%だった。
回答者自身や家族の問題として抱えている不満や悩みを、48項目の中から選んでもらったところ、「悩みはない」と回答したのは16.7%で、残りの83.3%は悩みがあると回答した。
具体的な悩みとして最も多かった悩みは「低収入・低賃金」で83市平均で34.6%。この結果は市によって大きく異なっており、宮崎市(52.7%)と青森市(50.9%)は市民の半数以上が悩んでいるという結果に。逆に最も少なかったのは西宮市で23.0%。次いで岡崎市と越谷市の23.5%となった。
「低収入・低賃金」の次に多かったのは「貯蓄・投資」で29.1%、次いで「ストレス」27.1%、「運動不足」23.6%の4項目がいずれも20%以上。SDGsのゴール(ジャンル)別では、「①貧困」、「③健康・福祉」に関連する項目で上位10項目を占めている。
調査概要
市版SDGs調査2020は、全国の男女、15歳以上を対象に、2019年11月19日から12月23日にかけてインターネットで調査を実施し、13,753人の有効回答を得た。
調査対象は政令指定都市、中核市、県庁所在市の計83市。調査対象者は調査モニターの中でそれらの市に居住している市民で、調査項目は幸福度、満足度、愛着度、定住意欲度、SDGs認知度、投資経験の基本指標6項目のほか、住民の不満や悩み、社会として取り組むべき課題など、合計106項目について回答。
調査方法:インターネット調査
調査対象:政令指定都市、中核市、県庁所在市の計83市
回答者 :登録調査モニター(15歳以上)から、対象市ごとに市民を抽出
回収数 :13,753人(各市から約200人を目標に回収)
有効回答数:13,270人 (不完全回答および非居住者を除いた)
各都道府県は約160人(一部で有効回答数が少ない市がある)
調査時期:2019年11月19日~12月23日
調査項目:基本指標(幸福度、満足度、愛着度、定住意欲度、SDGs認知度、金融商品への投資経験など6項目)
市民の悩み(「低収入・低賃金」など50項目)社会として取り組むべき課題(「農林水産業の衰退」など50項目)
回答者属性:年齢や性別、婚姻、子供の有無、世帯年収、居住形態など
構成/ino.
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