
昨今のコロナショックで多くの業界が何らかの影響を被っているのは間違いない。不動産業界も例外ではないようで、このほど株式会社LIFULLが実施した調査によると、9割を超える不動産事業者が「企業活動に影響が出ている」と回答したことが明らかになった。
なお本調査は、不動産情報サイト「LIFULL HOME'S」に加盟する全国の不動産事業者を対象として実施された。
9割を超える不動産事業者が “企業活動に影響が出ている” と回答、前月より2割増加
現時点での企業活動への影響について調査が行われたところ、「あてはまる」が52.1%、「ややあてはまる」が39.6%と、全体の 91.7%が企業活動へ影響が出ていると回答する結果となった。
前回(3月9日~12日実施、回答925件)は、「あてはまる」が27.1%、「ややあてはまる」が43.4%で、「企業活動へ影響が出ている」とする合計は70.5%だったことから、この1ヶ月でこの割合は大きく上昇し、全ての業態で影響を受けていることが明らかになった。(グラフ①-1)
続けて、「現時点で企業活動に影響が出ている」で「あてはまる/やや当てはまる」と回答した方を対象に、その内容を尋ねる調査が行われたところ、賃貸仲介では「来店者の減少」、賃貸管理・売買仲介・売買分譲では「内見者の減少」が最多となった。
その他では「問い合わせの減少」「売上の減少」「商談の延期・中止」と答える割合が高く、前回と大きな違いはなかったが、「マスクや消毒薬など衛生用品が確保できない」を除き、いずれも1か月前と比べ て約10~30%上昇しており、企業活動への影響が拡大してきていることが考えられる。(グラフ①-2)
さらに、「主に手がけている業務内容」で「賃貸仲介/賃貸管理」と回答し、「現時点で企業活動に影響が出ている」で「あてはまる/やや当てはまる」と回答した方を対象に、3月に入って増加したものについて尋ねる調査が行われたところ、「入居の延期・中止」が最多となった。
次いで、「家賃値下げの相談・交渉」や「家賃支払遅延の連絡・相談」についても2割近くの方が増加したと回答しており、新型コロナウイルス感染症の影響で失業した入居者の他、収入の減少により家賃の支払が困難になった入居者からの相談が増えていることがわかった。
また、自由回答では、飲食業などのテ ナントから相談が増加しているといった声も見受けられた。(グラフ①-3)
ほぼ全ての不動産事業者が“今後の影響を心配している”と回答
今後の影響を心配しているかどうかについて、「あてはまる」が78.3%、「ややあてはまる」が 20.3%と、全体の 98.6%が今後の企業活動への影響が心配であると回答した。
前回(3月9日~12日実施、回答:925件)は、「あてはまる」が53.4%、「ややあてはまる」が38.5%で、「企業活動への影響が出ている」とする合計は91.9%だったことから、全国での感染者数増加の報道や調査実施中に発令された緊急事態宣言など、様々な懸念材料が回答に影響を及ぼしたものと考えられる。 (グラフ②)
8割を超える企業が「売上の減少」を心配
「今後の企業活動への影響が心配である」で「あてはまる/やや当てはまる」と回答した方を対象に、具体的に何を心配しているのか尋ねる調査が行われたところ、すべての業態において「売上の減少」が最多となった。いずれも8割を超え、1ヶ月前と比べて20%近く上昇している。
また、「来店者の減少」「内見者の減少」「問い合わせの減少」も10~20%近く上昇し、7割を超えている。回答した方の多くが、不動産事業者としての主要な企業活動への影響を強く危惧しているようだ。(グラフ③)
<調査概要>
実施期間:2020年4月6日 ~ 2020年4月12日
調査対象:LIFULL HOME'S に加盟する全国の不動産事業者
回答件数:750件(LIFULL HOME'S加盟店従業者)
調査方法:インターネット調査
分析:株式会社LIFULL
出典元:株式会社LIFULL
https://LIFULL.com/
構成/こじへい