ビデオ会議アプリは感情を表現できるツールに
このような事態になって岡田さんは改めて会社という「場」の意義を考えると言う。
「やっぱり情報量が違う。職場に行って仕事するのとテレワークの違いは、いわば新聞とネットの関係です。職場に行くといろんな人がいて、いろんな話をしていて、いろんな情報が入ってくる。テレワークしているとネットで必要な情報しか見ないですよね。会社って行くだけでエンタメだったんだと、今つくづく思います」
離れて知る会社の楽しさ。オンラインだけではまかなえないものが確かにある。しかし会社を恋しがっている場合ではない。岡田さんは前向きにこう話す。
「今はオンラインワークをマスターする時間だと考えていいでしょうね。これから今のようなオンライン仕事が当たり前になります。採用もオンラインで行われるようになるかもしれません。コミュニケーションの取り方も変わってくるでしょうね。当社のビデオ会議アプリMicrosoft Teamsにはチャット機能、ファイル閲覧機能を備え、ほとんどの会議は可能だと思いますが、これからはもっと感情をリアルに表現できるツール、よりアクションできるようなツールが求められるでしょう」
コロナ禍とともにオンラインツールも進化していくのだろう。
次に会える日のために自重トレーニング中
サーキットブレーカー中の現在、買い物や通院など、必要不可欠な用事を除いて外出禁止。また、外出時はマスク着用が義務づけられており、ジョギングやランニングのような激しい運動以外で外してはならない。違反すると300シンガポールドル(約2万4000円)の罰金で、すでに100名以上が実際に罰金を取られている。
なるべく距離を取るよう四隅にマーキングされたエレベーター内。ショッピングモールではアルコール消毒剤を設置している所も多い。
岡田さんの感染予防対策は徹底している。極力、外出を控えているのはもちろん、外出から帰ったらサンダルは玄関の外に置き、手洗いして、シャワーも浴びる。シャツとパンツはすぐ洗濯。在宅時も1日3回くらいタオルを交換。窓を開け、換気を行っている。日々の運動には散歩とジョギングに加え、自重トレーニングによる筋トレを取り入れている。マイクロソフトでは運動不足解消用に、ヨガやボリウッドダンスの運動系のオンラインセッションや、メンタル面のサポートとしてメディテーションなどのオンラインセッションも定期的に提供しているという。
「いつになるかわかりませんが、次にスタッフや友人に会えるときに備えて自重トレです。できればお腹も今より締めておきたいですね! STAY GOLD!」
と、岡田さんは座右の銘でインタビューを締めくくった。この時期を何に使うかで、コロナ後の人生が変わってくるかもしれない。
シンガポール政府から配布された布マスクはこんな形。「近所に行くときはこのマスクを使っています」。外出時はマスクすることが義務づけられている。
取材・文/佐藤恵菜 写真/岡田兵吾さん提供