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外出制限を違反で最大44万円の罰金が科されるフランス、現地で暮らす日本人に聞くパリの今

2020.04.23

3月17日に発令された外出規制から1か月が経ったフランス。4月21日時点で、感染者は約16万人、死者は2万人を超えた(AFP発表)。日本と違って外出制限の掟破りには高額な罰金が科されるフランスで、テレワーク中の市民はどのように暮らしているのだろうか。フランスの金融会社の勤務するパリ在住歴1年半の大関春子さん(仮名)に話を聞いた。

人通りのないオペラ座前

BCPで疫病時も想定済みだが、意外だったLANパンク

大関さんの会社は、外出制限が発令された週初め(3月16日)からテレワークに入った。大関さんの主な業務は社内のリスクモデルの見直しなど管理部門に属し、テレワークによる支障はあまりないという。また、コロナ以前から自宅勤務する機会もあり、テレワークには慣れている。金融会社ということで、BCP(事業継続計画)がしっかりしていたことが奏功した部分も大きいようだ。

「金融系は社会インフラの側面もあるので、BCPには疫病時の想定も含まれていますし、うちの会社では毎年、BCP訓練を行っていました」

とはいえ、会社が一斉に、しかも長期間テレワーク化するのは初めてのこと。想定していながらも、会社のLANへの大量アクセスは想定以上だったようで、しばらくはキャパオーバー状態に。

「なるべくLANにつながない。メールは2〜3時間おきに1回チェックするよう、会社から指示されました。テレ会議も、ビデオ付は大容量を食うので音声だけで行っています。ビデオ付は発言者の表情がわかっていいのですが、なくてもさほど問題は感じません。顔が映るのが苦手な人はフランスにもいまして、音声だけのほうが発言しやすいかもしれません」

テレワーク時代を迎えて、日本でもズームやスカイプなどを使ったビデオ会議が急遽大人気を博しているが、ムリにビデオを使う必要はないのかもしれない。

長期化するテレワークの問題点は、「ダレること」。大関さんはパリのアパルトマンにひとり暮らし。家人に気を遣う必要はないが、話しかける相手もおらず、生活時間も後ろ倒しになりがちだとか。
「仕事モードにするために、シャツだけ仕事用のシャツに着替えるようにしました」。

日本でも通常の勤務時間になったらスーツに着替えようなどのアドバイスが見られる。それぞれ仕事モードになれるものを身につけるといいかもしれない。

3密を防ぐ、スーパーマーケットは出入り口で入場制限

フランスでは外出する際、正当な理由がなければ外出できない。外出時は政府の発行する「特例外出証明書」をダウンロードし、プリントアウトし、外出が必要な理由を書いて携帯しなければならない(4月初旬から証明書にQRコードが付き、スマホで提示できるようになった)。外出制限に違反すると、罰金135ユーロまたは375ユーロ(約1万6000円/約4万4000円)。半月内の再犯は200ユーロまたは450ユーロ(約2万3400円/約4万6800円)、前回の反則金の滞納があると最大1500ユーロ(約18万円)。1か月以内に4回違反した者には3750ユーロ(約44万円)の罰金、もしくは最大6か月の拘禁刑という厳しさだ。(4月13日付 在フランス日本大使館HPより)

特例外出証明書。今はQRコード付きでスマホで表示できるようになっている。

買い物と運動は許可されているが、運動は半径1キロ以内、1時間以内の制限付き。大関さんはどのように外出しているのだろうか。

「仕事はほとんど外出する必要がないので、もっぱら買い物のみです。買い物について特に移動距離の制限がないので、私はシェアサイクルを利用して、少し先のスーパーまで買い出しに行っています」

ちなみにパリ市内には300メートルおきぐらいにシェアサイクルのステーションがあり、月額400円程度の会費で、30分まで無料だ。町中では警官に証明書の提示を求められたことはないという。

シェアサイクルのステーション。

「パートロール中の警官もちらほら見ますが、市民に証明書をチェックしている場面はほとんど見かけません。ただ、フランスはこれぐらいの罰金を科さないと外出してしまいますから。自粛? そういう表現は聞かないですね」

今や気分転換にも運動にも欠かせないスーパー。日本の都市部では週末のスーパー内が3密になってしまったりするのだが、パリではどのような対策が取られているか。

「フランスではふだんからスーパーの入り口に警備員がいるのですが、コロナ以降、警備員が人数制限しています。また、入り口と出口が別になっているスーパーが多いのですが、今はひとつにして、ひとり出て来たら、ひとり入れるとか、調整しています」

これは有効な方法と思うが、日本での導入は可能だろうか。また、野菜売り場には「Ne touchéz pas!」(触るな!)という注意書きが出現。
「ポリエチレン袋が置いてあって、それを手にかぶせて取ってくださいと。生ものだからでしょうね。レジの前はアクリル板で仕切られるようになりました。空港の銀行窓口みたいに板の下の方がくりぬかれていて、お金のやりとりをしています」

不特定多数の人が手に取る商品は野菜に限らず、ウイルス付着の可能性がある。売り場のポリ袋を手袋にしながら買い物するのもいいのではないだろうか。

バルコニーのパチパチタイムでお互い励まし合う

市内のアパートやマンションでは、夜になるとバルコニーに出て、歌を歌ったり、拍手をしたりして医療従事者に感謝の気持ちを表したり、お互いを励まし合うことが、パリでも日課になっている。

「夜8時になると、アパートの住民がバルコニーに出て拍手を始めます。イタリア人ほど歌が上手でないからでしょうか、フランスではパチパチが主流のようです。私の場合、特に近所づきあいあるというわけじゃないのですが、連帯感といいますか、ちょっといいですよね、気分も晴れますし。私も毎晩、参加しています」

夜8時ごろになるとバルコニーに出て拍手するのが日課に。

長引く外出制限。この夜8時のパチパチタイムが、ひとり暮らしの大関さんにとって貴重な気分転換タイムになっている。4月に入り、夜8時でもパリはまだ明るい。

「バルコニーの柵に医療従事者やスーパーの店員さんなどを励ます大段幕をかけている家も見かけます。日本ではあまり見られないと思いますが、感謝の気持ちを表明するのっていいなあと思いますね」

バルコニーに掲げられた医療者へ感謝を表す大段幕。

アパートのエレベータ内に貼られていた「お買い物、不便な方、代わりに行きますよ」のメッセージ。

テレワークが話題になっているが、テレワークできない人もたくさんいる。医療従事者や介護施設の職員、スーパーやコンビニで働く人や仕入れの人、たくさんの人が今も日夜、外で働いている。レジでひと言、ありがとうでもいいから、感謝の気持ちを表してみてもいいだろう。困難なときこそ近隣の人と助け合う。長丁場なる予感大の外出制限。身近な人ともソーシャルディスタンスが必要だが、ドアを固く閉ざすのではなく、近隣で助け合う精神は忘れずにいたい。

☆外出制限中の参考に!☆

・LANは必要な時だけつなぐ
・ビデオアプリでムリに顔出ししなくても会議はできる。
・テレワーク中は仕事モードになれる何かを身につける
・医療従事者をはじめ、私たちの生活のために働いている人たちに感謝の気持ちを表そう。
・ご近所さんと助け合おう!

取材・文/佐藤恵菜 写真/大関さん提供

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