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時間がある今こそじっくり観たい!演技派俳優スティーヴ・カレルが実在の殺人犯になりきった映画「フォックスキャッチャー」

2020.04.23

■連載/Londonトレンド通信

 ずらり映画タイトルが並ぶ配信サービスで、記憶に新しい最近の話題作や誰もが知る古典的名作を外した中から、秀作を取り上げていきたい。

外見も内面も寄せていたスティーヴ・カレル『フォックスキャッチャー』

(C) MMXIV FAIR HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 人が誰かに「似ている」、「ここまで寄せてきた」は、もうそれだけで見もの、物まね芸人が成り立つゆえんだ。

 映画でも、それが評価に加味されもする。最近では、2018年のアカデミー賞で『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のチャーチルを演じたゲイリー・オールドマンが主演男優賞、特殊メイクを担当した辻一弘がメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。

 チャーチルは写真や記録映像で見たことがあったが、『フォックスキャッチャー』でスティーヴ・カレルが演じたジョン・デュポンはこの映画を観るまで知らなかった。ただ、カレルがいつもの様子とは全然違うのが衝撃だった。

『40歳の童貞男』などコメディーで知られるカレルには、親しみやすい印象がある。だが、『フォックスキャッチャー』ではその親し気な雰囲気がまるでない。白髪と付け鼻、目元も重く見せているカレルは、表情も暗く気難しい印象だ。

 2014年10月16日にロンドン映画祭で行われた会見時、カレルは「ずっと役になりきっていました。それしか選択肢がなかったのです。だって、誰も話しかけてこないんだから」と冗談交じりに撮影時を振り返った。

 それでも、「悪役とは思っていません。育ち方と、精神的な病でああなってしまった普通の男として、共感できる部分もあるくらいです」と述べている。

 ああなってしまった、デュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンは人を殺めてしまったのだ。

 その殺人事件は1996年とそこまで古い話でもなく、検索してみると顔写真はじめ、いろいろ出てきた。もともとの顔立ちはそれほど似ていないカレルだが、よく寄せている。(検索すると事件の概要も出てくるので、ネタバレ無しに観たい場合は要注意)

 外見を似せただけでなく、共感できる部分さえあるという理解が、観る者にも届く。成功した一族の中でのジョンの位置、デュポン家の広大な土地に練習場から宿舎まで用意して、ソウル五輪を目指したレスリングチーム「フォックスキャッチャー」を作るジョンの妄念じみた情熱。そして、その結果...

 チームに呼び寄せられる金メダリスト、マーク・シュルツを演じるチャニング・テイタム、同じく後に呼び寄せられるマークの兄でやはり金メダリストのデイヴ・シュルツ役マーク・ラファロも、いつもの印象とはだいぶ違っている。カレルはじめこの主要キャストの様変わりも、不穏な空気を醸し出すのに一役買っている。

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発売元・販売元 株式会社KADOKAWA

 前述したように1996年の事件なので、登場人物の中には生存している人も多い。 

 ロンドン映画祭での会見でベネット・ミラー監督は、「デュポンの弁護士からは協力しないと言われましたが、何(訴えるなど)もしないとも言われました」とコメントしている。

 そうして完成にこぎつけた映画は、お披露目されたカンヌで監督賞、その後、さらに様々な映画賞を受賞し、アカデミー賞でも5部門にノミネートされた。

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文/山口ゆかり
ロンドン在住フリーランスライター。日本語が読める英在住者のための映画情報サイトを運営。http://eigauk.com

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