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仮想通貨を担保に日本円を借りられるFintertech「デジタルアセット担保ローン」のメリット、デメリット

2020.04.21

 暗号資産(仮想通貨)を担保に、法定通貨である日本円が借りられる融資商品が登場した。商品を取り扱うのは「Fintertech」というスタートアップ企業で、商品名は「デジタルアセット担保ローン」である。

引用元:Fintertech

 Fintertechには大手金融機関2社が出資している。出資者は、大手証券会社の持株会社である「大和証券グループ本社」とクレジットカードやローン商品を数多く取り扱う「クレディセゾン」である。

大和証券グループ本社は、大和証券、大和ネクスト銀行、大和アセットマネジメントなどの金融機関を束ねる持株会社。このうち大和証券は創業110年以上を誇る老舗の証券会社でありながら1996年に日本で初めて証券のオンライントレードサービスを開始した実績がある。先進的な技術への興味度が他社よりも高いことが伺える。
引用元:大和証券グループ本社

クレディセゾンはセゾンカードというクレジットカードを軸に、ローンなどを手がける金融機関。2019年度の売上高(収益合計)は約3,000億円と、クレジットカード業界ではトップを誇る。クレジットカード会員に提供している「永久不滅ポイント」という有効期限がないポイントサービスなど顧客利便性を追求している特徴がある。
引用元:クレディセゾン

暗号資産を長期で保有して価値の上昇に期待する一方で日本円が必要な法人や個人事業主が対象

 Fitertechが公開しているデジタルアセット担保ローンのパンフレットから特徴を整理しておこう。ローンの金利は4%~8%と、法人が銀行から担保で融資を受けるときの金利の倍くらいの金利ではある。しかし信用力の問題で銀行から借りられないが、暗号資産を保有している法人にとっては好都合なローン商品だ。

■デジタルアセット担保ローンのパンフレット

最短4営業日で融資してもらえて、金利は年1回まとめて支払う。担保にする暗号資産の評価額に応じて、最低1000万円から100万円単位で最大5億円まで借りられる。保証人は不要だが融資審査はある。会社員などの個人は利用できない。
引用元:https://fintertech.jp/media/images/pdf/product_dablls.pdf(以下同)

①担保対象と担保掛目

 担保にできる暗号資産はビットコインのみとなっている。担保掛目とは日本円の融資を行う時の上限を決める際に、どのくらいの価値があるかを計算するための割合のこと。

デジタルアセット担保ローンでは担保掛目は50%となっている。担保にしたビットコインの価格全額を借りられるわけではない。

例えば担保にするビットコインの価格が100万円だとしたら、100万円×50%=50万円が担保の評価額となり融資の上限となる。 

 ちなみに担保とは、お金が返せなくなったときに備えてあらかじめ、貸し手に渡しておく価値のある物品のこと。身近な例でいえば、家を担保にしてお金を借りる住宅ローンがある。

②極度方式基本契約

「この金額までなら追加の審査なしで、融資が受けられる」という契約の仕方。銀行のカードローンの仕組みをイメージするとわかりやすい。例えば極度方式基本契約で100万円と契約したとき、実際に30万円のお金を借りたとすれば、審査なしで借りられる金額は100万円-30万円=70万円となる。例でいう100万円は、この金額まで借りられる最大の額という意味で「極度額」という。

③担保率

 担保掛目の数字と混同しやすいのが担保率。担保掛目は契約を結ぶときに注目する数字で、担保率は契約中に追加でお金を借りるときに気にする数字。 担保率の場合は借入額に対する担保の評価額割合をあらわす。

 例えば借入額が50万円で担保の評価額が100万円の場合は、50万円÷100万円=200%が担保率となる。

 このときの担保の実際の価格は200万円である。

 デジタルアセット担保ローンで追加借り入れを希望する場合を考えよう。

 ビットコインの価格が下落していて、担保率が200%を割ってしまっていると、契約した極度額の範囲だとしても追加で借りることはできない。

 もし担保率が100%を下回った場合には、評価額を下回ってしまうので、貸し手からすれば返済を求めたくなる。また担保率が50%を下回ってしまうと、ビットコインそのものの価値よりも借りている金額の方が多くなってしまう。 

 50%未満の状態で返済を求められた場合は、ビットコインの売却に加えて、足りない分の日本円を用意しなければならない。

 デジタルアセット担保ローンでは、担保率が100%に近づいてくると担保を売却する説明が記載されている。具体的な担保率の値は示されていないものの、担保を売却した金額で返済ができるように工夫している。

デジタルアセット担保ローンのパンフレットにある説明図。橙色の棒が借りている金額。青色の棒が担保にしたビットコインの評価額。契約するときに設定できる極度額は、青色の棒の半分まで。借りているときに追加で借りたい場合は、橙色の棒の2倍以上の長さがあるとき、すなわちグラフ中の赤色の部分までの長さがあれば借りられる。

暗号資産の価値上昇の期待値が、ローンの金利支払いよりも大きいか本当に考えよう

 暗号資産を保有したままお金が借りられるとはいえ、お金を借りている間の暗号資産の保有者は「Fintertech」になる。またお金を借りている間に暗号資産の価値が上昇すれば、損をすることはないが、暗号資産の価値が下がった場合には、お金を借りるのではなく暗号資産を売却して日本円を用意すればよかった。と損することになる。

 また暗号資産の値動きが激しくて一時的にでも担保率が100%を切ってしまうと、その時点でFintertechによって暗号資産を売却されてしまいかねない。

 暗号資産の価値上昇の期待値と、価格変動の大きさをよく考えてローンを利用するか考えねばならない。利用するにしても担保率をできるだけ大きくしておいた方が賢明だ。

文/久我吉史

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