
20代、30代、40代。仕事観、結婚観、人生観など様々な価値観の相違がありそうなこれらの世代において、金銭感覚はどれほど異なっているのだろうか?
そんな世代間の金銭感覚の違いについて調べるアンケート調査がこのほど、SMBCコンシューマーファイナンスによって行われた。
お小遣いの平均額 全年代で前年比減少 20代28,760円/月 30代26,684円/月 40代27,085円/月
全国の20歳~49歳の男女(20代1,000名、30代500名、40代500名、全回答者)に対し、毎月自由に使えるお金はいくらあるかを尋ねる調査が行われた。
年代別にみると、いずれの年代も「1万円以下」(20代33.7%、30代37.6%、40代38.0%)に回答が集まった。また、平均額は20代で28,760円、30代で26,684円、40代で27,085円と、20代が最も高くなった。
平均額を前回の調査結果(※1)と比較すると、20代(前回32,224円→今回28,760円)は3,464円減少、30代(前回30,786円→今回26,684円)は4,102円減少、40代(前回30,278円→今回27,085円)は3,193円減少となった。
働き方改革によって長時間労働の是正が進められているが、残業時間の減少とともに収入が減り、お小遣いに回せる金額が少なくなったというケースもあるのではないだろうか。
続いて、現時点で、どのくらいの貯蓄ができているか尋ねる調査が行われた。
年代別にみると、いずれの年代においても、「50万円以下」(20代・46.3%、30代・25.8%、40代・28.0%)が多数の回答を集め、20代では半数近くになった。また、「0円(貯蓄ができていない)」は、20代で18.6%、30代で20.0%、40代で23.2%と、40代が最も高くなった。
貯蓄額の調整平均額(※2)を前回の調査結果と比較すると、20代では前回、今回ともに53万円となった。30代では前回194万円→今回183万円と微減、40代では前回196万円→今回202万円と微増した。
リタイアまでに貯蓄がいくらあれば安心? 全年代で2千万円超が4割前後
2019年6月、金融庁の審議会によって、“公的年金だけでは老後の生活資金が2千万円不足する”との報告書が公表され、話題になった。仕事をリタイアした後の備えについて、どのように考えている人が多いのだろうか。
そこで、全回答者(20代・1,000名、30代・500名、40代・500名)を対象に、仕事をリタイアする年齢までに貯蓄がいくらあれば安心できるか尋ねる調査が行われた。
年代別にみると、20代では「500万円超~1千万円以下」(22.4%)に回答が集中。30代・40代では「1千万円超~2千万円以下」(30代・23.6%、40代・25.0%)に回答が集まった。また、『2千万円超(計)』の割合をみると、30代(44.0%)が最も高くなった。
平均額を前回の調査結果と比較すると、20代(前回4,026万円→今回4,016万円)は、前回と同水準の結果となった。30代(前回4,955万円→今回5,524万円)、40代(前回5,473万円→今回5,845万円)は、今回大幅に上昇した。30代・40代では、リタイア後の生活資金を高く見積もる人が増えたようだ。
上司や先輩からおごってもらっている20代は30% 20代がおごってもらっている金額の平均は8,769円/月
次に、上司や先輩からおごってもらっているか尋ねる調査が行われたところ、おごってもらっている人の割合は20代で29.5%、30代で20.0%、40代で10.8%となった。若い年代ほど“部下・後輩”として恩恵を受ける機会が多いようだ。
上司や先輩からおごってもらっている人(20代・295名、30代・100名、40代・54名)を対象に、ひと月あたりいくらおごってもらっているか金額を尋ねる調査が行われたところ、平均は20代で8,769円、30代で6,254円、40代で6,445円と、20代が最も高くなった。
また、部下や後輩におごっているか尋ねる調査が行われたところ、おごっている人の割合は20代で21.9%、30代で19.6%、40代で15.0%となった。
おごってもらっている人の割合だけではなく、後輩などにおごっている人の割合も20代が他の年代より高いことがわかった。自分が上司や先輩からしてもらっていることを後輩にしてあげている20代が多いのではないだろうか。
部下や後輩におごっている人(20代・219名、30代・98名、40代・75名)を対象に、ひと月あたりいくらおごっているか金額を尋ねる調査が行われたところ、平均は20代で6,975円、30代で6,498円、40代で7,680円と、40代が最も高くなった。
無理せず買える範囲で良いものを選ぶ人は年代が上がるほど高い傾向
20代・30代・40代の消費スタイルには、どのような特徴があるのだろうか。
全回答者(20代・1,000名、30代・500名、40代・500名)を対象に、消費行動について、自身の考えや状況にそれぞれどの程度あてはまるか尋ねる調査が行われた。
消費行動について、『あてはまる(計)』(「非常にあてはまる」と「ややあてはまる」の合計、以下同じ)を年代別にみると、<多少無理しても、良いものにお金をかけたい>では、20代で48.8%、30代で48.6%、40代で46.4%となり、<無理をせず、買える範囲で良いものを選びたい>では、20代で82.7%、30代で86.0%、40代で88.0%となった。
いずれの年代でも、良いものには出費を惜しまないという人よりも、買える範囲内で良いものを探すという人が多いようだ。また、買える範囲内で良いものを探すという人の割合は、年代が上がるほど高くなることがわかった。
次に、<購入検討する際、同じ商品群・サービスの中で「最安値」のものは必ずチェックする>では、20代で78.1%、30代で81.4%、40代で81.0%となり、<商品やサービスのレビュー(口コミ)を必ずチェックする>では20代で74.3%、30代で76.2%、40代で67.8%となった。
最安値や口コミのチェックを欠かさない、“調べ尽くし消費”を行っている人は年代に関係なく多いようだ。
キャッシュレス派が増加 増加は20代で目立つも積極利用は30代・40代
昨年は、消費税増税に伴うキャッシュレス・ポイント還元事業がスタートしたことで、キャッシュレス決済への注目が高まった年だった。
そこで、キャッシュレス決済の利用状況について質問が行われた。
キャッシュレス決済の利用状況について、『あてはまる(計)』を年代別にみると、<スーパーやコンビニなどでの普段の買い物では現金決済よりキャッシュレス決済のほうが多い>では、20代で53.9%、30代で60.0%、40代で59.6%となった。20代よりも30代・40代のほうが、キャッシュレス派の人が多いようだ。
キャッシュレス派の人の割合を前回の調査結果と比較すると、20代では前回44.1%→今回53.9%、30代では前回52.8%→今回60.0%、40代では前回53.4%→今回59.6%と、いずれの年代においても増加しているが、20代の増加が目立った。
また、<消費税増税後に、キャッシュレス決済をする機会が増えた>では、20代で53.8%、30代で56.2%、40代で54.4%と、いずれの年代においても半数以上の人が消費税増税後のキャッシュレス決済機会の増加を実感している結果となった。キャッシュレス派増加の背景には、2019年10月の消費税増税に伴いキャッシュレス・ポイント還元事業が始まったことがあるようだ。
QRコード決済アプリの利用者急増、30代・40代の使用率は30ポイント前後上昇
全回答者(20代・1,000名、30代・500名、40代・500名)を対象に、支払いや買い物に関するアプリを使用しているか尋ねる調査が行われた。
アプリの使用率(「現在使っている」と回答した人の割合)をみると、いずれの年代においても1位は「ネット通販アプリ(Amazon、ZOZOTOWNなど)」(20代・62.0%、30代・59.2%、40代・49.6%)、2位は「QRコード決済アプリ(PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、Origami Payなど)」(20代・41.8%、30代・46.8%、40代・42.6%)だった。
また、30代と40代の結果を前回の調査結果と比較すると、<QRコード決済アプリ(PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、Origami Payなど)>の使用率で大きな変化がみられ、30代(前回13.6%→今回46.8%)では33.2ポイント上昇、40代(前回14.2%→今回42.6%)では28.4ポイント上昇となった。
PayPayの100億円還元キャンペーンなどが注目を集めたが、決済業者が行うポイントキャンペーンをきっかけに、QRコード決済アプリを使い始めた人が多いのではないだろうか。
消費の矛先で世代差 “友人とのつながり”や“SNS映え”にお金をかけたい人は若い年代ほど高い傾向
20代・30代・40代は、どのようなことに対して、積極的に出費したいと考えているのだろうか。
全回答者(20代・1,000名、30代・500名、40代・500名)を対象に、商品やサービスを購入する際の考え方について、それぞれどの程度同意するか尋ねる調査が行われた。
『そう思う(計)』(「非常にそう思う」と「ややそう思う」の合計、以下同じ)を年代別にみると、<自分の趣味嗜好に合う「もの」や「こと」にお金をかけたい>では、20代で78.8%、30代で78.6%、40代で77.8%と、いずれの年代も8割近くとなった。自分の好みに合うものに対しては財布の紐が緩む傾向にあるようだ。
<友人とのつながりを感じるための「もの」や「こと」にお金をかけたい>では、20代で54.5%、30代で43.0%、40代で34.0%と、若い年代ほど高くなった。20代には、友人とのつながりを持ったり、つながりを維持したりするためにお金をかけたいと思っている人が多いようだ。
また、<SNS映えしそうな「もの」や「こと」(SNSに写真をアップすると目を引くようなもの)にお金をかけたい>では、20代で29.5%、30代で17.4%、40代で12.2%と、友人とのつながりのための消費と同様に、若い年代ほど高くなった。20代には、SNSで“いいね!”をもらえそうなものや体験などに出費したいという人が少なくないようだ。
<一人で行動・消費することにお金をかけたい>では、20代で58.9%、30代で53.2%、40代で54.4%と、20代が30代・40代と比べてやや高くなった。
20代の49%が“友人とのつながり”のために消費 使っている金額の平均は5,862円/月
では、実際に、どのくらいお金を使っている人が多いのだろうか。
<自分の趣味嗜好に合う「もの」や「こと」>にお金をかけている人の割合をみると、20代→70.5%、30代→69.4%、40代→64.0%となった。
自分の趣味嗜好に合う「もの」や「こと」にお金をかけている人(20代・705名、30代・347名、40代・320名)がひと月あたりにいくらかけているのかをみると、平均金額は、20代では7,497円、30代では8,401円、40代では10,399円と、年代が上がるにつれ高くなった。
<友人とのつながりを感じるための「もの」や「こと」>にお金をかけている人の割合をみると、20代→48.8%、30代→39.6%、40代→36.8%と若い年代ほど高くなっていた。
友人とのつながりを感じるための「もの」や「こと」にお金をかけている人(20代・488名、30代・198名、40代・184名)がひと月あたりにいくらかけているのかをみると、平均金額は、20代→5,862円、30代→5,460円、40代→5,218円となった。20代は、お金をかけている人の割合、かけている金額ともに、他の年代と比べて高く、友人とのつながりのための消費に積極的であることがわかった。
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