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ロックダウン都市の拡大と長期化はどこまで世界経済にダメージを与えるのか?

2020.04.16

新型コロナウイルスのパンデミックによって、世界経済は今後どのような動きを見せるのだろうか?

今回、三井住友DSアセットマネジメントのチーフマクロストラテジスト・吉川雅幸氏が中心となって策定した「世界経済見通しの悪化とマネーフロー」に関する最新レポートを紹介する。

ロックダウンの広がりと長期化

欧米を中心に新型コロナウイルスによる肺炎(以下COVID-19)の感染が拡大した2月下旬以降、経済見通しは下方修正される方向にあった。特に、3月中旬以降は世界経済の見通しは急速に悪化した。

この見通し悪化の最大の要因は、感染防止のための本格的なロックダウン(移動制限による都市封鎖)が欧米主要国に加えて新興国にも急速に広がったことだ。

ロックダウンという強い移動制限によって直接的な影響を受けるのはレジャー、外食・宿泊、輸送、教育などサービス関連の消費で、主要国では消費全体の25%程度を占めている。

強力なロックダウンの実施により、こうしたサービスの消費が9割程度減少すると仮定すると、1カ月でその国の消費全体を1.9%近く押し下げると見込まれる。

消費は多くの国でGDP全体の6~7割を占めるため、サービス消費落ち込み効果だけでGDP全体を1.1~1.3%減少させる。これに雇用調整や設備投資の先送りを通じた二次的なマイナス効果を加えると、1カ月のロックダウンによる成長率への影響は、▲1.5~▲2.0%程度になると推定される。

前提や使用するモデルによって推定には幅が出るが、ロックダウンに伴う消費への影響が6月まで(2~3カ月)続くと想定すると、2020年の世界経済成長率に対して、▲3~▲5%程度の下振れ要因となるとみられる。

COVID-19の感染拡大前は、2020年の世界経済は3%前後の成長が見込まれていたが、2020年はリーマン危機直後以来のマイナス成長となるリスクが高まってきた。

先行きの展開を左右する要素

世界経済は、2020年4-6月に急減速した後、7-9月以降、ロックダウン緩和を受けた消費回復に加え、米中などの財政政策の効果によりリバウンドする、というのがメインシナリオ。2020年は年前半の落ち込みが大きいため、通年でもマイナス成長になるが、2021年はその反動で4~5%のプラス成長となることが見込まれる。

ただし、先行きの展開は幾つかの要因によって左右され、まだ不確定な部分がかなり残っている。第一は感染の動向。特に、感染収束や移動制限の緩和のタイミングと、中国も含め感染の再拡大が起きないかの2点が鍵になる。感染が再拡大すれば、2020年後半から2021年の景気回復が抑制されてしまう。

第二は企業金融面への波及を抑制できるかだ。売り上げ急減が債務の元利払いに影響する懸念から、欧米の社債利回りは大きく上昇している。

これが長期化すれば2020年後半以降の設備投資が抑制されてしまう。米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が資金供給に加え、社債購入など政策を総動員しており、悪影響は緩和されるとみられますが、警戒は必要だ。

第三に財政面からの対応。トランプ政権と米議会がインフラ投資増額などで合意できるか、4-6月以降の中国の景気対策などが注目点となる。

感染の早期収束、大規模な財政刺激が行われるケースがアップサイドである一方、企業金融混乱、再感染発生により秋口以降、景気が再減速し、V字回復ではなくU字ないしL字型の景気パターンになってしまうケースがダウンサイドリスクといえる。

「現金」に滞留する資金の行方

投信関連の資金フローを集計しているEPFRグローバルによると、2020年3月は現金を確保する動きが加速、株式や社債だけでなく、ソブリン債(各国の国債等)からも資金が流出し、マネーマーケットファンド(MMF)等、現金に近い資産(及び金等)に資金が集中する極端な動きとなった。

主要中銀の利下げ、資金供給、クレジット市場対策を受けて、4月以降「現金化」の動きは沈静化傾向となったが、現金に近い資産に大規模な資金が滞留した状態となっている。

当面、感染の長期化リスクが意識され、「現金化」が再燃する局面もありえるが、年央に向けて景気のダウンサイドリスクが限定されてくれば、まず先進国の株式や高格付け債、続いて新興国関連資産などに資金が回帰していくことが期待される。

(吉川チーフマクロストラテジスト)

出典元:三井住友DSアセットマネジメント株式会社

構成/こじへい

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