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プラセボを使ってもEDが改善、スウェーデン・カロリンスカ研究所発表

2020.04.20

性機能改善にプラセボ効果? 

バイアグラなどの勃起不全(ED)治療薬が登場してから、EDは心理ケアの対象ではなく、疾病として薬物治療の対象とみなされるようになった。

しかし、ED治療薬の臨床試験に参加した男性の中には、プラセボを使用したにもかかわらず性機能が改善した男性が相当数存在していたことが、カロリンスカ研究所(スウェーデン)臨床神経科学部のAlexander Stridh氏らによるメタ解析から明らかになった。

このようなプラセボ効果は、特に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱えている男性で高かったという。研究結果の詳細は「JAMA Network Open」3月20日オンライン版に掲載された。

Stridh氏らは今回、バイアグラなどのホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害薬に関する63件の臨床試験に参加した計1万2,564人の男性(平均年齢55歳)のデータを統合してメタ解析を実施。プラセボ使用と性機能改善との関連を調べた。

なお、これらの臨床試験の多くは、心血管疾患や糖尿病などの慢性疾患が原因でEDを発症した男性を対象としていたという。

その結果、PDE5阻害薬は、慢性疾患を原因とするED患者に対して極めて高い症状改善効果を示した。

その一方、プラセボ群に割り付けられた男性でも、軽度から中程度の勃起機能の改善を示したものがいた。このようなプラセボ効果は、特にPTSDを有する男性で高いことも明らかになった。

Stridh氏は「臨床試験の対象者には、慢性疾患が原因のED患者が多く含まれていたことから、血管や末梢神経の機能障害を主な原因とするEDの場合には、脳が勃起機能に与える影響力は限定的と思われる」と説明。

さらに、特にPTSDの男性でプラセボ効果が高かったことから、「EDには生理機能よりも心理面の方が強く影響することが示唆された」と述べている。

これらの結果を踏まえ、Stridh氏は「患者ごとのEDの原因究明が重要だ。原因を明らかにすることで、最良の治療の選択が可能になる」と強調。

また、一部のED患者においては、薬物療法よりも心理療法のベネフィットが大きい可能性があるとし、「ED治療薬は多くの患者で効果を発揮するが、EDを心理面から理解することを軽視すべきではない。特に、生理的な原因が不明なときは、心理的側面に着目する必要がある」と指摘している。

専門家の一人で米ノースウェル・ヘルス傘下のアーサー・スミス泌尿器研究所のManish Vira氏は、今回の報告を受けて「特にPTSD患者において、プラセボでも症状が有意に改善していたことを踏まえると、医師は薬物療法を始める前にED患者の心理的なストレス要因を評価する必要がある」と述べている。

なお、Stridh氏によると、今回の解析では、前立腺がん治療後の性機能の改善に対して、ED治療薬はプラセボを上回る長期的な効果を示さなかったという。

このような治療は一般的に行われているものだが、同氏は「この治療効果は疑わしいかもしれない」と付け加えている。

ただし、Stridh氏は、今回示された性機能改善に対するプラセボ効果は、症状の重症度の自然経過を反映したものである可能性があるとし、結果を慎重に解釈するよう求めている。

「多くの患者は症状が悪化したときに受診するもので、受けた治療に関係なく、数週間以内に自然に回復した可能性も考えられる」と同氏は説明している。(HealthDay News 2020年3月26日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2762993

構成/DIME編集部

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